◇廃止の水環境科学館、活用 政府・与党に来月にも提案
既存の下水道処理施設を利用し、日本の水処理技術を世界に売り込む拠点となる国の「下水道ハブ」を誘致しようと、県が本腰を入れている。今年度で廃止される県立水環境科学館(草津市矢橋町)を拠点化し、隣接の湖南中部浄化センターを利用する考え。県は新年度予算に関連予算約1400万円を計上しており、来月には政府・与党に提案する。
【稲生陽】
「車輪の中心」を意味するハブとは、人や情報が集まる拠点を指す。水分野では欧州の大手企業や上水道のハブを整備したシンガポールが先行しているが、下水道技術は途上国で需要が増え続けており、国の試算では市場規模は07年の15兆3000億円から25年には35兆5000億円に膨らむ見通しだ。来年度に国が着手する下水道ハブは、全国約2100カ所の下水道処理施設から1~2カ所を選び、見本市として中国などに処理技術を売り込む。
県内には水処理に使う逆浸透膜で世界シェア約5割を持つ日本の3大メーカーの拠点があり、関連企業も多い。処理水をさらに浄化する「高度処理」の普及率は全国首位の84・3%と、2位の大阪府(50・2%)に大差をつけている。93年に建設された水環境科学館は近くの琵琶湖博物館と客層が重なるため、県の外部機関が09年に廃止を提言。県はその後の活用法を探っていた。
現在、ハブ化に手を挙げているのは県と横浜市のみ。県は水質改善に取り組んできた歴史や観光面の利点を紹介する提案書を既に作成。「今後、途上国で下水道は必須の技術。ハブ化できれば産業振興はもちろん、観光面での影響も大きい」と期待する。国交省の担当者は「集積した技術に加え、環境破壊を克服してきた滋賀は有望な候補」と評価している。
【関連ニュース番号:1012/208:10年12月24日:キーワード「水処理技術」でブログ内検索
(2月11日付け毎日新聞・電子版)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20110211ddlk25010438000c.html
既存の下水道処理施設を利用し、日本の水処理技術を世界に売り込む拠点となる国の「下水道ハブ」を誘致しようと、県が本腰を入れている。今年度で廃止される県立水環境科学館(草津市矢橋町)を拠点化し、隣接の湖南中部浄化センターを利用する考え。県は新年度予算に関連予算約1400万円を計上しており、来月には政府・与党に提案する。
【稲生陽】
「車輪の中心」を意味するハブとは、人や情報が集まる拠点を指す。水分野では欧州の大手企業や上水道のハブを整備したシンガポールが先行しているが、下水道技術は途上国で需要が増え続けており、国の試算では市場規模は07年の15兆3000億円から25年には35兆5000億円に膨らむ見通しだ。来年度に国が着手する下水道ハブは、全国約2100カ所の下水道処理施設から1~2カ所を選び、見本市として中国などに処理技術を売り込む。
県内には水処理に使う逆浸透膜で世界シェア約5割を持つ日本の3大メーカーの拠点があり、関連企業も多い。処理水をさらに浄化する「高度処理」の普及率は全国首位の84・3%と、2位の大阪府(50・2%)に大差をつけている。93年に建設された水環境科学館は近くの琵琶湖博物館と客層が重なるため、県の外部機関が09年に廃止を提言。県はその後の活用法を探っていた。
現在、ハブ化に手を挙げているのは県と横浜市のみ。県は水質改善に取り組んできた歴史や観光面の利点を紹介する提案書を既に作成。「今後、途上国で下水道は必須の技術。ハブ化できれば産業振興はもちろん、観光面での影響も大きい」と期待する。国交省の担当者は「集積した技術に加え、環境破壊を克服してきた滋賀は有望な候補」と評価している。
【関連ニュース番号:1012/208:10年12月24日:キーワード「水処理技術」でブログ内検索
(2月11日付け毎日新聞・電子版)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20110211ddlk25010438000c.html