湖北1市6町の合併で1月1日に誕生する新「長浜市」では、住民サービスが市の制度に統一され、6町地域の介護保険料や幼稚園保育料などが変わる。財政面では、市税収入が伸び悩む中、合併で膨らむ財政規模を圧縮し、健全運営をどう実現するかが課題だ。
各町の役場は支所となり、戸籍や住民票の取り扱いなどの窓口業務に従来通りあたる。職員数は、市立病院を含め700人ほど増え2001人となる。
介護保険料は、来年度の市の基準額5万1880円に合わせ、虎姫と木之本は減額、ほか4町は増える。幼稚園保育料は月額4500円に統一。木之本は1500円減り、湖北は1000円増えるなど、地域で違いが出る。学校給食費や水道料金などは合併後に検討する。
1市6町合算の財政規模は、2008年度決算ベースで550億円ほど。草津市の350億円など人口・産業構造が類似する自治体に比べて大きい。半面、歳入に占める市税の割合は36%で、草津市の60%に比べて低い。市税を含む自主財源は52%にとどまり、国からの地方交付税などへの依存度が高い。
数値が高いほど豊かとされる財政力指数で見ても、現在の0・66から合併後は0・55へ低下。県内13市平均の0・83を大きく下回り、財政基盤は弱い。地方債残高は607億円となり「地方債に頼った事業を計画する余裕はない」(市財務課)状態だ。
市は、20年度までに職員を300人減らして人件費を削減。合併基本計画に沿い、同年度までに財政規模の100億円圧縮を目指すが、市職員の中には「10年かかっては遅い。5年で実現して、さらにどれだけ圧縮できるかが健全化へのかぎだ」との厳しい声がある。 (近藤歩)
【関連ニュース番号:0912・238、12月28日など】
(12月31日付け中日新聞・電子版)
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20091231/CK2009123102000005.html
各町の役場は支所となり、戸籍や住民票の取り扱いなどの窓口業務に従来通りあたる。職員数は、市立病院を含め700人ほど増え2001人となる。
介護保険料は、来年度の市の基準額5万1880円に合わせ、虎姫と木之本は減額、ほか4町は増える。幼稚園保育料は月額4500円に統一。木之本は1500円減り、湖北は1000円増えるなど、地域で違いが出る。学校給食費や水道料金などは合併後に検討する。
1市6町合算の財政規模は、2008年度決算ベースで550億円ほど。草津市の350億円など人口・産業構造が類似する自治体に比べて大きい。半面、歳入に占める市税の割合は36%で、草津市の60%に比べて低い。市税を含む自主財源は52%にとどまり、国からの地方交付税などへの依存度が高い。
数値が高いほど豊かとされる財政力指数で見ても、現在の0・66から合併後は0・55へ低下。県内13市平均の0・83を大きく下回り、財政基盤は弱い。地方債残高は607億円となり「地方債に頼った事業を計画する余裕はない」(市財務課)状態だ。
市は、20年度までに職員を300人減らして人件費を削減。合併基本計画に沿い、同年度までに財政規模の100億円圧縮を目指すが、市職員の中には「10年かかっては遅い。5年で実現して、さらにどれだけ圧縮できるかが健全化へのかぎだ」との厳しい声がある。 (近藤歩)
【関連ニュース番号:0912・238、12月28日など】
(12月31日付け中日新聞・電子版)
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20091231/CK2009123102000005.html