【「歴史的に存在しない」市民団体、市に申し入れ】
大津市のJR西大津駅が今春から大津京駅に名称変更されることについて、文化財の保存活動に取り組む市民団体が1月30日、市に対し「大津京という都は歴史的に存在しない」と指摘し、再検討を求めた。同駅の名称変更をめぐっては、大津京の駅名を支持する別の市民団体が「日本書紀では近江大津宮(おうみおおつのみや)を近江京と呼んでおり、これを大津京としても差し支えない」としている。
再検討を求めたのは、皇子山古墳(同市錦織1丁目)などの文化遺産の保存活動に取り組む「皇子山を守る会」(代表、山尾幸久・立命館大名誉教授)。メンバーの中村博司・大阪樟蔭女子大非常勤講師(日本考古学)ら3人がこの日、市役所を訪れ、「改称を撤回し再検討することを要望する」とする内容の目片信市長あての文書を担当者に手渡した。
3人は、「西大津駅周辺にあった近江大津宮は、『京』の定義である碁盤目状の区画が確認されておらず、学術的に『大津京』と呼ぶことはできない。歴史的な文献にも、『大津京』は登場しない」と指摘。
「公共施設に歴史上誤った名前が付いてしまえば、後世にも残ってしまう」として、市に学識者を集めた検証委員会などを開き、駅名について議論し直すことを求めた。
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同会は2月10日午後1時半から、「市民運動ネットワーク滋賀」(池田進代表)などと共同で、同市浜大津4丁目の明日都浜大津4階で、駅名改称を考える講演会を開く。資料代として300円が必要。問い合わせは、池田さん(077・522・5415)へ。
【関連ニュース番号:0801/43、1月12日など】
(1月31日付け朝日新聞:同日付け毎日、京都、2月3日付け読売も報道)
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000801310002