てのしごと~ながくて風土~

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11年前、初めて栽培した野菜とハーブ

2012年10月17日 | 

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ここは・・・実は、わたしが11年前、はじめて野菜やハーブを育てて畑のように使っていた、思い出の場所の現在の姿です。

12年前のちょうど10月。わたしは実家を離れて名古屋の転勤をきっかけに独立しました。名古屋市と長久手町(当時)の境にあった、ワンルームのアパートで暮らし始めました。

部屋の外は普通にベランダになっていて、その柵の先に、なぜか2,3坪の土が盛ってある場所がありました。1階だったのでちょっと歩くとその土の場所に行けたのです。

仕事をしながらバタバタと引っ越しだったので、生活がちょっと落ち着いたなと思うった頃には、もう翌年になっていました。

そして春。たまたま友人にハーブの苗をもらいました。そしてそれに続いて、偶然かたまたまか、同僚の友人からオクラ、ラディッシュ、あと何かの種をもらいました。

とりあえずハーブは寄せ植えにしました。

野菜の種・・・。

母が花や木、植物を育てることが好きで、貸農園で畑をしていた頃もあったくらいの園芸好きだったのですが、わたしは花は好きだったけど、野菜は育てたことなんて一度もありませんでした。

種を見つめて、どうしうよう・・・と思ったけれど、とりあえず土の上に麦の種を蒔くように、パーーっと、ばらまきしたのです。

・・・そんなことはすっかり忘れて、しばらくして、雨上がりのある日、外を眺めていると、土からたくさんの芽が…!!

急いでその場所を見に行くと、かわいいフタバがいっせいに芽吹いていたのでした。

こりゃ大変!!!!

ずっと昔に芋の苗を植えた記憶をたどりながら、草刈りカマ程度の小さなクワで、畝をつくり、少し大きくなるのを待って、オクラの苗を移植しました。

ラディッシュと何かはそのまま放置しておいたら育ったので、サラダかなにかにしてさっと食べてしまいました。

肥料も草取りも、虫よけもなんにもしていないのに、オクラはぐんぐんぐんぐん大きくなって、やがてハイビスカスのような淡い黄色のきれいな花を咲かせたかと思ったら、空に向かってオクラが次々とならせていきました。

なんだかミラクルな感じでした。

たのしくなってきて、昼休みは毎日家にとんで帰って畑の世話をしていました。ジャガイモやピーマンなども育てていました。

あとその頃は、ハーブや花もたくさん育てていました。

当時は夜もしょっちゅう遊んでいましたが、真夜中でも帰宅すると必ず畑の様子を見て、しばらくなにをするわけでもなくそこに立っていました。

そんな生活を2,3年していました。

そして、結婚、ほどなく妊娠してからわたしの人生が大きくかわりました。

気持ち悪いほどタフなわたしが、妊娠をきっかけに身動きとれなくなってしまったのです。

妊娠中が過酷すぎて、両親もわたしの姿を見て、子どもは一人で限界だと思って心配していましたが、3人を本当に命からがら(結構ホントに)産んで、育児して、10年近くの年月が経ってしまいました。

・・・その間も、心の中で「ちょっとでも自由に動けるようになったら、きっと畑づくりをする」と何度も思っていました。

そして、ついに昨年、たった10坪の粘土質の畑(万博の駐車場で重機で押しつぶされアスファルトを覆われていたので信じられないくらいゴチンゴチン)からまた、わたしの畑はじまりました。

今思えば不思議な偶然がつながって今のわたしがあるのですが、本当にずっとずっと畑でさまざまな野菜を育てて、思いっきり旬のおいしい野菜を味わいたい!という想いがいつもあって、場所もないのに種を買ってみたり、苗屋さんでジィィ・・・と苗を見ていたり・・・。

野菜づくりにだけはなにか特別な想いを持ち続けていたように思います。

実際百姓をやっていると・・・頭で考えるとなんでこんな大変でもうからないことやってんだろ!?ということもあるのかもしれないけれど、心では、これ以外考えることなんてできません。

わたしは、昔のおいしかった野菜をとり戻したい。かつてあった美しい日本の景色に戻したい。そういうことが自分にもできる、この百姓仕事って、ホントになんていい仕事なんだろう。こんないい仕事ってないと思ってしまうのです。

頭で思考すると、重労働過ぎるし、ほんとくだらないことかもしれないんだけど・・・!

上の写真は、株が2メートル近くくらいに広がったローズマリー。もう11年も生きているんだなぁと愛おしく思えます。レモンバームや強烈に浸食するミントも植えていたけれど、ローズマリーが圧勝したということですね!

コメント
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