河童アオミドロの断捨離世界図鑑

河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

水心魚心の水作

2016年09月10日 | ZIZY STARDUST
今朝はエアポンプが奏でる火星人の笛のような音で目覚めました。

日毎に水温が下がってきたようで、膝と腰が神経痛なのか痛みます。
床と風呂場との30cmの段差が越えられなくなり15cmの踏み台を買いました。
だいたいからして30cmも段差があることのほうが異常なのです。
坂道は上りより下りのほうが危険だと言います。

どこが痛むのか手で探ってみましたが、もはや全身の感覚がありませんでした。

ついに僕はメダカの意識から液体の水へと輪廻転生したようです。
目の前を泳ぐメダカが見えますから間違いありません。
水になったからにはもう自由の身です。
蒸発して天上界へ行けるのです。

今日から名前を「黒江水作」に変えます。

睡蓮投入

2016年09月10日 | ZIZY STARDUST
ホテイアオイ等は冬には枯れるので、
越冬できる温帯睡蓮(ヒメスイレン)を投入。
写真のスケール感がよくわからないが、ホテイアオイもスイレンも小型品種なので、
メダカが大きく見えるが、このメダカ池は非常に狭い。

貧困老人はメダカなど飼うな、スマホを持つな、というバッシングを受けそうであるが、
裕福だったら、レトリバーを2頭飼っていて、iPhoneを3台持っているはずなので、
貧困だからメダカとandroidしか飼えないのである。

秋色の冷たき水底で

2016年09月10日 | ZIZY STARDUST
二学期が始まってからもう二週間が経とうとしていました。
プールの水は冷たくなってきて時々気を失いそうになります。
昨日からは水中ポンプのようなものが入れられて泡がブクブク出ています。
水中から上を見上げるとエサを放り込んでいる人の顔が見えました。

「あれは僕じゃないか、水中にいるはずの僕がなんで、外にいるんだ」

考えてみればおかしな話です。
人間の僕が1ヶ月以上水の中にいるのです。

「僕は池のメダカで、外にいる僕は僕じゃないんだ」

極楽くんは衝撃的な事実に気づきました。

「僕は元からメダカだったんだ。
一学期の学校生活は、あれは、すべて、僕が水中で見ていた夢だったんだ」

意識というのは生まれ変わる度に、草になったり、虫になったり、魚になったりします。
人間だった頃を思い出して夢に見る夜もあります。

そろそろ、冬眠する時期に来たのかもしれません。
魚の僕は、水底でアンドロイドになった夢を見ながら、次の春を待つのです。

ビオトープ完成

2016年09月05日 | ZIZY STARDUST
台風が来る前にと、完成を急いだが、
結局、台風は消えて、雨だけ降ったので、
水を入れる手間が省けた。

900円のプラ舟というのに水を張っただけで、
ヘドロだらけのゴミ溜めのようなものになった。
中に何がいるかさっぱり見えない。

次はここにガンジス川の水を入れ、
川岸に火葬場を作ろうと思う。

水生植物の鉢を入れたらビオトープらしくなると思う。
来年はカワセミとトンボが来るようにしたいが、
たぶん蚊が大量発生するだけと思う。

過ぎ去りし黄金の日々

2016年09月05日 | ZIZY STARDUST
いくつもの台風が過ぎ去りました。
低気圧は夏の熱をうばって、街はもう秋の気配です。
プールには枯れ葉やコンビニの袋やなにかがいっぱい貯まって、水は緑色になり、水底は見えなくなりました。
もう、極楽くんがどにに潜っているのかさえわからなくなりました。
毎日来てくれた緑川くんも近頃では来なくなりました。

「先生、極楽くんはどうなったのですか?」

「あ、先生もすっかり忘れてました、たしか2学期から転校したんでしたよね」

生徒の一人や二人、芸能人の十人や二十人が居なくなったとしても、
この世の中は何も変わらないのです。

すっかり水中生活に慣れてしまった極楽くんは、排水口から漂ってくるカレーの香りが気になっていました。

「このカレーの香りは本場のインドの香辛料のものだな
昔のことわざに『すべてのプールはガンジスに通じる』というのがあったけど
もしかして、この排水口をたどればガンジス川に出られるのかもしれないな
これから寒くなるからインドにカレーを食べに行くのもいいかもしれない
この排水口が、探していた『夏への扉』だったんだ」

香りには記憶を閉じ込める働きがあるといいます。
インドカレーの黄色い輝きとスパイシーな香りにはきっと
忘れかけた中学二年生の夏がいっぱい詰まっているにちがいありません。
誰もが年老いて、もう未来が見えなくなった時
ガンジス川のほとりで食べるカレーはあの黄金の夏の日を呼び覚ましてくれるのです。






9月は何かがやってくる

2016年09月04日 | ZIZY STARDUST
「今日から新学期です
じゃあ順番にこの夏休みに何をしたか聞いていきましょう
ところで、極楽くんはどうしたんですか
隣の席の石居くん、何か知っていますか?」

「先生、極楽くんはプールに潜ったままです」

「夏休みにプールに潜ったまま
9月になってもプールから上がってこないなんて
ずっと中学二年のままで三年生になれないですよ
誰か極楽くんに話を聞いてきてください
このクラスに水に強い人はいますか?
そうだ、カッパの緑川君、君にお願いしましょう」

「わかりました、僕が行ってきます」

9月の空を映したプールは青い空色の水色をしていました
残暑だとはいっても、水は少しづつ冷たくなっていました
ポチャン
緑川くんはほとんど水しぶきを上げずに飛び込みました
水面の雲の影が少しだけ揺れました

「極楽くん、なぜプールの底に潜ったままなんだい」

「やあ、緑川くんじゃないか
僕が水の底にいるのは、泣きたいからさ
プールの中で泣けば誰にも気付かれないだろう
特に雨の日のプールは最高だ
誰もいないし寂しすぎて泣くには最高の環境だ」

「このままじゃ中学三年生になれなくなるって、先生が心配していたよ」

「僕は永遠に中学二年生のままでいたいんだ
この夏休みの中にずっと沈んでいたいんだ」

「極楽くん、それはやめたほうがいいよ
それは『中二病』といって
僕のとうさんもカッパだけど同じ病気だったんだ
サラリーマンになってからずいぶん苦労したみたいだよ」

「僕は会社員になんかなりたくないんだ
ずっとプールの底でミジンコやユーグレナを食べて
生きていくから栄養は大丈夫だよ」

「極楽くん、明日は台風が来るみたいだよ
台風の後はすっかり秋になって、ミジンコも絶滅して、もう水の中には居られないよ」

「緑川くん、カッパの君がなんてこと言うんだ、君は僕の味方じゃなかったのか」

「わかったよ、極楽くん
でも寒くなるから、僕の甲羅を貸してあげるよ
これで、少しは君の心も暖かくなると思うよ」

「ありがとう、君は僕の一番の親友だね」

緑川くんは甲羅を脱いで極楽くんに渡そうとしました
しかし、甲羅は体の一部だったので脱ぐことができませんでした

「ごめん、やっぱり甲羅は渡せない、まあ、そのまま頑張れよ」

緑川くんに裏切られたと思った極楽くんは少し泣きました
緑川くんはその涙に気づきませんでしたが
ミジンコ達は水がしょっぱくなったことでクルクルと踊りだしました
水中から見上げると、降り始めた雨粒が作る波紋が、とてもきれいでした