伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

入遠野ゆかりの画家大沼さんが個展・・20日まで

2019年11月17日 | イベント
 今回の展覧会のテーマは「サンティアゴ巡礼路の一部」で数十点の作品が紹介されている。

 その画風について、素人の私が突っ込んだ表現をするとしかられそうな気がするが、印象派の流れを汲んで、光と空気がその画面の中に閉じ込められているように感じた。もっともその受け止めの表現が妥当かどうかは良くわらからないが。

 今回のテーマ、「サンディアゴ巡礼路の一部」。

 この巡礼路は、主にフランス各地からピレネー山脈を経由しスペイン北部を通る道を指すようで、各地の自然の景色に浮かぶ集落等を描いた作品や、作家のライフワークとも思われる果物などの静物画が展示されている。



 この作品は、フランスの・・名前は忘れてしまったが、巡礼路にあたる地域にある教会だということで、安置される彫像の見学者が増えているのだという。

 その他に、教会を描いた作品が数点有り、どれもこれ良いなという雰囲気。

 震災後にドイツにたずねた時、教会を中心に形成された町の姿を見てきたが、周りの風景と合わせた町のたたずまいに、日本とは違う異国の空気感が漂い、心を引きつけるのだ。


 果物を書いた静物画の中で、ザクロが目をひく。

 ザクロで思い出すのが鬼子母神。多数の我が子を育てるために子どもを食べていた夜叉毘沙門天=鬼子母神に、人肉の味がするザクロを食べるように釈迦が勧めたというが、これは俗説らしい。

 それはともかく、なぜザクロを描くのか。大沼さんは、色合いや形を写すことの難しさに動機があるという。

 リンゴの深い紅色に対して、ザクロの薄緑から明るい色へのグラデーション、熟した時の割れ目と、そこにのぞく種の色。それぞれの個性を画布に写し取る困難さに、この画題への執着があるというのだ。

 つまり「ザクロの実、一つひとつに個性があるということですね」と問うと、そうだというのです。その言葉を聞いて、ザクロの絵の画題を見ると、「大家族」。大沼さんの思いを、絵から受け取ることができたようだ。




 キャベツを描いたこの絵は、キャベツが全てを抱き込むその力強さを写し取ったもののようだ。

 それって宇宙ですよね・・「重力で中心に向かって星々を捉える。キャベツの中に銀河の姿があるんですよね」と感想を伝えた。


 ブドウは、透明感をだすために工夫したという。リンゴの絵もリアルに、そのおいしそうさを伝えてくれる。

 20日まで遠野町深田字折部前の「ミモザ」に展示されている。

 一度見ていただければ幸いだ。


 以前、大沼さんを紹介したブログは以下の通り。

スペインで活躍する大沼さんが故郷・遠野で個展
2012年09月30日 | 遠野町・地域


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