伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

参加した和紙・楮保存会の活動で今シーズンやっと最後の釜だし

2024年04月03日 | 遠野町・地域
 昨日と今日、伝統工芸遠野和紙・楮保存会の定例活動があり、今シーズン最後の楮の釜だしをした。楮の伐採と楮はぎ(ふかした楮の枝から皮をはぐ作業)は終えたが、楮の皮から表皮等を削ぐしょしとりはまだ終っていない。引き続き来週からの定期活動が続く。

 今シーズンと書いたが、通常冬場(だいたい12月から翌年3月の寒い時期)の作業で終っているので、今年はだいぶシーズンが長くなってしまっている。伐採と楮はぎを優先して進める手順から、両者としょしとりを並行して進める手順に変更したことに原因があるかもしれないが、一方で収穫量が増えていることや作業日に一般の方の和紙作り体験を入れたことも原因となっているかもしれない。そう考えれば、ある意味喜ばしい状況かもしれない。

 今日の作業内容はいつもと変わらない。
 楮の枝の裁断(釜に入れるために一定の長さに切りそろえる)と釜入れ、ふかした後に窯出しし、楮はぎをして、はいだ皮を束ねて次の作業となるしょしとりに備え竿にかけて乾燥させるか、すぐにしょしとりをする。


楮の枝の裁断と梱包作業
楮はぎ

しょしとり

 こうして2日間でいつもと同じ程度、8kgから10kg程度の白皮ができたものと思う。

 ちなみに白皮1kgでどの位の枚数の和紙ができるのか。二三判の障子紙(二尺×三尺=60.6cm×90.9cm。ほぼ新聞紙見開き大)に適した重量が3から5匁 (11.25gから18.75g)なので最大値に近い19gとして50枚ほど、遠野和紙の卒業証書用紙(16gから18g)で55枚程が出来ることになる。なので、2日間の作業で、最大で障子紙が500枚、卒業証書が550枚の材料が出来たことになる。

 保存会のみなさんは、こうした作業を手弁当で続けている。体験などのイベントを担った際も無報酬で一生懸命活動する。今年や昨年でいえば、その代償はおにぎり程度・・つまり400円程度の食事の提供だ。活動期間は長い方で20年を超えるのかな・・自分の知る限りにおいては、たぶんこの程度を超えることがない代償の環境で活動を続けてきた。頭が下がる。

 例年でいえば寒い季節に行われる活動だが、終了していないのでこれからも続く。来週も火曜日、水曜日。次の週も同様の曜日で行われる見込み。

 今日の帰路、西の空がオレンジ色に輝いた。夕焼け・・もしかしたら黄砂が夕陽の赤い光に染まっていたのかもしれない。きれいな夕空。それにしてもだいぶ日が伸びた。 



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