日比谷同友会 園芸友の会

日比谷同友会 サークル活動

第196回例会報告

2024年04月12日 | 例会報告

 園芸友の会のオンライン例会は、下記の日程で 2か月ぶりに開催されました。 まだ寒さは残るも、晴れた日中は気温も上昇してガラス越しの室内はぽかぽかの温かさでしたが、外は関東特有の強い春風が吹き荒れていました。

     日時:令和6年3月15日(金)14:00~16:15 
   場所:各自自宅
   参加者:林 憲男、小峯茂樹、生駒憲治、中澤雅則、土師克己、
       本多孝之、中島汎仁 (敬称略)

 今回は、 ①愛しのレモン(生駒会員) ②世界らん展'24もよう(中澤会員)の2件の発表がありました。これら2件の発表は、写真、資料は参加者個々のパソコン画面に共有して映し出され、これを見ながら説明を受けるというまるでパーソナル授業を受けているような感覚で分かり易く、画面右には参加者が小さく映されているのです。

      画面共有の状態
        

 あらかじめ設定しておいたメールの日時に参加者が応答するだけでこのような仕掛けが出来る優れモノなんですね。 コロナ前には、品川の教養室まで出向いていた例会が、このように自宅で、しかもペーパーレスで実現できる形式となったのも、コロナの副産物?ともいえるかもしれません。さらにこの方式の優れたところは、参加する場所を問わないところにあります。 今回の例会では、関東の人達の他、札幌、福岡からの参加を得て実施していました。

 サイバーサロン(17)(関東×5、札幌、福岡)
   


 いずれの発表も、取り組まれている発表者の思い入れ様がたっぷりと含まれていて、
説明対象の出来栄えだけでなく、そこに至る過程の工夫や苦心などの説明があり、生々しい感情も共に伝わってくるのでした。

 ① 愛しのレモン  始めて鉢植えの果樹栽培に選ばれたのが レモンでした。2022年2月に「リスボンレモン」なる品種の苗(50㎝高)を購入して、1年にして黄色い市販物と遜色ないレモン(135g/個)が4個収穫できたのでした。
 春には花がたくさん咲き、良い香りを楽しみながら、それぞれの花には小さな実がついていながら、成長するにつれて一つひとつ実が落ちて、心を曇らせているうち、どうやら4個に絞られて、それがいつ枯れるかの心配も付きまとううち、実は大きくなり濃いグリーン色の立派なレモンに成長してくれる。いつ収獲するのが良いか・・にも心は揺らぐのですが、「ここは我慢」して、無事に黄色い写真のようなレモンを手にしたのでした。初めて自分の手で栽培したレモンなんですね!

  レモンの収穫         初めてのレモン(135g/個)
    

 収穫後には、次の成長のための剪定が必要である・・解説書やネットなどを参考にしながら、「春剪定」を実施したところまでで、ある種の充実感をひたひたと浴びると共にこれからの今年の成長が楽しみとなっていると・・。

       レモンの春剪定
        

 

 果樹栽培では、レモンよりは先輩格である、ブルーベリー2種も剪定と、植え替えを実施した発表もありました。ブルーベリーはこれまで収穫も経験し、既に自分の手の内にある・・感じでまるで分身のような親しみを持って扱われている様子が伝わってくるのでした。
 剪定は難しく、ネットや書物のあるだけの知識を詰め込んだとあり、力が入っていることが読みとれるのでした。 植え替えには、スリット鉢に変えると同時に、鹿沼土、赤玉ほか、いろいろな種類の土を混合した「土つくり」を経験するや、「本格的ガーデニング」に身を置いているような気になられたとありました。

       ブルーベリーの植え替え(スリット鉢に)
         
     ブライトウエル種       プレミア種

 

 ② 世界らん展'24もよう  今年2/7~14まで後楽園ドームシティプリズムホールで開催された、世界らん展もようの発表をいただきました。(写真は発表者提供)

  

 世界らん展の発表は、2020年に続いて、コロナ期を挟んで3回目となりますが、蘭友会会長を務めるN氏が毎回、世界らん展に参加された、その内容を具体的に蘭の種類、産地、特徴など一般的な解説は勿論、その栽培のむずかしさ、育て上げるポイントなど、蘭の種類ごとの解説をいただき、会場で実際に鑑賞するよりもはるかにわかり易く、その内容と評価ポイントが理解できるのでした。

 日本大賞に選ばれた、「デンドロビウム・タカコ」の素晴らしさはどこにあるのか? なぜ「日本大賞」に選ばれたのか?など蘭の専門家でなくては指摘できないポイントを解説していただいたのでした。会場に行っても、「わぁ~きれい」「これは変わった形だ!」などくらいの感動しか得られないであろうところを、花も観方、育成の工夫などなど並々ならぬ苦労が美しく咲き誇る姿に裏打ちされている部分を知り、その深い苦労と共に年月を過ごす育成者に感動を寄せてしまうのでした。

      今年の「日本大賞」デンドロビウム ポリアンサム“タカコ”
        

 説明は、「日本大賞」から始まって、「優秀賞」「優良賞」「奨励賞」×12、「トロフィー賞」×24、「特別展示」など、40点についてそれぞれの特徴を踏まえた解説をいただきました。(ここでは、奨励賞は2点だけの紹介とし、トロフィー賞は割愛しました。)

  

  

 一口に蘭といっても、西洋蘭、東洋蘭の大きな違いがあり、西洋蘭にも種類や産地の違い、例えばよく知るカトレアや胡蝶蘭にもそれぞれいくつもの種類があり、美しさを競っているのです。今回の受賞作品には「春蘭」などの東洋蘭が複数選ばれているのも印象的でした。

 毎年、最優秀作品1点が「日本大賞」として選ばれますが、素人目にもなるほど素晴らしい見事な蘭であると頷くのですが、このように解説を聞きながらその仕上がりを見る時、感動は一段と高まるばかりでなく、そのように育て上げる育成者の工夫と気の配り方など背景が浮かび上がって来るのです。

 始めて、遺伝子組み換えなどの操作により「光る蘭」の出展がありました。蘭の世界にも新しい波が押し寄せているのですね。

         特別展示 「光る蘭」
       

 これら2件の発表に十分満足したあと、事務的?な案件が一つ提案されました。次回(5月)実施予定の屋外例会の訪問先について、6件の候補地が紹介されました。中に、2件は、日帰りバスツアーによる芝桜やネモフィラ、藤などを見学するというものも含まれていましたが、次回は、東京都薬用植物園(小平市)を候補地として、さらに詳細を調査することとなりました。

 16:15まで、2時間を超えた例会は、密度の濃い内容で、知識と感動を十分にいただき皆さん満足のうちにお開きとなりました。

 発表をいただいた会員の方には資料作成にもお骨折りをいただき、大変ご苦労さまでした。そしてありがとうございました。

 

 


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