日比谷同友会 園芸友の会

日比谷同友会 サークル活動

第200回例会報告

2024年11月17日 | 例会報告

 久しぶり(4か月ぶり?)のサイバー例会が、下記の通り11/15(金)の14時からありました。

 園芸友の会例会は、年2回の屋外例会のほかは、教室での例会をしていましたが、新型コロナで集合が出来なくなったことから、ネットを利用したオンライン例会に切り替えましたが、現在でもそのまま教室での例会は行わずにもっぱらネットによるサイバー例会となっています。
 ネット例会の良いところは、自宅で参加できること、遠隔地からも参加できることからそのまま継続して、今回は19回目となりました。

  日時:令和6年11月15日(金)14:00~15:45 
  場所:各自自宅
  参加者:林 憲男、小峯茂樹、生駒憲治、土師克己、中島汎仁 (敬称略)
       

       参加者(関東×4、福岡×1)
         
      

 今回の参加は、5名と少なかったですが、14時少し前から始まって、15時45分まで約2時間にわたって和やかな会話とこれまでの報告などが交わされた楽しいひと時でした。

 例会での発表(報告)は、中島会員より ①屋外例会「わたらせ渓谷と床もみじ鑑賞」、②COP29 について  の2件がありました。 ①の屋外例会「わたらせ渓谷」については、第199回例会にて、当HPに記事投稿していますので、ここでは「COP29 につて」報告するとともに、発表後、①および②についての意見交換などを中心に行いました。

 ①の『わたらせ渓谷と床もみじ』でのポイントは、何といっても宝徳寺の「床もみじ」のの仕組みに興味が向くところで、質問がありました。 この回答として『ガラス製?』としていましたが、これは誤りであることが例会後、判明しました。「床もみじ」の床の制作は試行錯誤の連続であったそうで、試験的には磁器のお皿を何十枚も使って、ウレタン系の塗料を何度も吹き付けて、その仕上がりや透明感を試験した後、本番は、宝徳寺の床板(木材)に塗られた漆系の塗布剤(カシュ―)の上にウレタン系塗料の粒子を変えて、何度も吹き付けて、乾燥後それを磨いて仕上げたとあります。
        床の鏡面仕上げ
         (宝徳寺HPより)

 例会では、漆塗りの床を何度も磨いて鏡面を作り出したのでは? との推測がありましたが、実際は特殊な手法で塗料を塗り重ね(吹付け)て、さらに磨きをかけて鏡面を作り出していました。 磨き上げだけでも、ガラスでも、磁器でもなかったのです。

     床もみじ こんな感じになるのです(宝徳寺HPより)
      

 計画段階での実施日の設定が良くなかったのか、当初8名の予定でいましたが、結果的には 3名という寂しい参加となってしまいました。それでも、秋の渓谷を走るわたらせ渓谷鉄道のトロッコ列車に乗り、風に吹かれながら渓谷を走る非日常的な楽しみを味わい、屋外例会の醍醐味に浸ることが出来ました。
 宝徳寺の『床もみじ』も『わたらせ渓谷』の景観も、紅葉には今少し早かったようで残念でした。

 『渡良瀬川』なるロマンチックな命名の由来が、メンバーから話されました。 
奈良時代末期に日光を開山した勝道上人が、この川を渡ろうとしましたが、川には橋がなく思案に暮れていたところ、浅瀬を見つけて無事に対岸に渡ることができたことから『渡良瀬』と名づけられたそうです。

 また、1985年頃に仕事関連で、足尾方面に行ったことが想い出されたメンバーもいて、その話から日本初の公害事件が、国会議員田中正造の国会発言で大きな政治問題となったなどの話に移りました。足尾銅山が1973年に閉山となり、同時に足尾鉱山鉄道も廃線となりましたが、16年後の89年に三セクの「わたらせ渓谷鉄道」として、観光向けに運行されているのです。

 ②のCOP29の発表では、温室効果ガス(GHG:GreenHouse Gas)の各国排出量の推移(下図のグラフ)に話題が集中し、中でも中国の経済発展に伴う急速なGHG排出量の増加を何とかすべきとの意見でした。世界トータル排出量の32%を中国が占めていますから、これを大幅に削減することが最も効果的であることは自明であり、何とか出来ないか?  と願うところです。

        各国GHG排出量推移グラフ (JCCCAより)
        

 また、これらのデータについて、国立環境研究所(日本)による観測結果の情報では、ロシアのメタンガス排出量のこれまでの公表値1200万t/年とあるが、2009~20年の観測結果では、2400~3100万t/年で平均2.4倍の排出があるとCOP29で指摘されたとの言及がありました。メタンガスはCO₂の30倍近い温室効果があるそうですから、これはキチっとただす必要があるとの意見で、データそのものの信ぴょう性が問われていました。ロシア以外の国の公表値と実績値はほぼ等しいとありました。

 温室効果ガスの排出量目標が未達成の場合に罰則は与えられないが、とりもなおさずこの罰則は地球に戻ってきている‥との理解があり、もはや地球が悲鳴を上げつつある状況が確認されたのでした。

 排出を抑制する方法は、やはりエネルギーの消費を抑えることが重要であり、近代化とともに電子機器の普及が急激に増加していることによるのではないか? したがって一層の省エネ機器の開発が急がれる他、エネルギー供給方法の改善も求められ脱炭素化が叫ばれている所以です。
 我々の身近なところでも、地球温暖化を肌身で感じるところですが、農作物の出来栄えも夏の高温による作付け、品質に少なからぬ影響を感じているとの感想もありました。               

 これらの話題について、真剣な意見交換があった後、各人から最近の報告を交えた談話があり、ひと時和やかな空気に戻りました。 上野の美術館へ、中・高の先輩にあたる画家の展覧会に行かれ、その足で上野から根津方面まで歩きほぼ1日外出三昧であったことや本郷湯島の湯島天神では、シーズンの菊花展があり、久しぶりに大輪の三本仕立てや懸崖つくりさらには菊人形などの展示に見とれたお話もありました。菊人形は、大河ドラマに因んで、清少納言、道長、紫式部らが揃っていたそうです。
 菊の香りを思いながら、2時間近くの例会はお開きとなりました。今回は今年最後の例会で、来年は1月24日(金)にお会いしましょう。

 

 

 


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第199回例会報告

2024年11月17日 | 例会報告

 園芸友の会では、年に2回屋外例会として、近隣の植物園等の訪問をしたりしていますが、今回は下記の通り久しぶりのバスツアーで 宝徳寺の床もみじ見学とわたらせ渓谷鉄道(わ鉄)のトロッコ列車に秋の風景を楽しんできました。

    日時:令和6年10月25日(金)9:00~ 
    場所:群馬県 『宝徳寺床もみじ および わたらせ渓谷鉄道』バスツアー
    参加者:(敬称略)内海秀明、本多孝之、中島汎仁  

 朝 家を出る時には、小雨がぱらつくあいにくのお天気でしたが、バスが関越道を走るうち、お天気も回復し、素晴らしい秋晴れとは行きませんでしたが雨の心配はなくなり、上里SAでトイレ休憩して一路、宝徳寺(室町時代、1450年頃に創建された禅寺)の『床もみじ』の拝観となりました。
 『床もみじ』というのは、本殿のご本尊の前一面が鏡面床に設えられていて、縁の外一帯がもみじで、それがこの床に映るという仕掛なんですね。今回の訪問時は、紅葉にはまだちょっと間があり、燃えるような景観は味わえませんでしたが、落ち着いたお寺でそれはそれで堪能したのでした。 ご本尊のお参りは簡単に済ませて『床もみじ』に気が移っていたのですね。

 床もみじ(もみじはもう少しして)  宝徳寺境内にて
   

 
 宝徳寺は、群馬県桐生市にありますが、バスはここから渡良瀬川に沿って遡り、足尾銅山で有名な足尾方面に緩やかな坂道を上り「神戸(ごうど)」というそれこそ田舎の無人駅を思わせる駅から、今回のバスツアーのもう一つのメインである『わ鉄』のトロッコ列車で大間々(終点)駅まで戻るのです。

          

 秋もまだそれほど深まっていないというか、この日も日中は夏日という暖かさ
(暑さ)で、トロッコ列車で受ける風は心地よく、初めのうちはワクワクした気分でしたが、40分も乗っているとやや飽き気味になってしまいました。 

  

 『わ鉄』の歴史を少し。今から110年前、1914年(大正3年)に、足尾から大間々迄、全線が開通した鉱山鉄道(足尾鉄道)で、4年後には国有化されて国鉄足尾線となります。
 その後、足尾銅山は1973年(昭和48年)に閉山となりいったん廃止路線となりますが、1989年(平成元年)にJRから第三セクターの『わたらせ渓谷鐵道』に移管され、現在に至るというのです。 江戸時代初期からの由緒がある足尾銅山は、鉱毒事件による混乱も経ますが、鉱物積み出し用の列車として建設されたのですね。

                 

 初秋の一日を見知らぬ人たちとのバスツアーは語らいもあり楽しく過ごし、16時過ぎに大間々駅を後にしたバスは帰路に向かいました。バスは佐野ICあたりから東北道に乗り、途中羽生PAに寄り、とっぷりと日が暮れた中を大した渋滞もなく東京に向かいました。そのうち大手町の高層ビル群のきれいな窓明かりを眺めながら東京駅丸の内に無事到着しました。        
         

 園芸友の会のバスツアーは、8年前に箱根湿生花園に行ってからの久しぶりだったのですが、日程の設定が良くなかったのか、用事が飛び込んできたりして、わずか3名の参加となってしまい寂しさは否めませんが、初めての観光地でもありましたので自然の中での交流を楽しんでまいりました。 

 

 

 


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第198回例会報告

2024年08月07日 | 例会報告

 7月18日には、関東も梅雨明けしたと発表がありました。 明けてみるとすんなりと、梅雨が終わった感じがしますが、なんと猛暑が目白押しに控えている状況は何とも不気味にさえ思えてきます。昨年のあの暑さ、地球温暖化はますます進んでいますから、更に暑いかもしれないとの心配もあります。

 そんな中、下記の通り、オンライン例会(第198回例会)がありました。今回、オブザーブで、篠原寛隆氏が参加されました。

    日時:令和6年7月19日(金)14:00~16:30 
   場所:各自自宅
   参加者:林 憲男、小峯茂樹、生駒憲治、中澤雅則、土師克己、
       本多孝之、中島汎仁 オブ参加:篠原寛隆 (敬称略)

 オンライン例会サイバーサロン(18)        
  

 前回(5/24)は、東京都薬用植物園の見学で屋外例会でした。薬用、染料などの植物が身近に育てられ、観察と分析など地道な活動が続けられていることを知りました。終了後には、ランチを共にし、植物園での話題やその他楽しいお話とともに活発な意見交換が行われたのしかったです。

 今回の、サイバーサロン(オンライン)では2件の発表がありました。 
洋ラン 日本の歴史」と「植物とは何か?」の2件で、いずれも少々お堅い
イメージのテーマですが、解説を聞くにつれて、ランの歴史と人々の関わりや、植物の種の変遷などが分かると共にランの育成の繊細さと同時に、植物の生命力のような神秘が感じられるのでした。

 この日、オンライン例会に関西からオブザーブ参加がありましたほか、例会メンバー(寺山会員)が移動中に、オンライン参加を試みられ、一時は映像も確認できたものの、クルーズ中とのことで接続がうまく行かず退席されました。サプライズ参加はうまく行きませんでした。
 当然のことではありますが、オンライン談話では、PCやスマホがあれば、電波事情が許せばロケーションに無関係であり、場所を特定する必要がないことを実感したのでした。

 発表内容は以下の通りです。

〇洋ラン 日本の歴史 (中澤会員発表) 判明しているところでは、江戸末期にスコットランドから来日したトーマス・グラバーが長崎に居を構えた折に、洋ラン(シンビジュウム)を持ち込んだことに始まるようです。これが、三菱、旭硝子の創始者である岩崎家に大きな影響を与え、東京青山の「鹿島蘭園」で大々的な洋ランの栽培が行われた。温室に必須の板ガラスの開発に結び付いたそうです。
  目的などは明確ではありませんが、岩崎家の洋ランすべてが、当時環境が整っていた北海道大学植物園に移譲されたのです。 一方、クラーク博士と共に開拓使として来日した、園芸家ルイス・ベーマー(ボーマー)は、現在の札幌時計台の付近に温室を作り熱帯系植物の栽培を始めていた。 しかし、その後、クラーク博士により北大植物園に移築される(1878年、明治11年)とともに洋ランの栽培が行われるのです。
 これが、日本にもたらされた洋ランのルーツと考えられています。 
北海道大学植物園の役割は大変大きかったようです。

北大農学部植物園蘭科温室(当時)  温室内の様子(カトレア)
 

 開拓使ベーマーについては、後に竹鶴政孝で有名なニッカウヰスキー設立にあたって、アメリカより輸入したリンゴ苗木を余市で栽培指導するなどにつながるのです。

発表者宅の洋ラン栽培サンルーム  夏季には室外に・・(75%遮光シート)
  

 さらに今回の発表では、ちょっと変わった洋ランの紹介がりました。いずれも、自家栽培で、このような変わり種を自ら栽培できることに、無上の喜びを感じられたそうです。

C.Granulosa ‘Burle Max'×self 1週間後の花の色(緑から赤色に変化)
  


‘Sanderiana’בHayashima’  Big Flower’בHayashima’
 

fma. coerulea                fma. semi-alba ‘Queen Emeraldas 
 

 

〇植物とは何か? (中島会員発表)こんな大きなテーマに、すぐにはどのように対応すればよいか戸惑ってしまいますが、先ず地球上の生物は、一般に、5分類されています。つまり、原生生物界(コンブ類、アメーバ、ゾウリムシなど)原核生物界(細胞核を持たない単細胞。細菌類)、菌類(キノコ類、カビなど)、植物界、動物界の5つです。
 植物とは、つまり、真核生物で、多細胞生物、光合成によってエネルギーと栄養を作り出す生産系であり、これを動物など消費系生物に提供しているという構図です。そして、動かない植物にとって、どのような仕組みで成長し、花を咲かせ、種子を作るのか、季節や光・温度などに対するいわゆる「環境応答」は、種々のホルモンによって行われているというのです。

 植物のホルモンに入る前に、植物と動物の違いについて概観を下表にまとめてみました。

   

 いくつもの違いがありますが、決定的と思われるのは、植物には細胞壁があり、葉緑体を持ち未分化細胞がある・・ことでしょうか。

 そして、環境応答としての種々のホルモンを列記すると主なものでも以下のようにたくさんあります。これらのホルモンは、光や温度などのセンサーに対応して活性化され成長などに結びついているのです。

 ・発芽の調整には、アブシシン(休眠)、ジベレリン(発芽)

        発芽の仕組み
        (Amebaブログより)

 ・成長の調整には、オーキシン(先端成長)、ジベレリン(縦方向成長)、
  エチレン(横方向成長、果実の熟成促進)、サイトカイン(頂芽停止で側
  芽成長促進)、フロリゲン(花成ホルモン)

 ・環境変化対応には、 フォトトロピン(気孔オープン)、アブシシン(乾
  燥で気孔クローズ)、ジャスモン酸(食害対応)、サリチル酸(病原体対
  応)

 かなり専門的な分野に入りますので、分かりにくいと思いますが、以上の代表的なホルモンについて述べました。それぞれの働きを詳細に見ると、植物の生長等に係る作用が実にうまくできているこの自然界におどろかされるのです。

 地球誕生から、何十億年という時間をかけて、変化(進化)を繰り返してきた細胞などの営みが、進化し、あるいは後退しながら現在の姿として存在しているのですね。これらの過程で生まれたものもあるでしょうが、環境に適合しないものは淘汰され、変化あるいは多様化しながら進んで来たのですね。 現在の形がすなわち永遠であるという保証はどこにもないのですね。

                

 何やら今回のサイバーサロンは、ややお堅いテーマでしたが、両者の発表後、互いに両テーマの連携する部分を感じながらの相乗効果があったかもしれません。さらには、これらのホルモンやセンサーの特性を一層熟知することによって、より良い花を咲かせるとか、上手な育成が出来るのではないかなどの応用面にも考えが及んだかもしれません。

 発表後の談話でも、それぞれの思いや経験からの指摘があるなど、活発な意見交換が行われました。
 14時に開始して、16時半までの長丁場となってしまいましたが、また次回を楽
しみにお開きとなりました。

 

 


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第197回例会報告

2024年05月28日 | 例会報告

 園芸友の会の今年の屋外例会第1弾は、下記の通り5月24日、良いお天気に恵まれ過ぎて真夏日の中、西武電鉄拝島線の東大和市駅すぐのところにある「東京都薬用植物園」に行ってきました。
 コロナ以降、例会はオンラインでの集まりが主となり、おしゃべりはオンライも同じように可能ですが、やはりリアルで周りの雰囲気を感じながらの例会は一入楽しい感じが湧いてきます。 それに、周りの環境、雰囲気が一層楽しさを増幅してくれるのでしょう。 今回から、奥田様が入会・初参加されました。今後ともよろしくお願いします。

    日時:  2024年5月24日(金) 10:30集合
    集合場所:西武電鉄拝島線 東大和市駅
    訪問先: 東京都薬用植物園
    参加者: 林憲男、小峯茂樹、生駒憲治、黒田すみれ、奥田裕朗、
         内海秀明、本多孝之、中島汎仁 (敬称略)

 10時半から、お昼頃まで薬用植物園内のあちこちを、談笑しながら、目の前の薬草、そして説明書きなどに頷きながらの散策を楽しみました。

      薬用植物園入り口にて
 
      

 あまり知られていないと思われる、ここ東京都薬用植物園は、昭和21年(1946年)に設立されていました。 薬用植物の収集、栽培をする他、危
険ドラッグや健康食品などの試験・検査や研究がなされ、合わせて正しい
知識の普及啓もう活動も
行われている地味ではありますが重要な機関の一
つだと改めて認識した次第です。

 5月のこの時期には、普通には栽培できない「ケシ」が花を咲かせていました。
ケシ・大麻などが試験栽培され、種々の研究がなされているとのことでした。ケシ栽培の一角は、厳重な囲いがめぐらされていて、一般には内部に
入ることは出来
ないようになっていました。

       ケシの栽培
        

 温室では、胡蝶蘭やポインセチアなど見慣れたものもありましたが、カ
カオの
果実がなっていましたし、初めて目にする「ゲンペイクサギ」など
の珍しい花木
にも目が留まりました。

 カカオの果実(手前は若葉です)  ゲンペイクサギ
 

 

 近くの園児たちが、楽しそうに甲高い声を出しながら園内を賑やかに歩
き楽しん
でいたのにもひととき和むのでした。園児たちには、どのような
ことかの内容は
まだ難しいでしょうけれど・・。

 また、広い露地栽培では、季節柄ベニバナ、ジキタリス、シャクヤク、
シャク
ナゲなどなど色とりどりの花が咲いていました。八重咲のドクダミ
もあちらこちら
に・・。水生植物では、ごく近くで見ることが出来た「コ
ウホネ」「ジュンサイ」
などもありました。

 園内にて
 

 

 

 今頃の花をパンフレットから(花の写真も)ピックアップしました。

     ウスベニアオイ
       

 コモンマロウの名でも知られるハーブで、花で淹れたハーブティーは薄
青色から
紫色に発色するそうです。

     イランイランノキ
        

 面白い名前の「イランイラン」はフィリピンのタガログ語で「花の中の花」を
意味するとあります。 これが黄色を帯びると香るようになります。

     ベニバナ 
        

 頭花を構成している管状花を生薬として、また紅色染料として利用します。種子から採れる脂肪油は、食用油(サフラワー油)として利用されます。

     ジキタリス
         

 オオバコ科の薬用植物としての歴史をもつと同時に、毒性の強い有毒植
物だそう
です。素人療法へ用いることは厳禁とあります。

 

 資料館展示室には、これら薬草の標本がずらりと並べられ、学術的な解
説もなさ
れていました。また、身近にある有毒植物の解説パンフも用意さ
れていて、間違い
を起こしやすい植物の例を挙げて説明されていました。

      資料館展示室にて
 

 ここを訪問するまでは知りませんでしたが、東京都では、このようなこ
とにも予算を
割いて研究がなされ、それらの成果を一般に公開されている
ことに、地道な活動の
一端が伺い知るところとなったのでした。

 大きな木の下では、日陰に涼しい風をうけながら、園芸友の会の今後の
スケジュ
ールなど簡単なワークショップのようなこともして植物園を後に
しました。


     ミーティングなども
       
       

 みんなで、談笑しながらのランチタイムも、貴重なコミュニケーション
の場で
あり、日頃の体験や疑問などが気楽に飛び交い、屋外例会の定番ア
ワーとなって
います。 暑かったけど、楽しかった例会でした。

      ランチタイムも活発に・・
 

 写真は、生駒様、黒田様が撮影されたものから抜粋させていただきました。

 皆様、お疲れさまでした。 そして、ありがとうございました。

 

 

 


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第196回例会報告

2024年04月12日 | 例会報告

 園芸友の会のオンライン例会は、下記の日程で 2か月ぶりに開催されました。 まだ寒さは残るも、晴れた日中は気温も上昇してガラス越しの室内はぽかぽかの温かさでしたが、外は関東特有の強い春風が吹き荒れていました。

     日時:令和6年3月15日(金)14:00~16:15 
   場所:各自自宅
   参加者:林 憲男、小峯茂樹、生駒憲治、中澤雅則、土師克己、
       本多孝之、中島汎仁 (敬称略)

 今回は、 ①愛しのレモン(生駒会員) ②世界らん展'24もよう(中澤会員)の2件の発表がありました。これら2件の発表は、写真、資料は参加者個々のパソコン画面に共有して映し出され、これを見ながら説明を受けるというまるでパーソナル授業を受けているような感覚で分かり易く、画面右には参加者が小さく映されているのです。

      画面共有の状態
        

 あらかじめ設定しておいたメールの日時に参加者が応答するだけでこのような仕掛けが出来る優れモノなんですね。 コロナ前には、品川の教養室まで出向いていた例会が、このように自宅で、しかもペーパーレスで実現できる形式となったのも、コロナの副産物?ともいえるかもしれません。さらにこの方式の優れたところは、参加する場所を問わないところにあります。 今回の例会では、関東の人達の他、札幌、福岡からの参加を得て実施していました。

 サイバーサロン(17)(関東×5、札幌、福岡)
   


 いずれの発表も、取り組まれている発表者の思い入れ様がたっぷりと含まれていて、
説明対象の出来栄えだけでなく、そこに至る過程の工夫や苦心などの説明があり、生々しい感情も共に伝わってくるのでした。

 ① 愛しのレモン  始めて鉢植えの果樹栽培に選ばれたのが レモンでした。2022年2月に「リスボンレモン」なる品種の苗(50㎝高)を購入して、1年にして黄色い市販物と遜色ないレモン(135g/個)が4個収穫できたのでした。
 春には花がたくさん咲き、良い香りを楽しみながら、それぞれの花には小さな実がついていながら、成長するにつれて一つひとつ実が落ちて、心を曇らせているうち、どうやら4個に絞られて、それがいつ枯れるかの心配も付きまとううち、実は大きくなり濃いグリーン色の立派なレモンに成長してくれる。いつ収獲するのが良いか・・にも心は揺らぐのですが、「ここは我慢」して、無事に黄色い写真のようなレモンを手にしたのでした。初めて自分の手で栽培したレモンなんですね!

  レモンの収穫         初めてのレモン(135g/個)
    

 収穫後には、次の成長のための剪定が必要である・・解説書やネットなどを参考にしながら、「春剪定」を実施したところまでで、ある種の充実感をひたひたと浴びると共にこれからの今年の成長が楽しみとなっていると・・。

       レモンの春剪定
        

 

 果樹栽培では、レモンよりは先輩格である、ブルーベリー2種も剪定と、植え替えを実施した発表もありました。ブルーベリーはこれまで収穫も経験し、既に自分の手の内にある・・感じでまるで分身のような親しみを持って扱われている様子が伝わってくるのでした。
 剪定は難しく、ネットや書物のあるだけの知識を詰め込んだとあり、力が入っていることが読みとれるのでした。 植え替えには、スリット鉢に変えると同時に、鹿沼土、赤玉ほか、いろいろな種類の土を混合した「土つくり」を経験するや、「本格的ガーデニング」に身を置いているような気になられたとありました。

       ブルーベリーの植え替え(スリット鉢に)
         
     ブライトウエル種       プレミア種

 

 ② 世界らん展'24もよう  今年2/7~14まで後楽園ドームシティプリズムホールで開催された、世界らん展もようの発表をいただきました。(写真は発表者提供)

  

 世界らん展の発表は、2020年に続いて、コロナ期を挟んで3回目となりますが、蘭友会会長を務めるN氏が毎回、世界らん展に参加された、その内容を具体的に蘭の種類、産地、特徴など一般的な解説は勿論、その栽培のむずかしさ、育て上げるポイントなど、蘭の種類ごとの解説をいただき、会場で実際に鑑賞するよりもはるかにわかり易く、その内容と評価ポイントが理解できるのでした。

 日本大賞に選ばれた、「デンドロビウム・タカコ」の素晴らしさはどこにあるのか? なぜ「日本大賞」に選ばれたのか?など蘭の専門家でなくては指摘できないポイントを解説していただいたのでした。会場に行っても、「わぁ~きれい」「これは変わった形だ!」などくらいの感動しか得られないであろうところを、花も観方、育成の工夫などなど並々ならぬ苦労が美しく咲き誇る姿に裏打ちされている部分を知り、その深い苦労と共に年月を過ごす育成者に感動を寄せてしまうのでした。

      今年の「日本大賞」デンドロビウム ポリアンサム“タカコ”
        

 説明は、「日本大賞」から始まって、「優秀賞」「優良賞」「奨励賞」×12、「トロフィー賞」×24、「特別展示」など、40点についてそれぞれの特徴を踏まえた解説をいただきました。(ここでは、奨励賞は2点だけの紹介とし、トロフィー賞は割愛しました。)

  

  

 一口に蘭といっても、西洋蘭、東洋蘭の大きな違いがあり、西洋蘭にも種類や産地の違い、例えばよく知るカトレアや胡蝶蘭にもそれぞれいくつもの種類があり、美しさを競っているのです。今回の受賞作品には「春蘭」などの東洋蘭が複数選ばれているのも印象的でした。

 毎年、最優秀作品1点が「日本大賞」として選ばれますが、素人目にもなるほど素晴らしい見事な蘭であると頷くのですが、このように解説を聞きながらその仕上がりを見る時、感動は一段と高まるばかりでなく、そのように育て上げる育成者の工夫と気の配り方など背景が浮かび上がって来るのです。

 始めて、遺伝子組み換えなどの操作により「光る蘭」の出展がありました。蘭の世界にも新しい波が押し寄せているのですね。

         特別展示 「光る蘭」
       

 これら2件の発表に十分満足したあと、事務的?な案件が一つ提案されました。次回(5月)実施予定の屋外例会の訪問先について、6件の候補地が紹介されました。中に、2件は、日帰りバスツアーによる芝桜やネモフィラ、藤などを見学するというものも含まれていましたが、次回は、東京都薬用植物園(小平市)を候補地として、さらに詳細を調査することとなりました。

 16:15まで、2時間を超えた例会は、密度の濃い内容で、知識と感動を十分にいただき皆さん満足のうちにお開きとなりました。

 発表をいただいた会員の方には資料作成にもお骨折りをいただき、大変ご苦労さまでした。そしてありがとうございました。

 

 


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