日比谷同友会 園芸友の会

日比谷同友会 サークル活動

第142回 園芸友の会 

2012年04月22日 | 例会報告

第142回 園芸友の会

立春を過ぎても、毎日の様に日本海側大雪の便りを聞く2月8日、第142回例会を開催。厳しい寒さにもかかわらず、ほぼ全員の17名出席でした。(場所:情報通信エンジニアリング協会)

 

― 発表者と提出資料 ―

(1) 阿部代表

  資 1―a 「今後の会の運営と旅行について」

   資1-b 「工藤先生への質問事項」

(2) 若本会員

資2―a 「三貫清水の緑地と私」

資2―b 写真集「絶滅危惧種と関連雑種」

資2―c 文献資料「植物観察入門講座」

(3) 篠原会員

資3―a 「第142回例会資料」

(4) 工藤先生

資4―a 「園芸ごよみ2月、3月」

資4―b 「世界のことば“はな”」

資4―c 「品評会」

資4―d 「やってみよう おもしろ栽培」

 

― 議 事 ―

1.阿部代表報告

阿部代表が、次の報告とまとめを行った。

a.最近の収支状況に応じた会費増額と経費補助費の改訂。

b.年1回の学習旅行先について、候補地を複数提言し、審議し、幹事一任とした。

c.日比谷同友会のホームページアドレスと、運用方法を周知。

2.若本会員発表

2.1 資2―a「三貫清水の緑地と私」

居住地のまわりの緑地、山林に実在する植物、動物の生態を永年にわたり観察し、保護にも当って来た。

主なものは次の3つ。

イ ホタルの観察、記録

1999年以降、6月上旬から9月上旬まで、ほぼ毎日。

ロ 緑地の保全を目的とした「三貫清水の会」の中に有志で自然学習塾を作り、主導。

ハ 2005年から、会のホームページに若本のページを作り、植物中心に定期的に紹介。

2.2 資2―b「絶滅危惧種と関連雑種」

緑地で確認した、「さいたまレットデータブック」指定植物の美麗な写真集。

おみなえし、カキツバタをはじめ24種に及んでいる。

また同時に観察された、生物多様性をおびやかす外来種、雑種も数例示した。

2.3 若本会員の環境に関する主張

a:自然を守る為には、ある程度人間が手を加えなければならない。

b:園芸品種の植え過ぎ、自然動物に対する給餌、自然界動物の養殖など、生態系の変化をもたらす様な、人間の手の加え過ぎも問題を生ずる。

c :地産、地消が人間の生き方の原点である。

d : 国連の気候変動枠組みに関する条約(FCC)と生物多様性に関する条約(CBD)は環境に関する双子の条約と言われ、締約国会議(COP)が毎年のように開かれるが、実状は先進国と途上国の持ち分争いの要素が多く、フロン、熱帯雨林など、人類全体の成果を早急にあげて行かなくてはならない。

2.4 文献資料 「植物観察入門講座」 

  長田武正著 「野草図鑑」の一部をコピーしたもので、植物の「葉」「花序と偽花」「花」について詳細に記述してある。

3.篠原会員発表

前回、樹木“カイノキ”の漢字文字「楷」が話題になったので、文字「楷」にまつわる資料を追加提出。

4.工藤先生、回答と講話

4.1 会員の質問と回答 (資料1-b の各質問に回答)

(1) 〔Q〕カニバサボテンの花が終わった後の管理 (篠原)

〔A〕4月になったら1/3位切る。(切ったものでさし芽もできる。)

8月~9月の管理が案外難しい。

花は早めに切り落した方が良い。

シャコバサボテンも同様(同属)

(2) 〔Q〕クリスマスローズの育て方。(土屋)

〔A〕宿根草なので、根の張りは良く、鉢、地どちらもOK。

植え替えは根の動く直前。

一般に3月といっているが2月下旬が良い。

(3) 〔Q〕イスラエルのスィーティという緑黄色の果物が出廻っています。

2倍体のグレープフルーツと4倍体の文旦を交配したと聞きました。(阿部)

〔A〕人間の場合46個ある染色体の23番目がXXかXYかにより女か男が決まる。これを2倍体であるという。

4倍体は染色基本数の4倍すなわち普通の個体の2倍の染色体を持つ倍数体で、一般に2倍体と4倍体を交配すると3倍体になる。生活力強く、大形になるが、種子が出来ても発芽しない。

  (4)  〔Q〕野菜にF1というのがあり、品種開発者が权利保護のため種子が出来ない様になっていると聞きました。     (阿部)

〔A〕前項に述べた3倍体の事。一代交雑、雑種強勢ともいう。(栽培者が種子採集出来ない為、種子屋は、永続的販売が出来る。) 種なしスイカは3倍体であるが、種なしブドウは、薬品(リベレリン)を使う。ホルモンの関係があり、種がある方が美味ということもある。

(5)  〔Q〕千両のふやし方    (松本)

〔A〕千両は万両よりも弱く、立ち枯れし易い。3、4年で植えかえるのが良い。さし木は可能。

4.2 資4―a「園芸ごよみ2月、3月」

草木、庭木、鉢花、野菜などの園芸作業を春のシーズン幕開け、2月、3月に分けて詳細に記述。

4.3 資4―b「世界のことば“はな”」

世界約60ヶ国の言葉“はな”の文字、発音を示した。

中国の“花”と日本の“花”がフー、ハナで近いのは当然として、ヨーロッパ各国の“花”はフから始まる発音が多く、ラテン語のFLOSから来ているらしい。

4.4 資4―c「品評会」

長年、各地の農産物品評会審査員をつとめた工藤先生の体験した失敗談、裏話。

4.5  資4-d やってみよう おもしろ栽培

     江戸時代のキク、ツバキ、アサガオ、オモト、などの栽培、改良の例をあげ、現代の我々も、もっと植物の培養に遊びがあって良いのではないかと主張し、工藤先生が、通常むずかしいと思われていたチューリップ、アイリス、シクラメン、多肉植物などの植物水栽培にチャレンジした具体例を述べている。

 

当日の出席者

阿部正之、内海秀明、折笠彌、川本建、小峯茂樹、椎名迪子、篠原周二、田中日出男、土屋博、中島汎仁、長山東、林憲男、松本哲男、光藤勲、若本孝雄、同夫人、工藤先生の、合計17名。

(文責 長山 東)


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第141回 園芸友の会

2012年04月22日 | 例会報告

 

141回 園芸友の会

 

11月8日の立冬後少し冬らしい気温となりました。例会はその翌日9日に渋谷の情報エンジニアリング協会会議室で行われました。

講師の工藤先生を含め17名という盛会でした。

この度、新代表になられた阿部幹事が、学習会の進行役を勤められました。次の3項目が今日の課題です。

 

1.俳句の中の草花、樹木の花

2.観葉及び熱帯植物の冬の管理について

3.質問と回答

 

1.「木の花、草の花に寄せて」

と題して恒例の会員の活動報告が行われました。報告者は、椎名迪子会員 です。

この度の発表内容は従来と異なるもので、女性らしい感覚で読んだ花に関する俳句が紹介されました。それぞれの句には短くまとめたコメントが付記されております。(一部、コメント略)

 

○庭たのし春の七草探すとき

 はこべ、なずな、犬ふぐり、仏の座、かたばみ、母子草、よめな、土筆、よもぎ、すみれ等我が家の庭は雑草天国です。

いぬのふぐり:ゴマノハグサ科の越年草、道端や畑に生える。茎の下部は地にはい、高さ15センチ、葉は卵円形。春に小さな淡黄色の花を開く。名は実の形に由来してヒョウタンクサ、テンニンカラクサともいう。

○春蘭や葉がくれにしてうすみどり

 略 

○夫(つま)の死の信じ難くて花は葉に

   夫の死後の一年は雲を踏んでいる様な毎日でした。生前夫が楽しみにしていた桜も気がつけばもう葉桜。

○子の帰国待つ庭先の梅紅白

   梅は白加賀と紅しだれ。若木にしてはよく咲きます。通訳をしていた次女は三十才で夭折。

○母の事思へばそこに著莪(しゃが)の花

 略 

○どくだみの花のさかりの木糠雨(こぬかあめ)

  大変な勢いで庭一面に生い茂り、あまり大切にされない草ですが私は好きです。 古い土瓶に挿したりしています。

○呼び水をして汲む井戸や木槿垣(むくげがき)

 略

○咲きのぼる凌霄(のうぜん)そこは亡夫の部屋

略  

 

工藤先生からは「観葉及び熱帯植物の冬の管理について」のお話と、会員からの質問に対する回答を頂きました。

 

2.観葉及び熱帯植物の冬の管理について

  寒さが厳しくなるにしたがって、観葉、熱帯植物の置き場に頭を痛めることが多くなります。特にクリスマスやお正月の間にシクラメンやポインセチア、シンビジュウムなどの鉢花や洋ランの仲間が次々と増え置き場所に困り、株の傷み始めたものから部屋の隅に移動させたり、ベランダなどへ出すことが多いようです。

  植物のもつ耐寒性は、種類によってそれぞれ異なり観葉植物の中にも、上手に管理すれば暖房の無い部屋やベランダなど温度の低い場所でも冬越し出来るものが少なくありませんが、いくら寒さに強い種類でも急に置き場所を変えられると、環境の急激な変化に対応できずに枯れてしまいます。

耐寒性のある観葉植物グループ

(5℃以上の温度があれば比較的容易に冬越しが出来る植物)

アナナス、アロエ、オリズルラン、ガジュマル、カボック、ゴムノキ、ゴールドクレスト、テーブルヤシ、ドラセナ、バキラ、ユッカなどかなりあります。

やや耐寒性あるグループ

(10℃前後の温度があれば比較的容易に冬越しが出来る植物)

アジアンタム、ペペロミア、スパチフィラム、ベンジャミン、ポトスなどがあります。

耐寒性の弱いグループ

(最低温度が10℃以上必要な植物)

アンスリウム、カラジウム、クロトン、等があります。そこで居間、出窓やサンル-ム、ベランダ等の環境条件を良く知り、それに合わせて置く植物を決めてゆくと、あまり株を傷める事なく冬越しさせることができます。

 冬季は寒風が厳しくなる時期です。寒さに強い花木も見られますが、大部分の庭木は活動を休み、冬眠に入っています。この寒い季節を利用して庭木に寒肥を施し、また越冬している病気や害虫などをマシン油乳剤や石灰硫黄合剤を散布して、春からの活動を予防しましょう。

 

3.質問と回答

Q1 冬季のバラの剪定と施肥につい教えて下さい。

   答え 夏の剪定は弱めに剪定する。冬の剪定は強め(1/2~1/3)で良いと言われていますが、種類、生育状態により選定が異なります。

Q2 大鉢で野菜栽培をしていますが、花が咲いても実がつかないので、人工受粉も考えましたが、良い方法があれば教えて下さい。

   答え 野菜は直植えが理想的です。野菜は一般的には人工受粉は行いません。

Q3 ハイビスカスが現在も咲いていますが、今後の管理方法を教えて下さい。

   答え 10月までに伸びた枝、根を切り7号鉢に植え替えて屋内で冬越させます。そして5月初旬に直植えするか、鉢の場合は土を入れ替えます。

Q4 南天が毎年花は咲きますが、実がつかない枝もあります。管理方法を教えて下さい。

   答え 南天は日当たりが良く、湿り気のある土を好みます。根を乾燥させると実が付きません。

 

学習会の終了後、茶話会で草花・樹木についての話題が色々でました。そして午後4時に散会致しました。

出席者は阿部正之、内海秀明、折笠彌、川本建、小峯茂樹、椎名迪子、

篠原周二、田中日出男、土屋博、中島汎仁、長山東、林憲男、松本哲男、

光籐勲、若本孝雄、同夫人、工藤先生の合計17名でした。

                                                               (文責 田中 日出男)

 


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