日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

三菱傘下から外れる三菱自動車・・・ゴーンさんの手腕は?

2016-05-12 19:05:25 | ビジネス

「燃費不正」の問題で、日産自動車が三菱自動車の大口株主となるという「救済策」が、発表された。
これでひとまず「経営的な」問題の一つは、解消されたコトになるだろう。
もう一つ、解消された問題は「三菱グループ」から離れるコトで、「三菱らしさ」を失くすという点かもしれない。

多くの場合「〇〇らしさ」という場合、その企業や人の「個性」や「アイデンティティー」を表すコトが多い。
本来であれば、失ってはいけいない重要な部分なのだが、今回はそれが失われるコトで、プラスに転じるような気がする。
その理由の一つは、「三菱らしさ」の中にあった「旧財閥のプライド」だ。
ネットなどで今回の三菱自動車の問題を取り扱ったトピックスのコメントを読むとわかるのだが、「三菱自動車は、何かトラブルがあっても絶対に謝らない」という内容のコメントが、いくつもあるコトがわかる。
違う言い方をするなら「殿様商売」のような体質というか、企業文化を持っていたということになるのだと思う。
もちろん、販売店などではそのような「殿様商売」をしていたら、市場からソッポを向かれるのでそのようなことはなかったと思うのだが、「モノを作る」メーカーとして「殿様商売」のような企業文化を持っていた、ということだと思う。

実際、今回の会社側の説明を聞いても「技術部門で起きたこと。上層部は知らなかった」という趣旨の説明を繰り返している。
このような説明を聞いて、生活者が納得できると思っていること自体、「殿様商売体質」という印象を与えていると思う。
なぜなら、三菱自動車を購入した人は「三菱自動車を購入した」のであって、「技術部門うんぬんで購入した訳ではない」からだ。
そこの部分を、三菱自動車の幹部は、十分理解できていなかったのだろう。
言葉の端々に「根拠のない上から目線」や「(旧財閥の)三菱が、そのようなことはしない」を感じた方は多かったのではないだろうか?

そのような「三菱(自動車)らしさ」が無くなり、低迷をしていた日産をV字回復させたゴーンさんが、果たしてどのような手腕を振るうのだろう?と、今から期待がかかる。
その期待感は、今日の株式相場にも表れていた。

逆に言えば、これからの「三菱自動車」は「三菱らしさ」を捨てなくては、企業再生ができない、ということになる。
当然、今の企業幹部は時機を見て退任させられるだろう。
その退任のされ方で、これからの三菱の姿が見えてくるかもしれない。
大口株主となった、日産が現在の取締役~幹部クラスの社員をどう扱い、どう退任させるのか?
それが、今の注目点だろう。