ジーンズリペア&リメイク工房 hands-on 日記(旧ブログ)

デニムの産地、岡山から発信するジーンズ日記(2010年12月~2016年1月)

リーバイス501XX(ギャラ無し紙パッチ) denimba穿き込みモデル オリジナルビンテージ

2013年02月06日 | まめ知識

こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。


先日、オリジナルジーンズ作りをお手伝いしている

denimbaさんが 「2nd Sample Jeans ディテールざっくり紹介」を公開されました。

bridge(架け橋)という名のジーンズ

私も欲しくなって 「欲しい」に登録してしまいました(笑)

Sample製作の参考にさせて頂いた

リーバイス501XX オリジナルモデルを

hands-onのマニアックな視点でディテール紹介します。


※この記事は私の個人的なジーンズに対する見方なので

bridgeジーンズ作りのコンセプトには一切関係有りません。



それでは行きます。

画像がかなり多いです(汗)




デッドストックから穿き込んだという オリジナル 501XX 

日本中を探しても同じ事をしている方は かなり少ないのでは?







釣堀の維持、管理というリアルワーク作業で育った

動きのあるヒゲの出方です。







未防縮のキバタデニムを使っているので

強烈な捻れが出ています。

色落ちも茶色味を帯びていて

労働着として酷使されたのが想像出来ます。






縦落ち感は以外にフラットです。

(生地の谷間にしっかり縦筋は見えていますが)

XX特有のムラ感の強い表情ではありませんね。

これは製造年代にも関係するのかな?

あとで製造年代の推測も行いますので、、、







ヒザ下のクッションのアタリが綺麗に出ています。

長靴を穿いた形跡が出たのかな?







ヒザ下のシルエットは

ちょっとテーパードしているような気がします。

年代によってXXもシルエットが若干異なるのかな?









ヒザ裏から裾にかけて 蜂の巣状のヒゲが連なっています。













左後ろポケットにトランシーバー型のアタリが出ています。

仕事で使っていたのでしょうね。

denimba穿き込みジーンズの象徴ですね(笑)






では

年代の推測に行きます。

※プロの古着商ではないので、僕の独断ですが、、、(汗)




パッチが残っているので

わかり易い(嬉)

501XXの刻印も薄っすら読み取れます。

こちら Guaranteed 表記無しのタイプです。

通称「ギャラ無し紙パッチ」モデルと言います。

Made in U.S.A のみ印字の為

ギャラ無し紙パッチ 前期モデルのようです。

後期は 100% COTTON WPL423 が追加印字されるようです。

 










フロント周りのアップいきます。





ウエストベルトの帯上はシングルで

Vステッチ止め








フロントボタンの黒丸印

Rの文字の足がちょっと長いです。

通称「足長R」刻印







スレキ部分のリベット足がアルミ製なので



上からの 被せリベット です。










小股と呼ばれる

ステッチ上にカンドメがありません。








隠しリベット付き

当時のミシンには自動糸切り機能が無かったのでしょう。

縫製をとなりに移動する時に(矢印の向き)

糸の渡りが出来ています。

(マニアックすぎてゴメンなさい)







もちろんビッグEの赤タブ

Vの幅は左右均等です。

通称「均等V」

 

この均等Vの赤タブまで

クルット丸くなるようです。




レジスターマーク入りの両面刻印











後ループはセンターセットになっています。

ループの幅もXXの中では細めかな?






以上、

このようなディテール検証で

1960年代前半の501XXだと推測できます。


この後、隠しリベットが無くなり

最終型XXと呼ばれるようになります。

それが1964年~66年の出来事のようです。


そして、501XX-501の二重表記になり(ダブルネーム)

最後は501XXの表記が無くなるようです。





ここからは僕の勝手な想像ですが


1960年代といえば

ジーンズが徐々にファッションアイテムとして

地位を確立してきてた頃です。

労働着からファッション着へのジーンズの転換期だと思います。

ズドンと真っ直ぐなストレートから

徐々に ヒザ下にテーパード したシルエットが求められるようになり、

ベルトループの頑丈さもそれほど必要では無くなってくる。

色落ちのムラ感が少なくなってきているのは

生地糸の紡績技術が少しづつ良くなってきたから?

(昔はムラの無い方が優れているとされたはず)


この後の、バックポケットが 隠しリベット止めで無くなるのも

ファッション着として使う場合、そこまでの強度を必要としなくなったから?




うーん

501の歴史って面白い!

年代の変化とその当時の様々な歴史の背景が

想像出来てしまう。



というわけで、

ビンテージジーンズに興味のない方にはどうでも良かった(苦笑)

501XXオリジナル ビンテージのレポート終ります。

・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。
 ↓ 

 https://hands-on-jeans.com/nagare.html

 

・ビンテージ(アンティーク)ミシンで作った製品も販売しております。
 ↓
https://handsonjeans.thebase.in/

(BASE検索 hands-on-jeans)

 


最新の画像もっと見る