ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

「安楽死」の是非 《後編》

2024-03-25 22:15:47 | 健康・医療

3月も後半、春分の日も過ぎたというのに、ぱっとしない天気が続いています。

それでも、散歩中に見かける桜はかなり開花してきました。

淡いピンク色で、日本の桜っぽいこれは、私のお気に入り。

去年も観賞させていただきましたっけ(12年後の桜とレンチンで作るソフトクッキー)。

 

かなり白っぽい桜もありました。これはこれで綺麗です。

 

 

*       *       *

 

《 「安楽死」の是非 《前編》 からのつづき 》

 

《前編》をUPしてから今日までの間に、このようなニュースがありました。

大腸がんを患っていた53歳のイギリス女性が、今月20日にディグニタスで ASSISTED DYING (幇助自死)により亡くなられたそうです。

スイスでの「幇助による自死」を選んだ末期がんの英女性、法改正を訴える - BBC NEWS JAPAN (2024/03/22)

亡くなる前に、法改正を訴えるため動画を残されたんですね。

 

6年前には104歳という超高齢のオーストラリアの科学者グドール氏が、スイスに渡って自らの生を終えたそうです。

「もう人生を続けたくない」 104歳の豪科学者がスイスで自死 - BBC NEWS JAPAN (2018/05/11)

この方は、自死のためにわざわざオーストラリアを離れてスイスに行くのが嫌だったとのこと。

オーストラリアではその後各州が安楽死を合法化するようになり、国内の州では最後に残っていたNSW州が、

去年11月末に合法となったそうです。

NSWで安楽死が合法に - JAMS.TV (2023/11/28)

ただ安楽死が認められるには様々な条件があるので、上記グドール氏の希望が叶えられたかはわかりませんが。

 

安楽死に関しては、同じくカトリック信者が多いスペインに遅れをとっていたポルトガルでも、

去年5月にとうとう合法化されたそうです。

安楽死制度が欧州で拡大 カトリックの影響強い国でも 自殺タブーのバチカンに危機感 - The Asahi Shimbun GLOBE+

ローマ・カトリック教会は自殺をタブー視するので、安楽死には断固として反対しているんですね。

 

私は痛みにとても弱いです。ちょっと頭痛がしただけでも、すぐに鎮痛薬に手が伸びます。

だから現代医療では不治の病に侵されて耐え難い苦痛に苛まれる・・・ などという状況にもし陥ったら、

絶対に(苦痛から解放されたい、あの世に行きたい)と願うことでしょう。

それゆえ医師に処方された致死量の薬物を自分で体内に取り込む幇助自死はもちろんのこと、

医師に直接投与してもらう安楽死にも、賛成です。

これまでずっと、(いざとなったらディグニタスがある)と思ってきました。

 

でもスイスは、幇助自死は合法でも安楽死は違法だそうなので、ということは、医師によって処方された致死量の薬物を、

自分自身で体内に取り込まなければなりません。

つまり、まだそれだけの体力があるうちにスイスまで行って、自分を死なせなければならないわけで・・・

現在イギリスでは幇助自死も安楽死も認められていないので、自死を望む人がスイスへ渡航するのを助けたら、

その介助者は違法行為で告発される可能性があります。

うわ~困る・・・ オットーやムスメを犯罪者にはしたくないですからね。

 

私は、認知症にかかった場合でも、病状が進んで自分を失くす前に自死を選びたいと思っています。

だからアルツハイマー病と診断されて幇助自死を選び、家族に囲まれて穏やかにこの世を去ったオランダ女性

アニーさんのこのニュースを、興味深く読みました。

「真夜中5分前」の安楽死 認知症にのまれる前に - BBC NEWS JAPAN (2019/06/03)

ただこのアニーさんも、

“安楽死法の条件を満たすために、患者は自分の決断が完全に自発的な意思であること、生きることが

「改善の見込めない耐え難い苦痛」となった、あるいは今後そうなると予想されること、そして安楽死以外に

「合理的な代替策がない」ことを、医師に認めてもらう必要がある”

ことから、認知症が進行して意思の伝達ができなくなる前に、自死しなければなりませんでした。

 

これって、何か、矛盾してない!? と、思ってしまうのですよ。

体力気力があるうちにスイスに行かなければならないことはもちろん、認知症でもまだ思考が大丈夫なうちに、

自死しなければならないって。

苦痛なく、あるいは穏やかに、尊厳をもってこの世を去りたいから、死期を早めなければならないということですものね。

安楽死に反対する人たちは、「命」を、「生」を重んじるがために、反対しているはず。

しかしながら現実には、自死を望む人たちが、望みを叶えるために死期を早めているわけです。

 

命はもちろん、とても大事です。

が、人は皆それぞれ違います。

同じ苦痛でも、まだまだ耐えられる人と、もう無理という人に分かれるでしょう。

そして、いくら緩和ケアを尽くしても、取り除けない苦痛はあるのです。

なのに安楽死/幇助自死を認めないことで、誰にも彼にも一律に絶命するまでの苦痛を強いることが正しいこととは、

私には思えません。

だから、安楽死/幇助自死が合法化されることを、切に望みます。

ひょっとしたら私だって、本当にいざとなったら、自死を思いとどまるかも。

ただ、認知症はともかく、苛烈な痛みに耐え切れなくなったときには自死があるという、選択肢があること。

それが重要だと思うのです。選択肢があるから、「もう少しだけ頑張ってみよう」という気持ちになれるということが。

 

もちろん、障害者や高齢者などが自死へと圧力をかけられないよう、徹底的に条件や法を整備することは必然です。

たとえそうしたところでも、その網をくぐり抜けて、条件をきちんと満たしていなかった安楽死や幇助自死のケースが、

おそらくは出てくることでしょう。でも安楽死/幇助自死をいつまでも違法のままにしておいたら、

不治の病で耐え難い苦しみに苛まれる患者さんは、最期の最期まで苦しまなければなりませんし、

自死を選ぶ人は、一人ぼっちで恐怖に耐えながら自殺しなければなりません。

 

本音を言っちゃいますとね、私は、健康寿命が終わって自力では外出したり、好きなものを買ってきて

好きなときに食べたりできなくなったら、致死量の薬物を処方してもらって、眠るように逝きたいです。

特に現在、QUALITY OF LIFE を失くした義母を見ていているので、本当にそう思います。

あのような状態になったら、住み込み介護のために湯水のようにお金を使う代わりに、ムスメに残してあげたいですから!

 

高齢社会に思う - 発言小町

のトピ主のフクスケさんには、心から同意いたします。

 

以上、完全な私見ですので、炎上はご勘弁いただけますようお願いします。

 

*       *       *

 

安楽死関連のニュースのリンクを貼っておきますね。

生きることに疲れ 死を望む高齢者たち (2014/06/17)

高齢、重病、無力感 それでも生きていくのか? (2016/07/11)

人生を終えるとき 決めるのは誰? (2018/02/20)

ディグニタス、他国でも自殺ほう助合法化を後押し (2018/11/14)

スイスの自殺ほう助「すでに収拾つかない」 (2019/02/28)

スイスの自殺ほう助、すでにコントロール不能 (2019/11/14)

安楽死が認められている国はどこ? (2023/01/31)

年間1500人超が選択 スイスの安楽死 (2023/01/31)

スイスの自殺ほう助団体の会員数が過去最高に増えている理由 (2023/03/23)

 

自死を望むのは、もちろん高齢者とは限らないんですね。この、娘さんの自死を受け入れたケース  は、辛いです・・・。

安楽死を選んだのは自死望んだ女性 精神疾患からの選択に家族は満足、医師は葛藤 - The Asahi Shimbun GLOBE+ (2023/09/14)

 

2016年に安楽死が合法化されたカナダは、その後安楽死の「先進国」になっているそうです。

安楽死が合法の国で起こっていること・・・「生活保護」より「安楽死」の申請のほうが簡単というカナダの事情 - PRESIDENT Online

 

「生活保護」という言葉が出てきたので、ずっと前に起きた悲しい事件を思い出しました。

京都伏見介護殺人事件 - ウィキペディア

心中するつもりで老母に手をかけた男性は、温情判決で執行猶予がつきました。が、結局は、・・・。

「地裁が泣いた介護殺人」 10年後に判明した 「母を殺した長男」 の悲しい結末 - デイリー新潮 (2016/11/16)

こちらの記事  に、事件の背景が詳しいです。

介護疲れと生活苦で母を殺害。温情判決下され再起誓うも8年後に自殺 - 心に残る家族葬 (2018/03/13)

 

母親の認知症のためろくに眠れず、仕事も続けることが困難になり、家賃や介護サービスの自己負担分を払うこともままならなくなり、

生活保護を申請するも断られ・・・

この息子さんは母親との心中を選びましたが、悪?知恵がはたらく人なら、母親を養護施設の玄関にでも、

置き去りにして逃げたかもしれません。そしてそれは、母親を手にかけずに済んだという点では、

ましな選択だったのかもしれません。でもこの息子さんは、そんな無責任なことはできなかったのでしょう。

 

安楽死からは少し話が逸れますが、この母子さんのように、社会保障のセーフティネットをすり抜けてしまい

にっちもさっちも行かなくなって窮地に立たされている人って、現在もたくさんいると思われます。

こんな悲しい事件が二度と起こらずに済むような世の中になって欲しいものです。 ・・・・・

 

コメント    この記事についてブログを書く
« 水原元通訳のニュースに驚愕... | トップ | 結論に飛びついたピート・ローズ »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

健康・医療」カテゴリの最新記事