花々楽しい日

布合わせを楽しみながら キュートで物語のある布小物を作っています

伝説の女「みゆき」-(1)

2006-05-09 | エッセイ

私は関西生まれの関西育ちです
だから古い友達は関西系の人が多いです
お江戸(今は埼玉ですが)に出て来て十?年経つので
普段は標準語を話していますが
根っこのところでは
「関西人の魂」がメラメラと燃えています

大学時代の強烈なキャラの友達の一人
「みゆき」のことを書いた作文がいくつかあります
久しぶりに読んでみたら けっこう面白かったので
ここにアップしたいと思います

みゆきとは もう10年以上も会っていません (遠距離になってしまったし…)
今では彼女も3児の母です
仕事は…
「文部省関係の仕事」と言っていますが
実際は
小学校の先生です



 その1  私はもらわれっ子かもしれへんの巻

みゆきのお母さんは小学校の先生で、みゆきが小さい頃から働いていたため
おばあさんや近所の人に預けられていた。
そんなこともあって、「お母さんに対してあまり好感を持っていない」
と本人は言っている。
事あるごとに疑われたり、妹と差別されたり…
探りをいれたこともあるらしいが、その反応から見ても「どこかおかしい」「何かが隠されている」
「私は本当の子どもではない」と真剣な目で私に語る。

「人には色々悩みがあるものだ」と私はしばらく、みゆきの悲しそうな表情が忘れられなかった。
みゆきとは中学時代から仲が良い Nちゃんに
「みゆきってああ見えても色々悩んでいるらしいよ…」と話すと

「何言ってるの!みゆきとみゆきのお母さんは瓜二つよ!」と言われた。

ああ!あほらしい!

 
              その2  みゆきのベルトの巻

みゆきはよく食べる。
ベルトが苦しい苦しいと言いながらも、どんどんたいらげていく。
そんなに苦しければベルトを緩めればいいものを、かなり内側のきついところにしているのだ。
見かねた私が「緩めたら?」と言うと…
みゆきは手に持っていた箸を置いて静かに こう言った。
「かなちゃんは私のベルトを知らへんからそんなことが言えんねん!」
そして、思いっきりお腹をへこましてベルトをはずした。
革の黒塗りのベルトの穴が横へ7~8倍広がっていた。
食べ過ぎのためベルトが引っ張られて穴が拡大しているのだ。
穴の位置を変えると、その悲惨な光景が人目にさらされるので、
どんなことがあっても動かせないのだそうだ。

私は生まれ変わっても「みゆきのベルトにだけはなりたくない!」
と思った。


              その3  みゆきはダイエット中の巻

みゆきはしょっちゅう「ダイエットする!」と言っている。
が、その割にはよく食べている。
私が「みゆき!ダイエットしてるんちゃうの?」と言うと、
両頬の肉を口の中へ吸い込んで「気のせいやで!」(←太ってないでしょ!という意味らしい)
と言ってみたり、
「私はこれでもダイエットしてるの!家よりは」と、のたまう。

朝、大学へ行く途中、みゆきと一緒にお昼のサンドイッチを買った。
しばらくしてみゆきが言った。
「うわぁ~どないしよう!大変なことをしてしもたわ!」
「どうしたん?忘れ物?お金落としたん?」と私。
全部違った。
みゆき曰く「私、お弁当持って来ててん。」

彼女がダイエット中でありながら、お弁当もサンドイッチもたいらげたことは言うまでもない。

        ※ みゆきは他人から見ると太っているようにはみえない。
           顔が小さいせいもあると思う。

           
                        その4  みゆき人相を変えるの巻

みゆきは大学1年の時「能学部」に入っていた。
が、家庭の事情という(ありふれた)理由をつけてやめてしまった。
その時の先輩が大学の教務部で働いていると言う噂を耳にしていた。

ある時、何かの証明書をもらうために教務部へ行くことを余儀なくされたみゆきは「顔面蒼白」「絶対絶命」の大ピンチに陥った。(←これはあくまでも本人の見解であり、客観的なものでは全くない)
前方から先輩が歩いてきた。
心にやましいことのあるみゆきは、咄嗟の判断で人相を変えた
下唇を斜め下の顎の方にぐっと引き、眉をしかめながら目を寄りぎみにしてピンチを切り抜けた。
その顔を再現してくれた。
そして一言、「ばれへんかってよかった!」

つづきはコチラ


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