郡上藩宝暦騒動史

ネットで偶然見つけた。こんな本が出ていたのか。
値が高いので（４０００円）悩んだが、古本屋ネットにも出ていないし、すぐに絶版にもなりそうなので、購入した。

「郡上藩宝暦騒動史」（岩田書院）。２００５年刊。
著者は、白鳥町出身、もと白山文化博物館長の白石博男氏。

白鳥町とは、この郡上一揆の義民がたくさん出た町で、映画「郡上一揆」で緒方直人が演じた前谷村の定次郎も林隆三がなった四郎左衛門もこの村の人。

箱入りで５８０ページもあるずっしりと重い本。
各史料をもとに経過を追って詳述しているが、史料は現代語訳になおすなど、読みやすく、平明に書かれてある。また、義民列伝ものせている。郡上一揆の決定版。

郡上一揆は、これで藩主（金森）が改易になったばかりか、幕閣の首脳部（老中、
若年寄、勘定奉行）も免職になるという大事件。幕府の年貢増徴策に限界が見え、田沼意次の出番となる。また、この事件を講談にした江戸の講談師馬場文耕は獄門になる。