老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

また入院

2017-04-17 19:41:43 | 俳句
  

駅を降りて、雨の中を帰る。
よほどタクシーに乗ろうと思ったのだけれど、私が私に聞くと(今日はだいじょうぶ)と答が返ってきた。
途中の並木道に ハナミズキ が咲いていた。
雨にぬれていきいきとしている。
花の効用は知っているつもりだけれど、今日の ハナミズキ のきれいだこと。疲れが吹っ飛んだ。

      

いつものように病院は混んでいる。
正面から正視をはばかるような患者さんもいる。
その人がまだ若い娘さんだとしたら、本人はむろん親御さんのことを思うとほんとうに悲しくなる。
大きな病院ではいつもいつもそんな方々にお会いする。
世の中は不公平だと思う。

      

病室へ案内をされる。
前の時の隣の部屋。
今日は今年二回目の濃霧で視界は500メートルとラジオが告げていた。
窓から見える海も屋島もけぶっているようだ。

夫は10日前に急に苦しくなり。救急車で深夜に運こばれた。

そして今日の入院。
私が三月に入院をやり、今度は夫。
入院慣れをするのもいかがなものか?

愚痴は言わないが費用だって馬鹿にならない。
好きな旅行の費用が昔から入院費用、そう医者代に我が家は消えているのだ。

夫は今日は明日にそなえての検査だけ。
病院の図書室へ時間つぶしに本を見に。

本棚に「とくとく歌仙」があった。
丸谷才一、大岡信、井上ひさし、皆さん鬼籍に入った方々が巻いた歌仙である。
「とくとく歌仙」は何刊か出版されている。私は読んでいない部だった。
病院の図書室に、、、が少し不思議であった。
昨今の歌仙ブーム、軽い読み物ばかりではなくこんなジャンルの本もちゃんと置いてあるのだ。
有難く病室へ貸し出してもらった。

今日は春の嵐。午後から夜にかけて風雨が激しくなるから、夫が早く家に帰れと言う。
又、明日と病院を後に。
電車の中で、スマホ を覗く。
ネット句会で、まままあ~三句出しの三句が選をされている。
全没が三回、続いていた。心眼で見えぬものを詠めと、いつも言われている。
今回は少し、選が甘かったのかな。
あきらめが先に立っていたから、三句選をされたことは嬉しい。
夫が明日はどうなる身やも知れぬのに美味しいものを食べに、花見にと近くへとドライブに入院が決まっていても行った、遊んだ。
その時に詠んだ句が実を結んだ。
杉菜、虎杖、酸葉の赤い芽。
子供のころ親しんだ野の草を詠んだ。
思いがけなかった。

それで、帰りの電車も駅を降りてからも疲れが少なかったのだろう。
明日は、やはり心配である。

コメント
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