老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

初恋の日

2015-10-30 10:29:17 | 俳句

       永遠に兄は恋人秋の薔薇    

俳句カプセルに現代俳句アンソロジーとしてとりあげてもらった。
色気の無い私には、母恋の句はあっても恋の句は無い。


昨日の海辺の公園にあった、林檎もどきの実が成っていた木。
実はニセンチくらいと小さいが、形は林檎にそっくりである。

今朝、布団の中でうつらうつらとラジオを聞いていると、今日は「初恋の日」ですと言っている。
10月30日は、島崎藤村が1896年のこの日、「文学界」に(こひぐさ)の一編として初恋の詩を発表したことから、藤村ゆかりの長野県小諸市が設定したらしい。
文学少女だった、私は、最もポピュラーな詩である、(初恋)は,今でもすらすらと暗唱をすることができる。,

     まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき

     前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり

     やさしき白き手をのべて 林檎をわれにあたえしは

     薄紅の秋の実に 人こひ初めしはじめなり


この花も昨日、海辺の公園に咲いていた、月見草まがいの黄色い花。よいまち草と言えば、竹久夢二が浮かぶ。この花も交配を重ね進化した、よいまち草の一種だと思っても差し支えないでしょう?
夢二も恋多き画家で詩人であった。


私が所属する結社の主宰が主幹事になって、「恋の句」を全国的に、一年に二回、募集をしている。
その中から、私の好きな句を記す。

      恋の日やともに白髪となりてをり   矢野京子

      初恋の人を検索冬ごもり   藤岡美恵子

      蜜豆にきのうの恋がかくれんぼ   小島寿々

      ハンカチに昔の恋の残りゐる   和田康

      ほこほこの鯛焼き一つほどの恋   北側松太

      唇の好きと動けり夏の海   川辺酸模

どの句も、皆さんの若い日に経験のある心をよぎった、一瞬を詠んでいる。
恋で終わって、愛に発展する間もなかった、うたかたの如きかな。
どろどろとした、傷になる前に消えたはかない想いのようである。


           花嫁のブーケに秋の蝶々かな   

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海辺の公園

2015-10-29 19:03:53 | 俳句


香川県の中讃にある所の、丸亀市に行く。
同じ瀬戸内海でも、場所が変わると、何かが違って新鮮に見える。
瀬戸大橋が、見える。カメラが良くないから、望遠が効かない。
          


漁船が今しも、出漁らしく、エンジン音を響かせて、港を出て行くのが見えた。
波がキラキラ光って眩しい。




松並木が300メートルくらい続いている。
松ぼっくりがいっぱい落ちていた。




松林が途切れた辺り、草紅葉がある。
ここは近くに競艇場があり、少し離れて、海浜公園と、ホテルがある。
海岸を散歩して、ホテルで食事をした後、猪熊弦一郎美術館へ行くのが、今日の目的であった。

       紅葉かつ散る三方が海の園

       花嫁の綿帽かすめ秋の蝶

       ピッコロとフルートの楽小鳥来る

       草紅葉繕ふてゐる魚網かな

       新松子横殴りなる浜の風

       走り根の先返り咲く月見草
       
       木洩れ日の斑のきらきらと秋日濃し

       釣り竿を三本操つり秋うらら

       ひょとこ面かぶる花婿紅葉晴れ

       草紅葉昼餉の後の紫煙かな

       大橋は秋の霞のかなたかな

       

              

       



       
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襟がついた 絣のワンピース

2015-10-28 09:56:30 | 俳句


厚手の絣の生地。気温が25度くらいの時に着るのにちょうど良い。まさしく今。
こころもち襟ぐりが大きいが、スカーフをその時の気分に合わせて、首に巻く。大判の藍染のハンカチをよく利用する。



襟には、仙台に遊びに行った時、見つけた生地。どこへ遊びにいっても必ず、手芸店とか、生地を売っている店を見つけると、店に飛び込んで、私の住んでいる町には無い柄や珍しい布を買う。
この時も、厚手の木綿生地を3枚ほど買った。
その時に買った生地を、襟と 胡桃ボタン とポケットの縁 にアクセントとして使った。



       大樽を干す大寺や万年青の実   

       沓脱は阿波の青石万年青の実   

       新聞に占い欄や万年青の実   

       万年青の実失せ物ふいに見つかりぬ    

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秋の祭り ( 2 )

2015-10-27 10:30:11 | 俳句

お隣の三木町の獅子の祭り。
日本一大きい獅子を作り、町おこしに町民が心血を注ぎ込んで、楽しんでいる。
祭りは好きだ。元気だった頃は一人でリュックを背負い青森まで、ねぶた祭りを見物に行ったこともあった。
俳句仲間と合流はした。
寝台車に乗るのは、初めての経験で、のんびり楽しい旅も若かったからできたのかな。




        一頭にあらぬ嘶き神渡し   葉


何頭かの馬が鳴き交わしています。神渡しは、出雲大社に参集する八百万の神々を、送る西風とか、その風の中で、何か察したように馬たちが嘶く光景は、どこか神々しい感じがします。神渡しという、季語のあっせんが上手です。
昨年、金毘羅さんの、秋の祭りに行った時の句である。
現代俳句協会のインターネット投句で、互選には入らなかったが、選者が選評を書いて下さった。

互選で高得点でも、私が読んでも月並みの句がある。投稿仲間達が、選び合いをしているとしか思えない。しかし、しかし互選も経験を重ねるうちに、良い句が向うから、飛び込んでくるようになる。

「選も実力の内」だと、どの先生もおしゃる。最初の先生からも教えられた。自分の句が選ばれるのも嬉しかったが、先生が選んだ句と、私が選んだ句が同じ句だった時も嬉しかった。
我が主宰もいつも、「誰が選ぶかが問題である」「誰に選ばれたかが大事である」と言う。

私は今の主宰には、いつも 全没、だからまだまだ勉強が足りないと思っている。であるが、あちこちに、ストレス解消で投句をしている。。。。が互選には期待をしていない。
選者の目に止まり、選評を書いてくれることに、期待をかけている。
月に1、2句はどなたかが、取り上げて下さる。
大いに、ストレスが解消される。

主宰は大切な人だが、最近、絶対者では無いと、考えるようになった。
山本健吉が、丸谷才一が評論家だったけれど、俳句が飛びぬけてお上手ず、第一人者ではなかった。それなりに句も、お上手で味もあるが、全てにおいて絶対者ではなかった。それと同じように、主宰以外の方の、好意ある選が大変に喜ばしいことだと思えるようになった。


       ななかまど口にころがすバター飴     ななかまど

       新蕎麦や湯のたぎりゐる自在鉤     自在

       金毘羅のなお奧院へ水引草     奧

       読みきかす絵本銀木犀の垣    銀

       伊勢音頭流れて秋の祭り果つ   音 

十七文字を繋いだ句





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十月の右手、、、、、

2015-10-26 10:31:04 | 俳句


今朝の新聞は、昨日の大阪マラソンが、一面トップ。
平和だなあ~。
結構なことだ。

巨大地震に備えて津波予測システムを高精度化する研究に文部科学省と防災課科研が来年度から取り組むそうである。一日も早くシステムが稼働できるよう頑張ってほしい。

北島三郎さんが、41年間、競馬の馬主だったそうだ。初めて、馬が優勝して、大変よろこんでいるニュースも載っている。
俳句のお知り合いで、子供がいないので、馬にちからを入れている方がいる。優勝したか、したことが無いのかは知らない。

凶悪な事件が無くて、日本全国が平和な日曜日だったらしい。



   
      
          

今朝は、ベッドから起き上がると、 姫 が「ニャー」と寝ていた椅子から飛び降りて、寄って来た。私が目を覚ますのを、椅子から見ていたらしい。まだ、寝ていると思うと、静かに見ているのが、なんとも可愛いい。
寒くなったからか、最近は椅子に敷いているムートンの座布団が気に入ったらしい。このベッドに近い椅子で寝るようになった。多分、暖かいのだろう。
しかし、夜中に気が付くと、私の枕を半分、占領していることもある。
姫 のことはさておき、姫 が、私のベットに来たことも気が付かず爆睡している、この無神経さ。いやだな~。



   🍂   湯の町の小屋掛のぞくうすら寒   

   🍂   十月の右手果実を剥かんとす 

   🍂  秋の水剪りゆく鯉の背鰭かな   

十月の右手の句は、昔、NHK で俳句王国と言う番組があった。
金子兜太選で、先生が選に迷って、一応、色紙には書いたけれど、放送はできませんでした。
と、NHK から色紙が送られてきた、曰くつきの句。
黙って捨ててしまわなかったのか? NHK も。やさしいこと。
一度、出演させてもらったことがある。リハーサルがあって、台本があって、初めての経験だった。
全て、20年も昔の事。
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