JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

『活字逃走眼球』克服秘話

2007年07月31日 | g-i

今日、このブログを定期的に読んでいてくれるO君が
「バブさん、昨日の小田実の記事、興味深く読ませていただきましたよ。それにしてもバブさんは良く本を読んでるんですねぇ」
O君は完全に勘違いしてます。
私が本をよく読む人間だとすれば、本当に良く本を読んでいらっしゃる方々に袋だたきにされるでしょう。(笑)

我が姉など、小さいときから「よくもまぁ飽きずに本ばっか読んでるもんだ。そのうち目に活字が印刷されちゃうんじゃないの」ってくらい本を読む人で、その癖は今も直っていないようです。
その反動でしょうか、私ときたら小さな時から本という代物が大嫌い、活字を見ただけでめまいを起こしそうな、いや、活字が目にはいると自然と目線をそらす眼球を所持しているかのようでした。(笑)

そんな私ですから夏休みの読書感想文なんてそれはもう大変。ちょっとだけ好きだった自然科学の本の、感想ではなく中身の丸写し的作文(正確には作っていない文)を、いやいや最終日に仕上げるといった状態だったのを覚えています。
おっと、失礼、たった一度だけ『星の王子様』を読んで感想文を書いたことがありました・・・・書いたつもりになったことがありました。きっとあれが私がまともに読んだ初めての本だったと思います。

そんな私が、もっとも本を読んだのは中学から高校にかけての次期だったと思います。
何がきっかけだったか・・・・・・
じつはね、当時のことですから中学生あたりでも『論争』的なことを、本人達はいたって真剣にやったりすることがあったわけですよ(内容はたわいのないものでしたが)。
そんな時、とあるヤツが私にはチンプンカンプンの『論争』を仕掛けてきたわけです。チンプンカンプンなわけですから、仕掛けられても答えようもない、自分の無知さかげんに愕然としたんですな。(ん?なんだか口調が変になってきたぞ?)

「なんで、おまえはそんなにいろんな事を知ってるの?学校の勉強が出来るわけでもないのに」(えらい失礼な物言いですが)
ヤツはあっさりと答えたわけですよ
「まぁ、しいて言えば本を読んでるからかなぁ・・・」
あたしゃ、カチンときましたねぇ、っていうかクソーって思ったんですかね「意地でも本を読んでやる!」みたな(笑)

ところが、今までそんだけ本を読まない人が突然本を読むといっても、眼球は活字から逃げていくし、それより何より基本的に何の本を読んで良いかも分からないってんですから始末が悪い。そのくせ人に訊ねる、教わるということが大嫌いな人間ですから(これを無意味なプライドと言います。)自分で何とかしなけりゃいけないってんで考えましたよ。
結論は「岩波新書を片っ端から読んでみる」ということでした。
本屋にある緑の岩波新書を内容にかかわらず端から読み始めたのです。

あっはははは、無謀でした。今まで本をまともに読んだことが無い人がやる事じゃありません。だって、内容はなんだか難しくてよく分かんないものが多いし、活字もけっこう小さいから、目がどんどん逃げていくし(笑)。
でもね、頑張りましたよ。「分かんなくてもいいから、ともかく読むことに意義ある」って自分に言い聞かせ、すぐに飽きちゃうもんだから、合間に違う本を読み挟んだり(星新一、筒井康隆、北杜夫、遠藤周作てなね)して
飽きっぽい私が「自分で自分を褒めてあげたい」ってくらい頑張っちゃいました。
高校を卒業する頃には『活字逃走眼球』もほぼ完治して、何とか人並みに本を読めるようになったのです。

そんな話をO君にすると、
「へぇ~~~、それでバブさんは知らなくてもいいような事を良く知っていて、肝心なことは知らないってな事もある、そんな人間になっちゃったわけですね。」
「・・・・・・・・・・・」

ともかく、活字嫌いのお子さんが身近に居てお困りの方がいらっしゃいましたら、我が身を持った体験を参考にしていただければという・・・・
「そんなん参考になるか!!!!」
ごもっともです。

さて、今日の一枚は、ジム・ホールとパット・メセニーのディオです。
えっ?どうしたの?こんな新しい(私的に新しい)CD?
って、突っ込まれそうですが、
じつは、高校時代の岩波新書ばりに、中身も知らずに「エイヤア」で買ってしまったCDなんです。

どうも、この時期の新譜には弱くて(嫌いという意味ではなく)、中身を確かめる機会が無かったというか、ジャズ喫茶で聴いてからということも出来ず、新譜に手を出す勇気を持てない次期だったと言った方が良いかもしれません。
ですから、「エイヤア!」で買ってしまわないと手が出ない次期だったわけです。

そんな中、このディオにはとても満足しています。
ギター二本でもこれだけの厚みを出せるものなんだと感心もしますし、なにしろ聴いていて違和感が全くありません。
左右に分かれたお互いの個性が、良い感じで混ざり合って、香りの良いブレンデット・ウイスキーのような、モルト好きの私でもこれならお付き合いできる美味しさって感じでしょうか。

ただ、17曲は多すぎますねぇ、贅沢な話ですが、私的には岩波新書の合間にチョコチョコっと他の本を読んだように、モルトの香りが途中で必要になってしまうCDでもあります。

ところで、みなさん、実際に42弦ギターって見たことあります?
パット・メセニーのライブにも行ったことのない私には、想像もつきませんでしたが、何とネックが4本付いているそうで・・・・・凄い!

JIM HALL & PAT METHENY
1998年7月30, 31日, 8月1, 2日録音
JIM HALL(g) PAT METHENY(g)

1.LOOKIN' UP
2.ALL THE THINGS YOU ARE
3.BIRDS AND THE BEES
4.IMPROVISATION, No.1
5.FALLING GRACE
6.BALLAD Z
7.SUMMERTIME
8.FARMER'S TRUST
9.COLD SPRING
10.IMPROVISATION, No.2
11.INTO THE DREAM
12.DON'T FORGET
13.IMPROVISATION, No.3
14.WAITING TO DANCE
15.IMPROVISATION, No.4
16.IMPROVISATION, No.5
17.ALL ACROSS CITY


自己肯定の人生

2007年07月30日 | a-c

「今日は土用の丑の日?」
先日の驚きとは違う意味で驚きです。だって、このあたりの今日の最高気温、22度しかなかったんですよ。今なんか「短パンにTシャツ姿じゃ、絶対に寒いよ」ってな感じ、昨日までの暑さは何処に行ってしまったのでしょうか?

参院議員選挙のニュースに隠れ、大きな報道がなかったように思いますが、私の人格形成に多いに影響を及ぼした人物が、また一人お亡くなりました。
享年75才、7月30日、今朝早くに胃ガンのため帰らぬ人となったのは、作家であり生涯平和主義を貫き通した小田実(おだまこと)氏であります。

私が小田氏の文章を始めて目にしたのは、おそらくは高校時代であったと思います。それが『何でも見てやろう』だったか『ベトナムから遠く離れて』であったか『現代史』『平和をつくる原理』『ベトナムの影』・・・何だったでしょう?
ともかく、多感な私の心に大きく残る人物であったことは間違いありません。

『されど われらが日々――』の柴田翔、『光る声』の真継伸彦、『裸の王様』の開高健、そして『我が心は石にあらず』の高橋和己らと発行した『人間として』という同人季刊誌がありました。もちろん私はリアルタイムで読みあさったという年代ではありませんが、初刊だったか、巻頭で5人の座談会が掲載された巻を借りて読んだ記憶があります。
その中で、実に陰に考え込む高橋和己氏に小田氏が「自己否定は嫌いだから、人生を自己肯定して生きようとするんだよ」みたいなことを言って笑い飛ばすといった箇所があったように覚えています。(定かでないので間違っていたらごめんなさい。)
その時、いかにも小田実らしいとつくづく思いました。
「自己の信念を常に肯定して突き進む、行動する」これは、私などけして真似の出来ない人生哲学であります。

片道の飛行機代だけを持って他国を見て回る、いわゆる『貧乏旅行』の先駆者は小田氏でありましたし、その多くの経験の中で平和主義に芽生え、考えるだけでなく立ち上がるというその行動力、良い悪いは他人の評価であって自身に嘘だけはつかない、正しいと信じるものは前向きに肯定して進む正直な生き方、生きている価値というのはそういった中から生まれるものなのかもしれません。
小田氏を「マルクス主義に傾倒した左派の象徴」的にとらえる方もいますが、文章や行動をよくよく観察すれば、それが間違いであることに、どなたでもお気づきになるでしょう。正直に生き進む姿は、主義主張を超える次元にあるように思います。
ご本人も「マルクス主義者は真理を独占していると考えているが、人間の行動の動機は、財産欲による場合よりも性欲による場合が多い」てな事もおっしゃっていましたしね。

最近は、雑誌タイムの「Asian Heroes」に、中田英寿、イチロー、北野武らと共に選ばれたり、『北朝鮮日本人拉致問題』に対する発言で批判にあったり、また、それにキッパリと反論されたり、未だ健在ぶりを示しておられました。

私はまだまだ非常に若いと考えている。
変革すべき世界はまだまだ若いのだから---。
              (小田実)

お亡くなりになったことは、私としては非常に残念であり、ただただご冥福を祈るばかりです。

さて、今日の一枚は、アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズの超メジャー盤を選んでみました。

ところで、このブログではメッセンジャーズのアルバム紹介が異様に少ない、そうは思われないでしょうか?
別に私が嫌っているわけではないのですよ。(ブレーキーのドラムがとんでもなく好きということもありませんが、笑)
最もジャズを聴いていた次期に、あえてメッセンジャーズを聴こうとしなかった。そして、それが知らぬ間にあたりまえになってしまっていた。みたいな・・・・原因があるとすればそれでしょうか。(まして、こんな誰しもが知っているアルバムをあえて紹介しなくてもねぇ)

ジャズ喫茶に通いつめる前、私が知っているジャズといえば、ディブ・ブルーベックの「TAKE FIVE」に、スタン・ゲッツ、ジョアン・ジルベルトの「THE GIRL FROM IPANEMA」(これは、ジャズという認識は無かったかもしれません。)、それと、ルイ・アームストロングね、そしてそしてメッセンジャーズの「MOANIN'」こんなものだったでしょう。
不思議ですよね。ジャズ喫茶に行き始めるとそれまで知っていたようなそれらは、聴かなくなってしまうんですよ。(笑)

日本にファンキー・ジャズを定着させた最大の功労者はブレーキーであるというのは、耳タコほど聞かされたことですし、1961年の来日後は、そば屋の出前持ちですら「MOANIN'」を口ずさんでいたという話も、私ですらこの曲を知ってたという事から考えて、あながち嘘ではなかったのでしょう。

アート・ブレーキーを観て、帰ってきたところである。音に対するあの過虐的なエネルギーが会場に集まった小市民達を一つの桎梏(しっこく)から解放する。あの音のイメージのなかにぐんぐんこじあけられて拡がっていく<自由>の、なかばガソリンくさい青空のような広がりを私は幻覚だとは思わない。

寺山修司が来日コンサートを聴いてすぐに書き下ろしたエッセイ『ジャズっ子の詩学』の冒頭です。

日本の小市民を桎梏から解放した「MOANIN'」、今晩は小田実氏の訃報を嘆く我が心をも、きっと解放してくれることでしょう。

MOANIN' / THE JAZZ MESSENGERS
1958年10月30日録音
ART BLAKEY(ds) LEE MORGAN(tp) BENNY GOLSON(ts) BOBBY TIMMONS(p) JYMIE MERRITT(b)

1.MOANIN'
2.ARE YOU REAL
3.ALONG CAME BETTY
4.THE DRUM THUNDER (MINIATURE) SUITE
5.BLUES MARCH
6.COME RAIN OR COME SHINE

追伸、
小田実氏をよくご存じでない方、著書をお読みいただくのも良いかとは思いますが、彼のホームページで、朝日新聞に連載された『アジア紀行』と、毎日新聞に連載された『西雷東騒』、さらにはホームページ・オリジナルの『西雷東騒』を読むことが出来ます。
死去に伴って同ページの閉鎖も懸念されますが、興味がある方はご一読いただければと思います。
『作家 小田実のホームページ』


冷やかし千人、間夫一人

2007年07月29日 | j-l

今日は、趣味部屋の掃除を済ませ、昨日よりは暑さも和らいでおりましたので、投票所まで歩いて行ってきました。
「うん、風が昨日とは違って涼しい感じがするよね。」
あはははは、それでも、帰ってくれば汗だくでシャワーを浴びてから、昼食の冷やしたぬきそばを食べました。
なんだか、久しぶりに健康的な午前中だったように思います。

午後からは雨も降ってきましたので、レコードを聴きながら本を読んだり、先週同僚が貸してくれたDVDを見たりと、のんびりと過ごすことが出来ました。(もちろん夕食の準備時間までですけど、笑)

同僚が貸してくれたのは、エルビン・ジョーンズの「THE DIFFERENT DRUMMER」とジャッキー・バイアードの「ANYTHING FOR JAZZ」が一枚のDVDになったものと、ビル・エバンスの「THE UNIVERSAL MIND OF BILL EVANS」の二枚、内容については「演奏を聴く音楽映像ではない」とだけ言っておきましょうか。

ところで、そのDVDを貸しくれた同僚が、「バブさん、まいっちゃいましたよ。」と困り顔。
訳を聞いてみると、彼の妹の旦那(つまり義弟)が飲み屋のお姉ちゃんに熱を上げてしまい、それが妹さんの知るところとなってしまったらしいのです。
「飲み屋のお姉ちゃんなら、知恵熱みたいなもんですぐ冷めんだろ」と私。
「いや、それがね。妹が家(実家)に帰ってきたいまで言い出したんですよ。」

どうも、妹さんにばれたのは、金がらみの話がもとらしく、義弟さんが貯金に手を出したらしいのです。
「なんだい、飲み代が足りなくなったの?」
「いや、どうもその女に貢いだらしいんですよね・・・・」
「あっちゃぁ」

飲み屋の女性に熱を上げるのは、男性には良くあることでもあり、さらに貢いだという話も聞くこともありますけど、そういう男というのは、おおむね人が良くて、女性に対する免疫もないというか・・・・・

「借金はしてないだろ? なら、よくよく反省させて何とか妹さんと和解させないとなぁ」
「そうなんですよ、悪いのは義弟なんですけどね。子供もいることだし。」
「義弟とは、話してみたの?」
「いや、明日会うんですけどね」
兄も大変です。昨日あたり話をしているはずですが、大丈夫だったでしょうかね。

彼には悪いのですが、私の頭の中に浮かんだのは、落語『文違い』
新宿の女郎が、眼病を治すの二十両が必要だという惚れた間男を救おうと、どうでよい馴染み客からだまし取るのですが、じつは最愛の男が眼病だというのは嘘で、他の女に貢ぐためのものだったという、取られた方も取った方もなんだか「グルグル巡る回転木馬」みたいな廓噺。

飲み屋でカッコつけたがるのは男の性ではありますが、所詮「冷やかし千人、客百人、色十人、間夫(まぶ=恋しい男)一人」の世界。それを頭にたたき込んで遊ばないとね。
彼の義弟もこれを機に学んでいただいて、妹さんも高い授業料を支払ったと思って(これには不満もございましょうが)もらえれば良いのですけど・・・
吉報を待ちましょう。

さて、今日の一枚は、DVDも見たことですし、昨日に引き続いてですがエルビン・ジョーンズにしてみました。
こちらもピアノレスのツー・フロント、しかもサックス二本という、じつに攻撃的な一枚です。(笑)
エルビンは、やはりこういったアルバムでガンガン行っている姿が、私は魅力的だと思います。二人のサックス奏者、グロスマンもリーブマンも責めまくっていて、最近の暑さよりさらに熱いものを感じます。
「暑い日には熱いラーメン」という方
ぜひとも、このアルバムをお試しください。スッキリすると思いますよ。

LIVE AT THE LIGHTHOUSE / ELVIN JONES
1972年9月9日録音
ELVIN JONES(ds) DAVID LIEBMAN(ss,ts) STEVE GROSSMAN(ts) GENE PERLA(b)

1.FANCY FREE
2.NEW BREED
3.SMALL ONE
4.SAMBRA
5.MY SHIP
6.TAURUS PEOPLE
7.FOR ALL THOSE OTHER THINGS

1.HAPPY BIRTHDAY
2.SEET MAMA
3.I'M A FOOL TO WANT YOU
4.THE CHILDEN, SAVE THE CHILDREN
5.BRITE PIECE
6.CHILDREN'S MERRY-GO-ROUND

おまけ、
今週の『料理当番、今日の一品』



メインは鯵とネギトロだったのですが、母は生ものがダメなもので、鯵を揚げたものに甘酢おろし餡をかけてみました。

こちらは、焼きナスと厚揚げ、暑い日にはサッパリしたもののほうがいいですもんね。

ところで、
今、選挙速報を各局が放送しておりますが、どうも国民の怒りは本物であったようですね。
勝った負けたはそれとして、選ばれた皆さんには、国民の方向をしっかり見て、良識と常識(国会議員の常識ではなく、一般の常識)を持って、頑張ってもらいたいと思います。


危うし『メタボ中年隊』!

2007年07月28日 | p-r

暑い・・・暑い暑い暑い!!!!!
何をやってもどうやっても、暑いものは暑い!!!!!
そりゃあ、気温は30度超えてませんよ。連日35度以上の猛暑日が続く地方の方にとっては、「何言ってんだ!」の世界でありましょう・・・・
でも、やっぱり暑い!!!!!
思っても見てください。
そこの痩せてるお人、いくら30度無くても、この時期、半纏やどてらを一枚羽織ってはいられないでしょ?
昔のひょっとしたら恋人にでもなったかもしれないという人に「見る影もないね」とまで言わしめる我が体型、その保温力は想像を絶するのでありますよ。

トホホホホ、我ら『メタボ中年隊』には夏の暑さに対抗しうる力は無く、ウルトラマンならぬクラーマンやエアコンマンに助けを求めるより他『アツアツ星人』を倒す方法は無いのでありましょうか?

さらに『アツアツ星人』は、『メタボ中年隊隊員』の身体の大半を占める水と脂肪の水だけを吸い取り、ちょっと間違って吸い取りそうになってしまった油分を、額やら鼻やらに残すわけです。『メタボ中年隊隊員』が何度水分を補給しようと、石鹸で顔を洗おうと、焼け石に水・・・・まったく『アツアツ星人』というヤツは何処まで『メタボ中年隊隊員』を苦しめれば気が済むのでありましょうか。

危うし『メタボ中年隊』!

おっと、ここで、思わぬ救援物資が届きました。
「スイカ食べる?」
好きな果物は何?と訊かれ、まず筆頭にはけして上がらないスイカではありますが、この時期『メタボ中年隊』にとって冷えたスイカほど適した救援物資はないわけでありまして
「ムシャムシャムシャ・・・旨めぇ~~~~」
しばしの間ではありますけど、危機を脱した『メタボ中年隊』
救援物資の残骸は、まさに「カブトムシ跨ぎ」でありました。・・・とさ。

えっ?「カブトムシ跨ぎ」って何かって?
ほら、猫も見向きもしないほどの魚を「猫跨ぎ」って言うじゃありませんか。ねっ、だから、カブトムシでももう食べるところがないくらいのスイカってこと、分かりました?かなりでかいカブトムシですけどね。(笑)

さて、今日の一枚は、ソニー・ロリンズです。
この当時は、ロリンズが幾分コルトレーンに水を空けられた感のある次期でもあり、いろんな試みを行った次期ともいえるのではないでしょうか。
それだけにインパルスに残る1965年66年の録音を聴くと、ロリンズの様々な側面を見ることができるようにも思えます。

特に、今日のアルバムは、コルトレーンのリズム隊であったジミー・ギリソン、エルビン・ジョーンズを従えてのピアノレスです。フリーっぽい香りが漂うロリンズ、「起死回生を狙っただけのものだ」とか「悩むロリンズが見える」とかいう方もいますが、私はとても好きなアルバムです。
特に、20分を超えるタイトル曲は、曲自体の良さ、最後まで衰えを知らない高いテンション、いかにフリーっぽい要素があるとはいえ、そこそこににじみ出るロリンズ節、どれをとっても私好み、純粋なロリンズ・ファンには、異色であるが故に受け入れられないところもあるのかもしれませんが、私としてはお勧めの一枚だと思っています。

EAST BROADWAY RUN DOWN / SONNY ROLLINS
1966年5月9日録音
SONNY ROLLINS(ts) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds) FREDDIE HUBBARD(tp)[1のみ]

1.EAST BROADWAY RUN DOWN
2.BLESSING IN DISQUISE
3.WE KISS IN A SHADOW

追伸、
明日は参議院選投票日、何だか選挙管理委員会の回し者みたいですけど、

「みなさん、棄権だけは止めましょう!たかが一票、されど一票です。」

『メタボ中年隊』
からのお願いでした。(笑)


今日はピー缶?

2007年07月27日 | p-r

昨晩は家人に届け物を頼まれ、夜の9時半頃に出かけました。一度家を出てしまうと結果は見えてますよね?・・・そのとおり、一昨日の深酒など何処吹く風、いつものバーに立ち寄ってしまったのです。

「ママ、昨夜かなり飲んじゃったから、今日は加減して飲むね。」
「・・・またまた、出来もしないことを」
ママのおっしゃるとおりでした。
「ママ、じゃ帰るわ」
「帰る前に麦茶一杯飲んでいったら」
「大丈夫、大丈夫、そんな飲んでないし、昨夜よりかなりしっかりしてるから」
「だって、7杯飲んだんだよ」
「えっ???!!!」
加減して飲むはずの人が、気がつきゃバーボン・ダブルをロックで7杯も飲んでました。(あ~あ、しょうもねぇ)

それでもって、ママに出された宿題の回答を、ここでご報告したいと思います。
「明日は、ピーカンだってよ」とママ
「じゃまた暑くなるねぇ・・・・ところでピーカンのピーって何のことなんだろね」
「はい、バブさん、それ宿題。明日ブログに答えを書くように」

結論から言いますと、じつはハッキリしていないようです。
もともとは映画撮影の現場で使われていた、いわゆる業界用語らしいのですが、その語源は諸説あるそうで、とりあえずは幾つか列挙してみます。

1. とある映画監督が晴れ渡った夏の空を見て、自分の吸っているタバコ、缶ピースのパッケージの青色のようだってんで、缶ピースの俗名「ピーカン」と呼ぶようになった。
2. 完全な天気という意味で「パーフェクト・コンディション」が、パー・コン→ピーコン→ピーカンに変化した。
3. 晴れた日には、カメラのピントがカーンと決まる、あるいは完全に合う、これを語源にピントカーンもしくはピントかんぜんがピーカンになった。
4. 昔、夏の日差しが強いときに、ヒバリがピーピー鳴くし、カンカン照りだから、「空がピーピーカンカンに晴れている」という言い回しがあって、これを略した。
5. オペラ『蝶々夫人』の中で、アリア「ある晴れた日に」を歌いながら蝶々夫人を待っている人物が『ピンカートン』なので、晴天=ピーカンとなった。

なんだか、どれも本当のようでもあり、嘘っぽくもあり(笑)
そんな中、最も支持を得ているのは、1番の『ピース缶』説だそうでありますよ。

ただし、同じ『ピース缶』説でも、多いに美化したような別説がありまして、
旧約聖書の『ノアの箱船』の話は皆さんご存じですよね。

ノアは神の命に従い、箱船を制作して、彼の家族と全ての動物の一つがいだけをその箱船に乗せます。幾日も続いた嵐の後、生き残ったのは箱船に乗っていたものだけ、嵐は静まったものの洪水は収まらず、見渡すかぎり水また水。洪水の様子を見るためにノアはカラスを放ちます、ところがカラスはいっこうに帰ってこない。次に鳩を放ちます、こちらは戻ってきたものの収穫なし、一週間待ってもう一度鳩を放ちました。すると今度は晴れ渡った夕暮れにオリーブの葉を咥え戻ってきたのでした。
「陸地も顔を出し、間違いなく洪水は治まってきている。」
それでも、帆やオールの力を借りずにノアは箱船を神の力にゆだね、ついにアララテの山にとどまったのでした。奇しくもその日はコルトレーンの命日7月17日でした。(アハハハハ、これはよけいかな)

話を本題に戻しましょう、ピーカンに通じる話がここに隠されているのでありまして・・・
つまりですね『ノアの箱船』の鳩です鳩。嵐が収まり晴れ渡った空から帰還するオリーブを咥えた鳩、ほら、どっかにそんな鳩がいるじゃないですか。
そう!缶ピースのマークです。


ごめんなさい、缶ピースは手元にないもので
現在私が吸っているピース・ライトのマークです。

つまり、この『ノアの箱船』の鳩から、晴れ→オリーブを咥えた鳩→缶ピース→ピーカンと、まぁそんなわけですわ。(笑)
これは、いかにも良くできた話ですけど、映画関係者の業界用語一つが、こんなとこまで考えて使われ始めたとは、私にはとても思えないんですが。

以上、ママ、宿題の提出をこれにて完了とさせていただきます。よろしいでしょうか?

さて、今日の一枚は、アート・ペッパーです。
この頃のペッパーは、すでに長いソロを取れなくなりつつある次期でしたので、おおむねペッパーのソロは短めです。それでもサブタイトルどおり、ペッパーとマーティ・ペイチが協力して選んだ名曲を、ビッグ・バンドをバックに楽しそうに歌うペッパーは、悪い感じがしません。これはペイチのアレンジに助けられているところが大なのかもしれませんね。

よく知った曲ばかり並ぶアルバムでもありますから、聴いている方も何だか楽しくなったりして、ただ、この頃ペッパーが凝っていたというテナーやクラリネットの出来はどうなのか?これは聴いてのお楽しみみたいなものですかね。
私は、クラリネットあたりは「悪くないなぁ」なんて思ってますけど

さすがに今日は飲みに出かけられない私、このアルバムを聴き終わったら、趣味部屋で飲み始めちゃおうかなぁ~~~~(笑)

ART PEPPER + ELEVEN
1959年3月14[3,4,8,10], 28[2,6,9,12]日, 5月12日[1,5,7,11]録音
ART PEPPER(as,ts,cl)
PETE CANDOLI, JACK SHELDON, AL PORCINO(tp) DICK NASH(tb) BOB ENEVOLDSEN(ts,v-tb) VINCE DE ROSA(frh) HERB GELLER, BUD SHANK, CHARLIE KENNEDY(as) BILL PERKINS, RICHIE KAMUCA(ts) MED FLORY(bs) RUSS FREEMAN(p) JOE MONDRAGON(b) MEL LEWIS(ds)

1.MOVE
2.GROOVIN HIGH
3.OPUS DE FUNK
4.ROUND MIDNIGHT
5.FOUR BROTHERS
6.SHAW NUFF
7.BERNIE'S TUNE
8.WALKIN' SHOES
9.ANTHOROPOLOGY
10.AIRGIN
11.WALKIN'
12.DONNA LEE


焼けぼっくりに火は着かず

2007年07月26日 | s-u

いやぁ、蒸し暑い一日でした。午前中は昨晩のアルコールも手伝って、私の不快指数もグングン上がり、仕事にまったく身が入らない始末、これから益々暑くなるというのにこんな事ではいけません、反省しています。

今日は、以前にお約束したとおり、昨晩の人妻との密会(笑)の報告をせねばいけませんね。
しかしその前に、さる23日に、音楽評論家青木啓氏が、結腸がんでお亡くなりになったとのこと、まずはお悔やみ申し上げます。
私もかなり以前ではありますが、青木氏の本を楽しませていただいたことがありました。この年代以前の評論家の方は、気骨があるというか『一本筋の通った頑固者』といった方が多く、大先輩としてこれからもご活躍いただきたかったのですが残念です。あらためて古い本をのぞき込んでいます。

さぁ、ここからが今日の本番ですか(笑)
昨晩は、予定通り7時頃から人妻(しつこい?)C-と飲みに行ってきました。
それにしても思うのは、多感な次期をともに過ごした友人というのは、たとえ20年強のブランクがあっても、5分もしないうちにまったく違和感が無くなってしまうという不思議さ。
ここ数年、何人かの友人と同じような間隔をおいて再開する機会に恵まれましたが、この不思議さは男女関係なしに共通することで「友人とはありがたいものだ。」とつくづく感じさせてくれます。

「ふふふふふふ、この前S君から、バブ君の変身ぶりは電話で聞いてたけど、ほんと、わかんないくらい肥えちゃったねぇ。」
「うるせえなぁ、おめえだってシワの数なら俺に勝ってんじゃないの」
憎まれ口も昔と何も変わっちゃいません。彼女は、たしかにシワは増えたものの、昔の面影そのまま、さすがに一時は私が惚れそうになった女であります。(笑)

あたりまえの話ですが、まずは思い出話で盛り上がりました。
「そういやあ、・・・・・・・・・・みたいなことあったよなぁ」
「しかし、バブ君は良く覚えてるよねぇ、私なんか最近健忘症気味で。」
「他人にも、良く覚えてんねぇって言われることあるよ。」
「じゃあさあ・・・・・」
と彼女が話し出したのは、私が高校を卒業して上京するときの話でした。

その時、C-は駅まで見送りに来てくれたのだそうで
「おまえ来たっけ?????やべ、俺忘れてるよ」
「えっ、「俺と付き合ってみるか」って言ったの覚えてないの?」
なんと、私は列車に乗り込む直前に、彼女にコクってたらしいのです。
「えっ?!そんなこと言ったっけ???そんでおまえ何て答えたんだっけ?」
「どうして、遠くに行っちゃうときにそんな事言うのって答えたわよ。」
「それって、俺がコクってふられたって事なのか?」
「本気じゃないこと分かってたもん」
「いや、俺は本気でおまえに惚れてたんだよ」
「バーカ、Kが好きだったくせに」

これで明確になりました。私の記憶力は「自分に都合が悪いことは忘れる」というじつに都合の良いものであったのです。
ともかく、話は尽きません。ジャズ喫茶での出来事、上京した後の出来事、結婚までのいきさつ、そして近況、楽しい夜を過ごすことが出来ました。

えっ?ほんとにそれだけかって?
残念ながら、焼けぼっくりに火は着きませんでした。(笑)

さて、今日の一枚は、焼けぼっくりとは何の関係もない、ソニー・スティットです。
1972年録音のアルバムとは思えないほどハード・バップした一枚です。(笑)
夏に向けてバラード調の「時々出る幽霊(A GHOST OF A CHANCE)」季節感バッチリでしょう?
いやいや、馬鹿にして言ってるわけじゃないんですよ。邦題にするとなんとも奇天烈な曲名になってしまいますが、このアルバムで最も光っている一曲だと思います。バリー・ハリスのピアノも効いているんですよね。
「CASBHA」「TOPSY」も良い感じ、お勧めの一枚かもしれません。

CONSTELLATION / SONNY STITT
1972年6月27日録音
SONNY STITT(as,ts) BARRY HARRIS(p) SAM JONES(b) ROY BROOKS(ds)

1.CONSTELLATION
2.A GHOST OF A CHANCE
3.WEBB CITY
4.BY ACCIDENT
5.RAY'S IDEA
6.CASBHA
7.IT'S MAGIC
8.TOPSY


厄日ダァ~ゾォ~

2007年07月24日 | s-u

晴れ渡った空、気温は高いものの風がとてもいい気持ち、
朝、ベランダで大きく深呼吸すれば、きっとこんな日は良いことがあるに違いないと、確信が持てるような爽やかさです。
「今日はいいことあるってよ」
テレビの占いも最高だそうで、
「ん?あらま、gooの星占いも、『星五つです!』じゃないの」
ますます、期待が持てそう、ウキウキしながら仕事に出かけました。

・・・・・・・・・・・・・・ところが、

午後一番に、まずは熱いお湯を腕にかけられ(大事にはいたりませんでしたが)、おもてに出れば、縁石につまずいて靴の先がベラベラに、しかたなく靴を買いに行って戻ってくれば、なんと途中で車がエンコをおこしレッカー車で病院(車のですよ)入り、2時間ほどで直りそうだと聞いてホッとすれば、高めの修理代に呆然。

完全に厄日です。

こんな日は帰宅時も何処へも目をくれず戻るしかないと、途中でビールを仕入れて家に帰ってみれば

「おい、今日は土用の丑の日か!?」

先日いただいた鰻です。しかも、ご丁寧にすでにご飯にまぶしてあるじゃございやせんか。
いくら風が爽やかだったからといっても、カンカン照りの中『厄日』を乗り越えてきたんですよ私は。ビールでしょビール、どう考えてもビールですよ。
「何で混ぜちゃうかなぁ・・・・・・」
「別にそれ食べながらでも、ビールは飲めんでしょ!」
「それは、そうだけど・・・・俺は・・・・食べないの知って・・・・」
「グズクズ言ってんなら、食べなくていいよ!」
「誰も食べないとは・・・いっ・・・・・・・」

え~~~~ん、厄日です。間違いなく厄日です。

朝のあの夢のような予感は何だったのでしょう。
「テレビ局の占いも、gooの星占いも、てめぇらみんな嘘つきダァ~~~~~!!!! 私は二度と占いなんて信じないゾォ~~~~~!!!!」

さて、そんな厄日の一枚は、名コンビ、ズート・シムズ、アル・コーンのセプテット・アルバムです。
えっ?完全にアルバム名で選んだろうって?
そりゃあ、ハッピーのほうがいいに決まっているじゃないですか。(笑)
ジャケットもなんだかとても楽しそうな雰囲気でしょ

このアルバムは、それぞれのソロ・アドリブを充分楽しむといった代物ではありません。セプテットという構成から言えるのかもしれませんが、アンサンブルを楽しむ、そんなアルバムだと思います。
これで、荒んだ心も少しは癒されるでしょう。

HAPPY OVER HOAGY
1957年録音
ZOOT SIMS(ts) AL COHN(bs) NICK TRAVIS(tp) JIMMY CLEVELAND(tb) ELLIOTT LAWRENCE(p) MILT HINTON(b) OSIE JOHNSON(ds) BILL ELTON(arr)

1.I GET ALONG WITHOUT YOU VERY WELL
2.ROCKIN' CHAIR
3.SKYLARK
4.THE NEARNESS OF YOU
5.GEORGIA ON MY MIND
6.LAZY RIVER
7.TWO SLEEPY PEOPLE
8.STARDUST

おまけ、
神様、明日は占いなんて何でもいいですから、良いことがあるようになんて贅沢も言いません。せめて、何事もない普通の一日にしていただけますよう、お願いしますよ。


浴衣と白き足

2007年07月23日 | a-c

今日は二十四節気の一つ『大暑』、最も暑い頃という意味ではありますが、実際の暑さはこれから、子供たちは夏休み、やっと梅雨明けも見えてきたようで、冬仕様の我が身には益々辛い季節を迎えるわけです。

議員さんを人気商売と言ふなかれ、人気なくなればダッコチャンも売れず

歌人、土屋文明氏のお言葉でありますが、まさに各議員さん人気取りに大わらわですね。
それにしてもダッコチャンといっしょは、ひどい?古い?
これが今どきならテレビゲームのソフトか何かになるのでしょうか?
(そこまで議員さんの価値は、高くないと思いますけどね。失礼)
世に言う『ダッコチャン・ブーム』は昭和35年あたりからですから、私にとってはリアルタイムとまでは言えぬ時代です。それにしても当時から議員さんという商売はその程度の人気商売であったということで、何だか寂しい感じもします。

議員さんの人気取りはさておいて、日本の夏と言えば、蚊取り線香に風鈴、スイカに浴衣に団扇、大輪の花火なんてぇのもいいですねぇ。

風鈴の音色涼しき白き足

浴衣に帯をきりりと締め、素足に下駄を履いた女性が、団扇なんぞ静かにあおぎながら、夕涼みをしてたりして・・・・
お風呂上がりでしょうかね、化粧っけなんざぁまったくありませんが、何処を見るでもない眼差し、軽く結った髪の生え際あたりが、なんとも色っぽい
         ・・・・・・・・・これこそ、日本の夏でしょう。
普段、箸にも棒にもかからないような、もとい、(これは失言でした)
普段は気づかなかったのが、そんな姿を見てしまうと、一機に胸の鼓動が高まったりして、

「私は、浴衣姿のスッピン女性が、好きだ~~~~!!!!!!」

おっと、またしても妄想の世界へ、暑さって悪いヤツが、私を誘ってまいります。(笑)

奥様諸氏、旦那のそんな妄想を、夏の暑い一夜に、一度でいいから現実のものにしてあげてはいかがでありましょうかねぇ。

さぁ、私は妄想世界を離れ、昨晩仕込んだ「豚煮」を手土産に、いつものバーへ涼みにでも出かけましょうかね。
この一品で、ビールの一杯ぐらい出てこないかなぁ・・・・(笑)

さて、今日の一枚は、またしても私らしからぬと言われそうでもありますが、チック・コリアです。
私は、最初からコリアを嫌っていたわけでは無いんですよ。このアルバムやサークル時代の彼の演奏はとても好きで、良く聴いた方だと思います。

ビル・エバンスのピアノ・トリオなんかとは、また一つ違った魅力を持つこのトリオ、バランスがいいんだと思います。
そして、コリアに関しては、スタンダードなど演奏せず、オリジナルに徹した方が魅力があると、改めて思わされる一枚でもあります。
落語でいえば、古典より新作を古典以上の魅力で聴かせてくれるみたいな(笑)
でもね、新作はあまり走りすぎても面白味がなくなってしまうんですよねぇ、私がコリアをあまり聴かなくなるのは、後にそうなっていった彼の演奏からだと思います。

NOW HE SINGS,NOW HE SOBS / CHICK COREA
1968年3月録音
CHICK COREA(p) MIROSLAV VITOUS(b) ROY HAYNES(ds)

1.MATRIX
2.NOW HE BEATS THE DRUM , NOW HE STOPS
3.NOW HE SINGS , NOW HE SOBS
4.STEPS , WHAT WAS
5.THE LAW OF FALLING AND CATCHING UP


20年ぶりの妹は

2007年07月22日 | j-l

天気予報ではたしか今日も雨模様のはずが、快晴とまではいかないものの一滴の雨も降らず、それはそれでよいのですけど、昨日までとても過ごしやすい気温が続いたせいで、なんだかとても暑く感じられた一日でした。
雨でしばらく身体を動かしていなかったので「体操するぞ!!」と庭先ではしゃいだら、「汗がひかな~~い!!」雨がやんでも湿気はたっぷりとあるのですね、運動の爽快感より、蒸し暑さの不快感のほうが完全に勝ってしまいました。(笑)

先々週の金曜日だったでしょうか、東京に住む友人S君から、夜の10時過ぎに電話が入りました。
「あれ?珍しく家に居るんだぁ・・ハハハハハ」
くそう!いい感じで酔っぱらっております。

私の中学校の同級生はどうにも連帯感が強いようで、しょっちゅうお集まりになって宴会を催しておられます。S君(彼も中学よりお付き合いしているもので)と私は2年ほど前まで、そういった催しとは無縁であったのですが、ちょっとしたきっかけで、たまに顔を出すようになりました。
「今日、横浜で○○なんかと飲んでんだけどさぁ」
その日も4,5人の同級生が集まっていたようで、
「バブ、Cー(人の名前です。)の友達のOさんって覚えてる?」

懐かしい名前が出てきました。C-というのは、中学、高校ともに同じ学校へは一度も通ったことがないのですが、バイトをしていたジャズ喫茶にたむろする高校生『ガキ連』(当時、ジャズ喫茶に来ていた大人たちは、私達をそう呼んでおりまして)の一人だったのです。

『ガキ連』には女の子が、じつに大人びたKちゃんと、かなりガキっぽいC-(本人はけしてそうは思っておらず、煙草をふかしながらアレンジボールに興じるような不良少女でもありました。・・ははは、怒られるかな)二人がおりまして、私は映画やらコンサートやらその他諸々(不純異性交遊は別として)は、彼女たちのどちらかと出かけることが多く、そのおかげで、特定の女の子とお付き合いをする必要も無かったようなところがあります。
ともかく、Cーとはそんな女性なのでありまして

「Oさんってさ、C-の友達だったじゃん、だから、今Cーはどうしてるか、みたいな話になって・・・・・」
つまり、OさんがCーの電話番号を知っていたので、その場で電話をかけたのだそうです。すると、
「C-のやろう、俺のこと忘れてんだぜぇ・・・・さすがにおまえのことは覚えてたけど」
(あたりまえです。)
「そんでね、もし、怒ってなければ連絡が欲しいんだって、メールで電話番号送っておくから気が向いたら電話してやって」
「怒ってる????何に?????」
Cーとは知らぬ間に疎遠になってしまっただけで、私が怒る原因もありません。

大学生の頃だったでしょうか、彼女は私のアパートに泊まりにまで来る子で(当時は、彼女がいなか、私は神奈川在住という状況でした。)、友人の中には二人の関係に疑惑を持つ者もおりました。(笑)
もちろん、なかなか可愛い子でもありましたし、当時3年以上ものお付き合いもしていたわけで、まったく異性として意識していなかったかと言えば嘘になると思います。
そうそう、一度だけ「試しにそういう仲になってみようか」てんで、抱き合ってみたことがありましたが、お互い大笑いになってしまって結局はだめ、あまりにも良く知り合っていたせいで、彼女を妹のようにしか思えなかったというのが本音なのでしょう。

さて、昔話はそれとして、怒る原因もありませんので、昨晩、電話をしてみましたよ。
現在彼女はいなかを離れ、別のいなか(トキオのダッシュ村よりちょっと北の太平洋側・・・・なんじゃそりゃ)で生活をしているとか、来週(今週か)仕事の関係で偶然にもこちらに戻ってくるのだそうで
「バブ君、よかったら会おうよ。」
なんと約20年ぶりに会おうというのです。
二人ともいいおじさんおばさんになっているわけですから、会うことはやぶさかでは無いのですが・・・・・
問題は、彼女が私を私と認識できるかということです。
「俺の変貌は想像を絶するよ。待ち合わせしてもわかんなかったりしてな」

結局は、水曜日に会うことになってしまいました。いつもの店に予約も入れましたので、もう逃げられません。
さぁ、変身した私を彼女は何と表現するでしょうか?木曜日の報告を待て!(笑)

さて、今日の一枚はC-が好きだったアルバムにしようかと思ったのですが、ほとんど紹介済みですし、フルートの何かも好きだったようにも思うのですが、思い出せません。
ならばと、キース・ジャレットのソロを選びました。

ごめんなさい、私はキースのソロがそれほど好きではないんですよねぇ・・・・どうも飽きてしまうというか。以前にも言いましたが、当時、キースのリクエストが以上に増えた時がありまして、そのせいで「好きくなくなった」というのが正しいかもしれません。
たぶん、当時、女性にはじつに受けの良かったキースのソロですので、C-も好きだったように思うのですが??????

いわゆる、ピアノ・ソロに新たな方向性を示したキースの、「KOLN CONCERT」と並び称されるソロ・ライブ・アルバムです。

SOLO-CONCERTS
1973年3月20日[3], 7月12日録音[1,2]
KEITH JARRETT(p)

1.BREMEN Part.1
2.BREMEN Part.2
3.LAUSANNE Part.1/2

おまけ、
今週の『料理当番、今日の一品』

暑かったので、メインは「水菜と茗荷の豚しゃぶ巻」、ゴマだれは、ゴマをメインに胡桃も少々あたり鉢であたって、ダシ、醤油、レモン酢、砂糖・塩・ごま油(少々)を加えました。

ご飯も熱々を避け「鮭ご飯」に。塩鮭、大根葉、梅肉、大葉をご飯に合え、卵を添えてみました。(私は食べませんでしたが)

こちらは「ポテト・ベーコン」で~す。


動くあなたにいつでも逢える

2007年07月21日 | y-その他

今日は雨が降ったりやんだり、これから本格的な雨になるそうで、梅雨明けはとうぶん望めそうもありません。
そんな土曜日、雨が降ろうと槍が降ろうと散歩を欠かさない・・・ほど意志が強い私ではありませんので、昨日、友人が貸してくれたDVDを観ることに

テレビシリーズは観ていたのですが、映画は観ておりませんで・・・・・・・・
いやぁ、ダメですよこの手の映画は、実在のお話がモデルだったり、若い子がムチャクチャ頑張るようなやつは、おやじに見せちゃいけません。
男の涙腺というのは、耳毛の成長とともにどんどんゆるんでくるらしく、出るは出るは、散歩するより体重が減ったんじゃないかってくらい涙が出てきます。
「本当に神様はなんて不公平なんだろうねぇ・・おじさんは、おじさんは・・・どぉ~~!」みたいな、
映画館で観なくて良かったとつくづく思ってしまいました。

そんなこんなで体重も減らしたことですし(笑)、「午後からもビデオ鑑賞がいいかもしんない」てんで見だしたのは、ずいぶん昔にNHKのBSで放送された『ジャズの巨人』という番組を録画したもの、懐かしの由井正一先生がホスト役の番組です。
中でも1957年12月8日、アメリカCBSの伝説的生放送ジャズ番組『サウンド・オブ・ジャズ』を放映した回のものは、放送当時も感激しながら観た覚えがあります。

カウント・ベイシーにコールマン・ホーキンス、ベン・ウエブスター、ジョー・ジョーンズ、ジョー・ニューマン、フレディー・グリーン、ジェリー・マリガンにジョー・パス、レスター・ヤングのソロを微笑みながら見つめるビリー・ホリディの「FINE AND MELLOW」、後に「煙草を吸いながらニヤニヤして、ピアノの前で邪魔しやがった!」と演奏を見つめるベイシーに、モンクが多いに憤慨したという、まさにその演奏モンク・トリオの「BLUE MONK」(「STRAIGHT NO CHASER」「セロニアス・モンクの肖像」等のビデオ・DVDでも一部使われていますが)・・・・

久しぶりに観ると何だか嬉しくなってきます。
そうそう、放映日時は違いますが、この『サウンド・オブ・ジャズ』ではコルトレーンがメンバーだったマイルス・バンドの「SO WWHAT」の映像なんかも残ってましたよね。『サウンド・オブ・ジャズ』の抜粋DVDも出ていますから、そちらで充分に楽しむこともできます。

それにしても、こうして気軽に動く彼らを観られることは、じつに幸せなことですよね。
私が、動くコルトレーンを始めて見たのは、かなり年齢がいってからでしたが、衝撃でした。とあるビデオを流すバー?ジャズ飲み屋?、まぁ、あまりない系統の飲み屋さんでしたけど、同伴者をまったく無視して見入ってしまった覚えがあります。(しどい!)
今では、自宅でいつでも会えるのですから、いい時代になりました。(笑)

さて、今日の一枚は、その1957年12月8日の生放送4日前にレコード会社でのリハーサルを収めたアルバムです。
ところが、本番ではリハーサルとは違うメンバーになっているという、そのあたりも面白いでしょ。もちろんこちらもオールスターズは変わらず、お得な一枚に仕上がっていると思います。

このアルバムを聴いて本番を観る、本番を観てこのアルバムを聴く、自宅でそれが出来てしまう現在の私は、幸せ者ですよね。

THE SOUND OF JAZZ
1957年12月4日録音
COLEMAN HAWKINS(ts) COUNT BASIE, MAL WALDRON(p) BILLIE HOLIDAY(vo) その他いっぱい(笑)

1.WILD MAN BLUES
2.ROSETTA
3.FINE AND MELLOW
4.BLUES
5.I LEFT MY BABY
6.THE TRAIN AND RIVER
7.NERVOUS
8.DICKIE'S DREAM

おまけ、
「ビデオばっか見てんだったら、買い物行ってきて!!」
「は~~い、刺身食いたいんだけど、買って来てもいい?」
「一番、安いヤツね」

ということて゜、一番安いメバチマグロを買って帰りました。それでも工夫一つでね、『漬けネギの海苔巻き』なんかにすると、けっこういけるんですよ。
烏賊は、烏賊焼きにするのをちょっとだけいただきました。
「日本酒、旨ぇ!!」