JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

名物、お土産、親孝行???

2009年03月27日 | a-c

寒の戻りに今年はもう買わずに済むかと思っていた灯油をまた調達するハメになりそうで、ふくらみかけた桜のつぼみも咲くタイミングを逸したようです。

名物に美味いもの無し

昔から普通に使っていながら「それでも旅をすれば名物を求める。」これは日本人の習性みたいなものですよね。
でも嬉しいかな最近は「名物に美味いもの無し」とは言えないようになってきました。それはきっと良い意味で本物志向が根付いて来たせいでもあるでしょうし、売り出す側にも、たんに「無理矢理名物にしよう」的安易さではなく、「地で昔から親しまれてきた品々を名物にしよう」という本来の姿が定着しつつあるという事なのでしょう。

一昨日から一泊どまりで同級会に出掛けた母は、久しぶりの地元をじゅうぶんに楽しんできたようで、
「いらねぇって言ったんだけど、○△が「もってげ」って言うもんだから・・・」
などと言いつつ、いくつものお土産を鞄から出しながら
「○○いっぺや、○○は××しゃったじゅうや」
と、方言丸出しで私の知らない人の近況を一生懸命説明してくれました。(笑)

これは、母の実家からは少し離れるのですが、会津柳津名物『粟饅頭』です。
その起源は180年ほど前、大きな災害が柳津を襲った事に始まるそうで、その時に「もう災害に(あわ)ないように。」てんで、日本三大虚空蔵尊の一つでもある福満虚空蔵尊圓蔵寺、通称『こくぞう様』に粟饅頭を奉納したことから生まれた名物といいますから、歴史は古いんであります。
クチナシに染まった黄色い粟に包まれたこしあん、もちろん「化学なんとか」とか「合成なんとか」なんてぇもんはいっさい使われておりません。甘すぎず、香りよく、その素朴な味わいは・・・・・・・・
すいません。じつは私は全く食べない代物なんです。(笑)
どうも甘いもんはねぇ、それに、あの粟のプチプチ感も、私にはちょっと合わないようで、
「こんな美味しいもの、何で食べられないのぉ?」
(「お茶ではなく、私に入れさせた珈琲でそれを食べるあんたもどっかおかしいよ」)
と思いつつも
「美味しい?そりゃ良かったねぇ」

へへへんだ、私が楽しみなのは、ワラビにウド、それからこれこれ『豆餅』、柳津の『粟饅頭』なんて目じゃないね。(笑)

面白かったのは、この『黒じゅうねんドレッシング』でしょうか。最近できた名物らしいのですが、どんな味がするのかちょっと楽しみです。

まっ、いずれにせよ、ここ何日間かは、母の思い出話に付き合わされそうです。知らない人の話を方言でまくし立てられても、私にはまったく迷惑なんでありますけど、これも親孝行だと思って「はいはい」と聞き役に徹しましょうか。
「疲れた、疲れた」と言いつつも母には楽しい同級会だったようで、ほんと、良かったね。

さて、今日の一枚は、ドロシー・アシュビーです。

私が昔から不思議に思っていたのは、何故同じ楽器なのにジャズを演奏した瞬間にジャズ○○になるのか?ということでした。まっそう思いつつも、口に出来ない疑問ではあったわけですが(笑)
例えばサックスなら、マウスピースやリードの違い云々、ある程度理解できなくもないんですよ、ないんですが、例えばピアノなら弦を張り替えるわけでもなく・・・たしかにジャズむきのピアノってぇのはあるんでしょうけど、いつもそれを持ち歩くわけにもいかないでしょう。
あはは、何をいまさらそんなことを言ってるのか、てぇはなしですがね。

そんなことを考えながら、ことその楽器がハーブということになると、まさに私のイメージの中でジャズ楽器という概念は存在し得ないのであります。
たしかに、昨年亡くなられたコルトレーン夫人、アリスもハーブ奏者でありましたし、山本邦山の尺八にしても、津軽三味線でジャズ演奏をこなした各方々にしても、その他数々の楽器でジャズを奏でた方は数多く存在します。どんな楽器でもジャズを演奏しちゃいけないってな決まりも法律も無いわけで、まして自由こそがジャズであるとしたら、そんな概念は捨てるべきものに違いありません。

アシュビーは、ジャズ・ギタリストである父、ウイリー・トンプソンから音楽の手ほどきを受け、ウエイン大学でさらに音楽を学び、なんと一年前に手にしたハーブをひっさげてデビュー、ルイ・アームストロング、ウディ・ハーマン、デューク・エリントン楽団、ラムゼイ・ルイス、ジュリー・マリガン等々大物達と共演、一方でリージェント・レコードから初リーダーアルバムを出すと、プレスティッジ、アーゴ、ジャズランド、アトランティック等々に吹き込みを続けるという、まさにジャズ・ハーブのパイオニアとして、地元デトロイトを中心に活躍を続けたのでありますが・・・・

これが、はたして、他に演奏する者がほとんどいなかったハーブという楽器のおかげだったのか?それとも、彼女自身の実力であったのか?それは、この一枚をはじめ、彼女のアルバムをを聴いて判断されるべきでしょう。
私のようにハーブをジャズ楽器という概念が無いと決めつけ、聴くことすらためらう事は、大いなる間違いであると思います。

ジャズ・ハーブ、たまにはこんなんに触れながら一杯いただくのも悪くありません。

IN A MINOR GROOVE / DOROTHY ASHBY
1958年9月19日録音
DOROTHY ASHBY(harp) FRANK WESS(fl) HERMAN WRIGHT(b) ROY HAYNES(ds)

1.RASCALLITY
2.YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
3.IT'S A MINOR THING
4.YESTERDAYS
5.BOHEMIA AFTER DARK
6.TABOO
7.AUTUMN IN ROME
8.ALONE TOGETHER


連想話パート???

2009年03月25日 | v-x

なんだか冬の寒さが戻ってきて、一度春の暖かさにホッとした身体にはなおさらにこたえてしまいます。今晩はS君でも誘って「ぬる燗でもやっつけながら、WBCで燃え上がった生気をつまみに身体を温めてくる。」なんてぇのもいいですねぇ・・・電話しちゃおうかな。(笑)

  おそれるな、マリアよ
  あなたは神の恵みをうけた。みよ、あなたはみごもって男の子をやどす。
  その子をイエスと名づけなさい。
  その子は偉大な者となり いと高き者の子と呼ばれる
  主なる神は彼に 父ダビデの王座をあたえられ
  彼はヤコブの家を永遠におさめる

今日は『聖母マリアの受胎告知の祝日』なんだそうでありまして、ヨセフと婚約して6ヵ月、ヨセフとは「なに」もしていないマリアに、3月25日、神はイエスの受胎を告げたのでありましたとさ。
「いやいや、ヨセフも結婚まで待てなかったんだよきっと」
てな、不道徳なことを言っちゃいけません。ヨセフもマリアも私みたいな神をも恐れぬふとどき者とはわけが違うんですから。

ともかく、この受胎を神のメッセンジャーとしてマリアに告げたのが、天啓、智恵、慈悲、贖罪、約束の天使であり、エデンの園の統治者であり、智天使の支配者とされる『大天使ガブリエル』。彼女、いや彼、いやいやカブリエルは、絵画などで純白の百合の花を手にして描かれることが多いそうですが、これはまさにマリアの処女性を表しているのだそうですよ。

無神論者の私などは、大天使カブリエルというと、映画『コンスタンティン』が頭に浮かんできます。イギリスの名女優ティルダ・スウィントンが演じていましたよね。
「堕天使の反乱によって天界大戦争が起こり、結局、大天使ミカエル率いる天使軍が、ルシファー率いる悪魔軍に勝利し、そこで善と悪のバランスを取るため、地上に肉体を持った天使と悪魔が、一般の人間と一緒に日常生活をしている。」
映画の中では大天使カブリエルもそんな『ハーフブリード』として描かれておりました。
そうそう最後には、神に羽を取られて『人間』になってしまうんでしたよね。

そういえば昔GSグループにザ・ハーフ・ブリードっていうのがいましたよね?え~と、「悪夢」じゃなくて「夢の何とか」じゃなくて・・・・そ「不思議な夢」。
あはは、そんなん思い出すのはGS好きだった姉の影響でしょうか?

ティルダ・スウィントンといえば、『ナルニア国物語』の白い魔女、あのイメージも強いですが・・・・・
あっそうだ、デレク・ジャーマン監督の『ザ・ガーデン』では彼女が聖母マリアじゃなかったでしたっけ?なんとも不思議な映画でしたが、こんどあらためて観てみようかなぁ。

いつものようにとりとめのない連想話も、うまいこと聖母マリアに戻ったということで、終わりにしましょうね。(笑)

さて、今日の一枚は、レム・ウィンチェスターです。
プロ活動を始めてたった一年で爆死ししたウィンチェスター、このアルバムのタイトルを見ただけで、いかにミルト・ジャクソンを意識していたかが分かるというものですが、音色はやはり違います。
ミルトが「ヴァイブ~~~~」なら、ウィンチェスターは「ヴァ・イ・ブ」てな感じ?(なんじゃそりゃ)
でもこの「ヴァ・イ・ブ」てぇのが、なかなか魅力的なんでありまして、「LIKE SOMEONE IN LOVE」なんか聴くと、「「ヴァイブ~~~~」も良いけど「ヴァ・イ・ブ」もええやん」てな気になるのであります。

「早死にさえしなければ、バグスに負けず劣らずのヴァイブ奏者になっていたのではないか」
あはは、ジャズの世界には「早死にさえしなければ・・・」っていうお方が多すぎて困りもんですね。

ANOTHER OPUS / LEM WINCHESTER
1960年6月4日録音
LEM WINCHESTER(vib) FRANK WESS(fl) HANK JONES(p) EDDIE JONES(b) GUS JOHNSON(ds)

1.ANOTHER OPUS
2.BLUES PRAYER
3.THE MEETIN'
4.LIKE SOMEONE IN LOVE
5.BOTH BARRELS


あんた達は凄い!

2009年03月24日 | y-その他

いやぁ、やりましたねぇ『侍ジャパン』、原君やっちゃってくれました。
キューバを二回ぶちのめし、アメリカにも勝って、韓国にも勝ち越して、前回優勝よりさらに価値のある優勝のように思います。
それにしても何でこんなに嬉しいんでありましょう?
まっそんなことはどうでもいいか、ともかく、仕事をサボったかいがあるってもんですよ。(笑)
いやいや仕事を休んだわけじゃありませんよ。
それでもねぇ、仕事にゃなりませんわ。
午前中はテレビも無いところにいましたので、始めて利用する携帯電話のワンセグ、

ところがねぇ、このあたりはまだまだワンセグの受信状況が悪くて、途中画面がモザイクっぽくなったり、音が聞こえなくなったり・・・・・
「あ~~~イライラする。」
それでも、小笠原のヒットで日本が先取点をとったことは分かりました。
「もうううダメ、昼飯、昼飯」

もちろん、テレビが見られる中華屋さんに行きましたよ。飯なんて何でもいいんだから(笑)
途中2点リードしていた段階では「まぁ、せいぜい2時ぐらいまでサボれば最後まで見られるかなぁ」なんて思ってたんですが、敵も然る者、いかにも韓国らしく粘られ、9回に同点・・・・・・・
あはは、けっきょく3時近くまで昼休みをとってしまいました。

しかし、その中華屋さん、私が行ってからほとんど客の回転も無く、あれで商売になったのかなぁ????
いやいや、勝った瞬間、お店の人もお客さんも、厨房の大将だって、「(拍手拍手)やった!やった!」でしたから、お客が来ても大将は料理なんか作ってる状態じゃなかったかもしれないですねぇ、だって、二時間以上居座る客にお店の人は誰も文句も言わなかったですもん。しかも、その後はお客さんにビールまでサービスしようかって勢いでしたから(お客さんの中にはすでに飲んでいる人もいましたけど・・・羨ましい)

ともかく、良かったです、じつに気分が良い、ほんと『侍ジャパン』あんた達は凄いよ。私ごときにまで「よっしゃ、やるか」っていう力を送ってくれるんだから、今晩はMさんのお店の手伝いが終わってから、独り祝杯をあげさせていただきます。
「世界一おめでとう!原君、ありがとう」

さて、今日の一枚は、なにしろ『侍ジャパン』の話でしたから、あら珍しや和物、中村八大です。

じつはこのCD、ずいぶん前の『ジャズ批評』に紹介されていたのを見て、入手したものです。
中村八大といえば「上を向いて歩こう」を始め、数々のヒット曲を作曲した作曲家としてのイメージが強いかもしれませんが、渡辺晋の「シックス・ジョーズ」や、ジョージ川口の「ビッグ4」なんかにも参加していた日本有数のジャズ・ピアニストでもあったわけで・・・・とか言いつつ、昔の私はまず聴くことのないお人でした。

こうしてあらためてジャズを演奏する彼のピアノを聴くと(というより全体を聴いてのかな?)、その才能は素晴らしいものがありますよねぇ、この歳になったから分かるようになったのか?それしも聴かず嫌いだったのか?
まっ、素直な気持ちでこんなCDも聴けるようになったのですよ、私も。(笑)

一曲目のオリジナル「BLUES FOR TOM」もとても良い曲だし、スタンダードもなかなか。
もし、私のように『聴かず嫌い』の方がいらっしゃいましたら、ぜひとも一聴あれ。

ACE 7  MUST COLLECTION / 中村八大
1968~71年録音
中村八大(p) 松本英彦(ts,fl) 仲野彰(tp) 平岡精二(vib) 沢田駿吾(g) 鈴木勲(b) 石川晶(ds)
ゲスト:中牟礼貞則(g) 猪俣猛(ds) 小野寺武司(perc) 松本清(vib) 池田芳夫(b) 鈴木弘(tb)

1.BLUES FOR TOM
2.NO HAY PROBLEM
3.BROKEN PROMISES
4.BEGIN THE BIGUINE
5.GOLDEN STRIKER
6.CIELITO LINDO
7.BLACK MARCH
8.BLUES DE MEMPHIS
9.MOANIN'
10.LES FEMMES DISPARAISSENT
11.HITORIBOCHI
12.ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD
13.AMORE MIO
14.TROIS CHAMBRES A MANHATTAN
15.LE GRISBI
16.YOGIRINO KOIBITOTACHI
17.COMIN' HOME BABY
18.DIANGO
19.SISTER SAIDIE
20.THE SIDE WINDER
21.KIIROI TANPOPO
22.COOL RIDERS
23.NAMIDA O KOETE
24.NIGHT IN TUNISIA


贅沢な趣味かも

2009年03月22日 | m-o

せっかくの日曜日なのに、午後からはなんだか凄い天気になってきました。風は強いし、雨は降ってるし、あはは、こりゃいかにマイブームでも自転車はきついですね。もう一つのマイブーム?料理なんぞに力を入れようと覚悟を決めました。

というのも「ありがたや、ありがたや」ヤナイ珈琲さんから先日録音した『ジャズギター・セレクション』のお礼にとお酒をいただいたのでありまして・・・・もちろん、これを目的に録音したわけじゃありませんよ。でもせっかくのいただき物ですし、「より美味しく味わえる料理作り」なんぞをしてみようかなぁなんてね。

というわけで、今週は早々に『料理当番、本日の一品』です。
いただいた日本酒をちょっとだけ味見してみると若干甘めのお酒のようで、味わいはワイン感覚かなぁ・・・ならば、

『鯛の和風カルパッチョ』なんぞを。
本当は一晩昆布締めかなんかにした鯛で作ると美味しいんですが、一晩かける余裕もなく(笑)今日は昆布茶を利用しての簡単レシピです。
昆布茶の便利さは時間の節約はもちろん塩ふりの手間も省ける点ですねぇ、バットに昆布茶をビラっとまいて、薄く切った鯛を並べます。そこへまた昆布茶をサラサラっとふって約2時間ほど冷蔵庫へ、淡泊な鯛の身をみごとに味深くすることが出来ます。
これにレモン汁、醤油、煮きりみりん、ワサビを混ぜ合わせたソースをかけ、野菜をトッピングして、最後にオリーブ・オイルをふりかけました。
いやいや、思った以上に今日のお酒には相性バッチリでしたよ。

もう一品は、定番の『肉じゃが』
「これが出来たら男心をグイッと」などとくだらない事を言うヤカラの戯言はほっておいて、ともかく「作ったらいちど必ず冷ます。」これをやれば薄味でも旨味の染みた美味しいものが出来ますので、やたら喉が乾くばっかりの甘ったるくてしょっぱい『肉じゃが』をお作りになるお嬢様、肝に銘じるように。(笑)

そんなこんなで料理をしていると、近所の方から『春の山菜』のおっそわけ、菜の花にセリ、タラの芽まで、さっそく天麩羅にしていただきました。

てなことで、せっかくいただいた日本酒も一夜にして我が体内へと取り込まれ、今はほろ酔いでブログ更新を行っております。
いただいたお酒に合わせて自分で料理をしてこれを味わう、これもまた贅沢な趣味であるかもしれませんよね。

さて、ほろ酔いのバブが今晩セレクトした一枚は、ハンク・モブレーです。

酔っぱらっているので上手いこと解説は出来ませんが、モブレーという人はじつに控えめな人で、まわりがバンバン行っちゃうとかき消されてしまう感があります。
ボソボソっと語る?訴える?そんなモブレーの魅力を感じ取るには、このアルバムはうってつけじゃないかと思うのです。
だから、同じ三管でも、これが例えばトランペットがリー・モーガンで、アルトがキャノンボール・アダレーじゃモブレーは活きないんですねぇ、ハード・バッパー、モブレーが活きる布陣は、その他の二管はもちろん、アワセ上手のバリー・ハリスであり、ダグ・ワトキンスなんでありますよ。(そうでなくともドナルド・バードが若干走ってる気があるんですから)

「大丈夫、君もじゅうぶん出来るんだよ。」
そんな気持ちで、モブレーのプレイを聴いてやって下さい、タイトルどおり、彼のメッセージを聴き取ってください、彼の魅力がなんとなく分かってくるんじゃないでしょうか。そう、彼は私と同じ繊細な心を持った男なんです。(笑)

MOBLEYS MESSAGE / HANK MOBLEY
1956年7月20日録音
HANK MOBLEY(ts) DONALD BYRD(tp) JACKIE McLEAN(as) BARRY HARRIS(p) DOUG WATKINS(b) ART TAYLOR(ds)

1.BOUNCIN' WITH BUD
2.52ND STREET THEME
3.MINOR DISTURBANCE
4.AU PRIVAVE
5.LITTLE GIRL BLUE
6.ALTERNATING CURRENT


そんなこんなで「マイ・エコ・ブーム」

2009年03月20日 | s-u

彼岸の中日は予報どおり午前中で雨も上がり、午後からは晴天となりました。ただし、吹く風は昨日のそれと違いひんやりとして、明日の朝は冷え込むそうですから、急激な温度差に体調を崩さないよう気をつけなければいけませんね。

侍ジャパンの対韓国戦が気になりながらも、雨が上がってすぐに墓参りに行ってきました。
「チャッチャと済ませて、野球観るよ。」
なんとも親不孝な墓参りでしたが、野球好きであった父もおそらくは墓になどおらず、アメリカまで観に行っていることでしょうから、ま、良いでしょう。
そんなこんなで、
いやぁ良かったですねぇ、次の対戦がアメリカというのはちと気にはなりますが、韓国に三連敗はいただけませんから、これで良いんです。
あとはアメリカを撃破して、仮に韓国が決勝に出てきたら再度ぶちかます、そうすれば対韓国戦も前回のように負け越して優勝じゃありませんから「優勝に文句は言わせないよ」でありますよね・・・・・頑張れ日本!

そんなこんなで、
気分良く野球観戦をした後は、散歩ではなく自転車で体力作りをしてまいりました。
で、何で自転車かといいますと、

昨日、Mさんのお店へ行くときにふと
「明日はお休みだし、たまに自転車で行ってみようかなぁ」
などと突然思い立ち、息子の自転車を引っ張り出して出掛けたんです。すると、これがあ~た、なかなか良い気分じゃありませんか、
「ひょっとしてこれ、マイ・ブーム、いや、マイ・エコ・ブームになるかもしんない。」
私のメタボ状態に完全なあきらめしかいだいていなかった家人も
「良いんじゃない、それで少しでもやせられれば・・・ガソリン代も節約できるし」

そんなこんなで、
昨日は時間が無くて出来なかった細かい自転車整備を行い、カメラ片手に近場まわりのサイクリングです。

 ♪ 新しい朝が来た 希望の朝だ
    喜びに胸を開け 大空あおげ
     ラジオの声に 健やかな胸を
     この香る風に 開けよ
     それ 一 二 三  ・・・・・♪

携帯プレイヤーを忘れちゃったもんで、宇宙飛行士、若田さんに刺激を受けて、朝でもないの「ラジオ体操の歌」を大声で歌いながらペダルをこぐと
「うん、たしかにやる気がみなぎる。」
こんな歌とうの昔に忘れているかと思いきや、すり込まれてるんですねぇ、すんなり歌詞が出てきます。
ちょっと冷たい風もメタボのサイクリングには最適です。



途中、目についた花なんかをカメラに収め

 ♪ 赤いチェックの シャツをなびかせ
   今日も峠の小径
   胸にあの娘の 面影抱いて
   吹いた口笛軽く
   サイクリング サイクリング
   ああ情熱のサイクリングブギ ああ憧れのサイクリングブギ
    サ、サ、サ、サイクリングブギ サ、サ、サ、サイクリングブギ
   ・・・・♪

そんなこんなで、
最後は「サイクリングブギ」を歌いながら帰ってきました。
いやぁ、思った以上に楽しいし、良い運動にもなって・・・・・・・
これは冗談抜きに『マイ・エコ・ブーム』になるかもしれませんよぉ。

さて、今日の一枚は、ドン・スリートです。
「誰それ?」
とつい言ってしまいそうなほどマイナーっちゃマイナーなトランペッターですよね。それもそのはずで、たぶん私が知る限りリーダー盤はこれ一枚ではないでしょうか?私もあとはレニー・マクブラウンとやっていた「THE 4 SOULS」のメンバーとしてチョロッと記憶にあるていどです。

ところが「THE 4 SOULS」のスリートとここでの彼はいくぶんイメージが違う感じがして、本来のスリートがどんなトランペッターなのかは、私には不明です。(笑)
年代的には、ブッカー・リトル、フレディ・ハバード、リー・モーガンと同い年、この三人がいれば目立ちようがないと言えばそれまでですし、ひょっとしたら白人というのが弱みになってしまったのかもしれませんね。

このアルバムは、いかにも白人トランペッターといったスリートが、凄い黒人ミュージシャンを従えているところが面白いといった感じでしょうか。とんでもない個性は感じられないものの、「スマートで確実で、よくよく聴かないと個性がなかなか見つからない」それが白人トランペッターの魅力だとすれば、スリートはもっとメジャーでも良いんじゃないかと思わせます。

他のメンバーでは、やはりウイントン・ケリーが目立ってます。「THE HEARING」でのソロは「好みだなぁ」(笑)

CDでの所有盤ですが「LPで持っていても悪くなかったかなぁ」と私は思っています。

ALL MEMBERS / DON SLEET
1961年3月16日録音
DON SLEET(tp) JIMMY HEATH(ts) WYNTON KELLY(p) RON CARTER(b) JIMMY COBB(ds)

1.BROOKLYN BRIDGE
2.SECRET LOVE
3.SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
4.FAST COMPANY
5.BUT BEAUTIFUL
6.ALL MEMBERS
7.THE HEARING


酒友諸氏に乾杯!

2009年03月18日 | s-u

晴れた空は霞がかかったよう、黄砂なのか花粉なのか、いずれにしても見ているだけでクシャミが出てきそうです。暖かくなるのは良いんですが、花粉症の方々には心底喜べませんよね、まっ「これが春」ということで

二日間更新をサボっている間に、私は一つ歳を取ってしまいました。
「誕生日おめでとう」
と言われても、素直に喜べなくなったのはいつ頃からだったでしょうか、それすらも忘れてしまう年齢になってしまったんですなぁこれが。(笑)

「バブちゃん、3月生まれの常連さんが3人いるから、まとめて誕生会やるよう!」
まるで幼稚園かのようですが、いつものバーのママから声をかけていただきまして、お店がお休みの一昨日はその「誕生会」です。


今回は諸事情により全員顔出しNG、
オールモザイクをかけさせていただきました。

みなさん同店でよく知った顔ばかり四人、それにママが加わって、ビールで乾杯。あとは雪中梅の一升瓶がド~~ン、ウイスキーがバ~~ン、つまみだって、煮物、焼物、乾き物、肉に魚に乳製品、ご飯物だってありまして・・・・
「こりゃ喰いきれんわ、酒が足りるかなぁ?」
「大丈夫、酒なら売るほどあるから」(笑)

しまいには
「バブ、あんた、いかに飲めば喰わない人でも、誕生会なんだからケーキは食べな!」
とHお嬢様
「それだけは、ご勘弁を~~~」

いやいやまったくいい歳のオッサンといい歳のおば・・・いや、お嬢様が集まると、若い連中の集まりとはまた違った楽しさがあるものでして、堪能してまいりました。
それにしても始まり時間が遅かったとはいえ、3時過ぎまで馬鹿騒ぎをするそのエネルギーはどこから生まれてくるのか?感心してしまいます。・・・「って、あんたもね」(笑)


こちらは二次会で押しかけたカラオケスナックのマスター。
誕生日ならとリボンを額に貼っちゃったりして
このひょうきん者!!

仕事関係でもなく、古くからの友達でもなく、たまたま「とあるバー」で知り合った方々と「誕生会」と称して酒を酌み交わす、それだからこその楽しさがそこにはあるんでして、これぞ酒友でありましょうか。
「友達も、胸襟をひらく相手に乏しいが、真の酒友はさらに少ない。」と言ったのは長谷川幸延でしたかねぇ。
真の酒友なんてぇ者がどれほどの者かは知りませんが、酒友なんてぇもんは、その場のノリで酒を酌み交わし、肩を組み合って歌い出すような、そんな者でも良いんじゃないかと私は思うんですねぇ、そんな酒友「とあるバー」に行けばいつでも逢える(ママもその一人なんですけどね)、そんな私は幸せな酒呑みですよね。

いずれにしても「とあるバー」の酒友諸氏、楽しい夜をありがとうございました。

さて、今日の一枚は、ホレス・シルバーです。

若干、他のホレスさんとはイメージの違うアルバムかもしれません。いわゆる「NINETEEN BARS」を除いては、全てミディアムテンポってヤツですか。
正直、聴き入ってしまうといった一枚ではないかもしれません。でも、なんて言ったらいいんだろ?心地よい?花粉を除去した春風のような(笑)そんなホンワカした感じのする一枚です。
ここでのセレナーデは、「恋人や女性を称えるために、夕刻に奏でる」といったものではなく、どちらかというと「もっと明るい時間帯に湖畔を歩く春色の女性」?
ホレスさんのセレナーデはそういったものなんですきっと。

それにしても、やっぱ私はブルー・ミッチェルのトランペットが好きみたいです。「LET'S GET TO THE NITY GREETY」なんか「ヨクヨクナイ?」てな感じ(笑)

そして、最後に「やっぱ、ホレス・シルバーはこれか?」っていう「NINETEEN BARS」をぶちかます。
たまには、こんなホレスさんも私は「有り」だと思いますよ。

SILVER'S SERENADE / HORACE SILVER
1963年4月11,12日
HORACE SILVER(p) BLUE MITCHELL(tp) JUNIOR COOK(ts) GENE TAYLOR(b) ROY BROOKS(ds)

1.SILVER'S SERENADE
2.LET'S GET TO THE NITTY GRITTY
3.SWEET SWWEETIE DEE
4.THE DRAGON LADY
5.NINETEEN BARS

WBC侍ジャパン、残念でしたねぇ、ダルちゃんはやっぱまだちっと若いんでしょうか?こうなったら明日キューバを倒して、今度こそ韓国にリベンジしてもらいたいものです。
「頑張れ日本!原ちゃん、我々世代の指導力を今こそ世に示してくだしゃんせぃ!」


きっかけは大河?

2009年03月15日 | m-o

今日は朝から良い天気、最近ちょっとばかり目覚めの悪い身体に、じゅうぶんな太陽光をあてて、体内時計の調整を行いました。
そのせいでしょうか、いつもならお目々パッチリのこの時間に眠気が襲ってきています。

いやいや、そのせいじゃありませんね。
じつは午後から運動不足の解消にと、起伏だらけの公園の散策路を、そこかしこにある杉のバカタレにも「負けるもんか!」とばかり、約二時間ほど歩いたり走ったりしてきたのです。
おかげでちょっと足は痛いんですが、久しぶりに気持ちの良い汗をかいてきました。


多少寒くても子供たちは元気ですねぇ

話はコロッと変わって(いつものこといつものこと....笑)
昨日の朝日新聞be土曜版に「歴史好きになるきっかけ」と題されたアンケート結果が載っておりました。
『NHK「大河ドラマ」は好きですか?』との問いに、約57%の方が「はい」とお答えになったそうで、さらに、歴史と出会うきっかけそのものが「大河ドラマ」だったというお答えも多かったそうです。
私も「大河ドラマ」は不思議と好きで、振り返ってみれば、その年放映になっている「大河ドラマ」の時代背景に、その時だけ異様に興味を持って調べてみた、なんて事がしばしばあったように思います。
渡辺謙主演の『独眼竜正宗』の時なんか図書館通いまでしちゃったりして・・・・ふむふむ、たしかに教科書で習った歴史より、「大河ドラマ」を背景に調べた事の方が良く覚えている気がします。

「大河ドラマ」というと、どうしても主役の立場に立った目線すぎるというか、そもそも完全ノンフィクションどころかフィクションといっても良いわけで、時代考証のいいかげんさはつきものです。
それでも、それをきっかけにその時代への興味が湧いて、さらには歴史というのは流れですから、他の時代までも興味が進んでいくということもあり、そこから始まる歴史の勉強もけして悪いことだとは思いません。

考えてみれば、私なんざぁ歴史だけでなく今ある貧弱な知識のほとんどが、「落語きっかけ」「映画きっかけ」「ドラマきっかけ」だったりするわけで、これを否定されたら、我が知識全てを否定されたに等しいという・・・あはは、いかに薄っぺらな知識かという事でもありますけどね。
そうそう、「大河ドラマ」もそうでしたが、昔、NHK特集かなんかで正倉院の宝物の番組を見たときは、代表的な宝物のナンタラカンタラを必至に調べて、家人に自慢げに話して、「話が長い」と顰蹙をかったこともありましたっけ(笑)

昔、我が息子が嫌いな番組ベストスリーは「大河ドラマ」「NHK特集」「ナイター」この三つでした。「その間、好きな番組は見られないし、オヤジはまったく相手もしてくれない」というのが理由でしたが、息子もいずれその気持ちが分かるときが来るでしょう。

おっと話が飛びました。てなわけで、私が最も心に残っている「大河ドラマ」『独眼竜正宗』ですねぇ。まったく関係ないのに「同じ東北」みたいな感情もあるのかもしれません。
今回のアンケートでも『篤姫』に続ぐ堂々の第二位でありました。
「何だかちょっと嬉しい」(笑)

「大河ドラマ」の雰囲気も昔から比べるとずいぶん変わってきました。それでもワンクール10回程度で終わってしまう最近のドラマよりは見応えもありますし、いかにテレビを見なくなった私とはいえ、今回の『天地人』直江兼続も東北ゆかりの武将でもあるだけに最後まで見てしまうのでしょう。(さすがに図書館通いはないかな)

その中で『独眼竜正宗』目線の私と『天地人』目線の私がどう戦っていくのか?それもちょっと楽しみだったりしてね。

おっと、今日は日曜日でした。
ということで『料理当番、今日の一品』

今日は「小鯵の南蛮漬け」を作ってみました。
昔はねぇ甘酢ってぇのがどうも苦手だったんでありますが、年齢とともに好きになってくるもので、ビールのアテにはピッタリでした。

こちらは「イカもエリンギも人参もあるでよぉニンニクニラ玉」(なんじゃそりゃ)ニンニク油で炒めた烏賊ゲソ、エリンギ、人参をニラ玉でとじてみました。

さて、今日の一枚は、マイルス、コルトレーンときたので、セロニアス・モンクにしました。(私の頭の中ではスムーズな流れなんですが...笑)

このアルバムはLPでは無く、CD所有盤です。
私としては「モンクとオリヴァー・ネルソンの組み合わせがどうなのかなぁ?」という疑問符をずっと持っていた一枚です。
それは、ある意味王道行く真面目なアレンジャーと変わり者モンクがやっていけるのかという心配ではなく、逆にモンクであるから「アワセ」に行ってしまうのではないか・・・・以前から言っているように、私はモンクほどまわりに気を遣うミュージシャンはいないと、未だに思っていますから、それがこれほどのビッグ・バンドをバックにしてどうなのか?という疑問が湧くということなのです。(これが、自前のビッグ・バンドなら別ですよ)

案の定、私にはモンクがとんでもなく気を遣っている演奏だと聴き取れます。
でも、実のところこのアルバムの魅力はその部分なのかもしれません。
ネルソンがきっちり組み立てたジグソーパズルの最後のピースになろうとするモンク、それでもその隙間には入りきれるお方じゃありませんから、やっぱり浮き出てしまう個性。「BRILLIANT CORNERS」「BLU MONK」なんて、ここだけの代物に仕上がっているように思います。

視点を変えた楽しみ方をする一枚ではないでしょうか。

MONK'S BLUES / THELONIOUS MONK
1968年11月19日録音
THELONIOUS MONK(p) CHARLIE ROUSE(ts) LARRY GALES(b) BEN RILEY(ds) OLIVER NELSON(arrang) with Big Band

1.LET'S COOL ONE
2.REFLECTIONS
3.LITTLE ROOTIO TOOTIE
4.JUST A GLANCE AT LOVE
5.BRILLIANT CORNERS
6.CONSECUTIVE SECONDS
7.MONK'S POINT
8.TRINKLE, TINKLE
9.STRAIGHT, NO CHASER
10.BLUE MONK
11.'ROUND MIDNIGHT


バブ・レブーはスピリチュアル

2009年03月13日 | a-c

夕方から風が強くなってきました。今晩から明日にかけて荒れ模様になるそうで、それを良いことに今日こそ休肝日にしようかと思っています。

JRの寝台特急「富士」と「はやぶさ」が、14日のダイヤ改正で引退、今日をもって東京駅を発着するブルートレインは全て姿を消すことになるんだそうで、私は鉄ちゃんでもありませんし、過去二度ほどしか利用したことのない身ですから、これといった影響もありませんが、それでもあの一種独特の雰囲気を持つ寝台特急が次々と廃止になるのは、ちと寂しいような気もします。

ブルートレインといえばやはり頭に浮かぶのはコルトレーンが唯一ブルーノートに残したリーダー・アルバム「BLUE TRAIN」であります。(むりやり得意分野に持っていく、私の常道です。笑)


「BLUE TRAIN」の録音風景です。

以前もお話ししましたが、私がJAZZを聴き始めたきっかけは、ブラス・ロックに興味津々の頃「もっといろんなトランペットの音を聴いてみたい」とジャズ喫茶に顔を出したのが始まりでした。(のちにこのジャズ喫茶でアルバイトをすることになるんですが)
中坊の分際でジャズ喫茶というのはいささか無理はあったものの(当時はまるで「不良の集まるところ」みたいな間違った認識がありました。実際は不良と呼ばれる連中の溜まり場は別にあったんですよ。)それは親に隠れて、時に受験勉強をダシに「図書館行ってくるから」なんて嘘をついて立ち寄っていました。

そしてすぐにコルトレーンとの出会いが、
衝撃的でした。「ヒビーン!」とか「ガーン!」とかそんな擬音じゃ表しきれないような感じ・・・・・・
ところが、不思議なもので初めての出会いが「TRAIN」だったのか「TRANE」だったのかよく覚えていないんです。
えっ?「なんじゃそりゃ」ってですか?
つまり、「BLUE TRAIN」だったのか「SOUL TRANE」だったのか、どちらかには違いないんですよねぇ・・・どっちだったんだろう?それは「SOUL TRANE」の表題曲のあの冒頭のソロだったようにも思うし、「SOUL TRANE」のバラード「THEME FOR ERNIE」だったようにも思うし・・・・・ほら、「初恋の相手は覚えていても、その出会いはかなり誇張された自分の妄想が加わっていて、忘れている部分が多い。」てな感じですよ。(こりゃまたなんじゃそりゃですね。)
ただし、「AT THE VILLAGE VANGUARD」でとどめを刺されたことは間違いありません。

あはは、これは笑い話ですが、聴き始めて間もないコルトレーンの命日(7月17日)に、「大好きなコルトレーンを聴きほうだいだ」とそのジャズ喫茶に行ったら、何だかとんでもない音楽が流れていて
「あのう、コルトレーンを聴きたいんですがぁ」
「これコルトレーン」当時バイトをしていたSちゃんの冷たい答え方、忘れられません。
かかっていたのが「OM」かなんかじゃなかったですかねぇ(笑)

話を戻しましょ、
「BLUE TRAIN」は、ブルーノートに残るコルトレーン唯一のリーダーアルバムであるとともに、ブルーノートの他に、プレスティッジ、リバーサイドという二大ジャズレーベルが協力という形で名を連ねるアルバムでもあり、「猫事件」など逸話を秘めたアルバムでもあります。
この件は以前「BLUE TRAIN」を紹介した時にチラッと書きましたのでそれを見ていただくこととして、今日は珍しく私なりのレビュー、いやそこまで行きませんね、レブーなどを一つ

何といってもこのアルバムの聴き所は一曲目の「BLUE TRAIN」そしてジェローム・カーンとジョニー・マーサーが作った曲「I'M OLD FASHIONED」この二曲だと思います。
「BLUE TRAIN」の出だしのソロパート、これぞ以降のコルトレーンを大いに想像させる演奏であり、約4分の間に磨き上げられるブルースは「心にこれほど突き刺さるブルースは他に無いのではないか」との思いさえいだかしてくれます。
また「I'M OLD FASHIONED」、彼のバラード表現の巧みさは、みなさんが最も聴きやすいと称すインパルスの「BALLADS」で気付くものではないということ、例えばこの2年ほど前に録音されたマイルスの「ROUND ABOUT MIDNIGHT」での表現と、この「I'M OLD FASHIONED」そして「BALLADS」の「SAY IT」を比較すれば、彼のバラード表現がいつ確立されていったのかが明白です。

6人編成でありながらこれほどまでにリーダーの存在を意識させられるアルバムはそうそう無いと私は思います。それはマイルスから学び取ったものなのか、それともモンクから学び取ったものなのかはわかりませんが、リズム隊は完全にコルトレーンに引っ張られているし、「トレーンにはどんなに速いテンポでもみごとに演奏してのける力があった。それにバラード・・・あの誰にも真似の出来ないプレイは、本当に心打つよ。でも、それだけじゃない。あのセッションが特別だったのは、スピリチュアルな雰囲気が漂っていたからなんだ。」と語ったカーティス・フラーもリー・モーガンもアンサンブルとしての存在が主で、ソロパートに関してはコルトレーンの圧倒的なパワー(いや、それがフラーの言うところのスピリチュアルなのかもしれませんけど)に屈している感があるからです。

今になって一つ不満を言うなら、「まとまり過ぎの良いアルバム」という点でしょうか。いやいやこれが悪いと言っているわけじゃありません。このアルバムはいかにもブルーノートらしいそこが魅力でもあるのですから。
ただ、真面目すぎるほど真っ直ぐに音楽と向き合うコルトレーンの魅力が、それゆえに止めどなく突き進むその都度都度の演奏にあるのだとすれば、やはりリズム隊と感化し合いながら、フラーではありませんが「スピリチュアルな雰囲気」を大いに膨らます演奏に終始して欲しいとの希望が私なりにはたらくのです。
それが、「OM」を聴かされても「あのう、コルトレーンを聴きたいんですがぁ」とは言わなくなった私の結論かもしれません。(笑)

いやいや長文です。コルトレーンの話になるとけっきょくこんなふうになってしまう、まさにこれぞバブ・レブーであります。これが私のスピリチュアルですよ。(笑)
ともかくブルー・トレインの終末に「BLUE TRAIN」を語ってみたと、まっそういうことで・・・・お後がよろしいようで(笑)

さて、今日の一枚は、「BLUE TRAIN」でいいじゃないかって話ですが、ニューポートのコルトレーンを選んでみました。といっても、コルトレーンの演奏は1曲のみ、当日持ち時間が30分しかなかったために、演奏したのが「ONE DOWN, ONE UP」と「MY FAVORITE THINGS」の二曲だけ、内このアルバムには「ONE DOWN, ONE UP」だけが収録されています。(「MY FAVORITE THINGS」はCDで収録盤有り)
どちらかといえば、アーチー・シェップのニュー・グループがメインと考えて良いアルバムです。

問題作「ASCENSION」収録4日後というスケジュールが、かなり疲れを感じさせますし、この時期のマッコイ・タイナー、エルビン・ジョーンズの心境がどれほどのものであったかとの不安も感じてしまいます。それでもそこはコルトレーンということで、信者としては無視することは出来ません。

この時期、コルトレーン自身は、二つのことを並行してやっていけると信じていたようです。つまり、従来のカルテットでの演奏と新たな方向へ突き進むためのメンバーによる演奏の二つです。しかし、私に言わせればコルトレーンという人はそれほど器用な人では無かったのだと思いますよ。
それは確実に従来のメンバー、マッコイ、エルビンにとって大きな重圧となったことは、周知の通りですし、ここでの演奏にもまさにそのあたりがかいま見える気がします。
てなこと言いながら、この月の最終週にパリのアンティーブ・ジャズ・フェスティバルでの「至上の愛」のライブ演奏を必至に探していた私なのですけどね。(笑)

ともかく、
そういった意味で、シェップとのカップリングというこのアルバムは、象徴的といえば象徴的なのではないでしょうか。

NEW THING AT NEWPORT / JOHN COLTRANE, ARCHIE SHEPP
1965年7月2日録音
JOHN COLTRANE(ts) McCOY TYNER(p) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds)[2]
ARCHIE SHEPP(ts) BOBBY HUTCHERSON(vib) BARRE PHILLIPS(b) JOE CHAMBERS(ds)[3~6]

1.INTRODUCTION - Father Noman O'Cornor
2.ONE DOWN, ONE UP
3.RUFUS
4.LE MATIN DES NOIRE
5.SKAG
6.CALL ME BY MY RIGHTFUL NAME


蟹と蛍、それにパイ?

2009年03月12日 | d-f

「バブさん、この前の日曜日、蟹食べてきましたよ、蟹」
とはN君。
腹が立ちますねぇ、というのも先日
「そういえば、今シーズンは、缶詰以外の蟹を食べてないかもしれない・・・・近くの漁港であれだけあがっていて、どうして俺の口には入らないだろうねぇ」
と、私が言っていたのを聞いていてそういうことを言うわけで
「なに?蟹?日曜日?何処で?何蟹喰ったのよ?」
的反応はまったくせずに無視しました。(笑)

するとN君
「バブさん、何で蛍には源氏と平家があるのに、には平家しかないんですかねぇ?あれ?それとも源氏蟹っているのかな?」
とトンチンカンな事を言い出しまして、
「けけけけけ、しょせんオヌシは、その程度の常識も知らずにおるわけだ、蟹を喰う資格もないね。」
とこれもまたトンチンカンなやっかみ返事をしたのでありました。(笑)
「じゃあ、バブさんは知ってるんですか?」
「およよ、バカにしちゃいけやせんぜぇ、知ってるも知らないも、常識中の常識だぁて言ってるじゃござんせんか。」

「そう、源九郎義経を大将とする源氏が、平宗盛率いる平家一門を長門の国、赤間ヶ関の壇ノ浦まで追い詰めたのは季節でいえばちょうど今ごろ、平家一門は、船の扱いなら源氏には負けぬとばかり、海戦で最後の抵抗をと、御歳八歳の安徳天皇とその母、建礼門院を奉じて船の上、ベベンベンベン」
「その話、長くなります?」
「だからだ、最後は知ってのとおり、平家一門は戦いに敗れて、安徳天皇もろとも海の藻屑と消えたわけだ。つまり、その平家の武将達の怨念が蟹になったのが平家蟹ってわけだぁね。仮に源九郎義経率いる源氏が海の藻屑となっていれば、源氏蟹だったかもしれないという。『一門は蟹と遊女に名を残す』ってぇわけよ。」
「なんで遊女が出てくんですか」
「だから、全員が入水はしたものの何人かは助かったわけよね、ところが男は生き残るわけにも行かず、女性は・・・つまりほら、宮中の生活みたいな事しかしたことのない人ばかりだから、生きて行くにも潰しがきかないわけだ。だから、身体を売って身を立てるしか方法が無かったという、可哀相なお話で。」


確かに平家蟹の甲羅は人の顔にも見えますよね

「ふ~~ん、じゃあ何で源氏は源氏で、平家蛍は平家何すか?」
(おいおい、今度は蛍かい?)
「あれはねぇ、厳密に言うとその源氏じゃないんだなぁ、ほら蛍だから光るジャン、光ると言えば『源氏物語』の光源氏、ねっ、こっから来たわけよ。ところが、平家蛍はこれまたへんな話なんだけど、源氏の対比で平家という名が付いちゃったんだねぇ」
「しかし、バブさん良く知ってますねぇ」
「うん、古今亭志ん朝の本を読んだから」(笑)
「ほんじゃ、源氏パイは何で源氏なんです?」
「源氏パイ??????」
これは、志ん朝の本にも書いちゃありません。
「何でだろうねぇ、形が義経の花押に似てるとか?????」
「花押って何すか?」
「ほら、サイン代わりに使ってた記号っいうか符号っていうか・・・いいよもう、どっちにしてもハート型の花押なんて無いだろうから」

いつの間にか「蟹を食べたい話」を忘れてしまいました。

ところで『源氏パイ』の名の由来ですが、しゃくにさわったので調べてみました。
なんと、発売になる翌年1966年(昭和41年)のNHKの大河ドラマが『源義経』だったので、「これにあやかって売れないかなぁ」って付けた名前だそうですよ。
昭和41年の『源義経』といえば、緒方拳が弁慶を演じたヤツですねぇ、もちろん私はほとんど記憶にありませんが、それにしても、未だ名も変えずに販売している『源氏パイ』、ある意味狙いが的中したんでしょうね。

さて、今日の一枚は、久しぶりですねぇマイルスです。ギル・エバンスとの共同作業盤の一枚ですね。

ギルとの共同作業盤は「BIRTH OF COOL」は別ものとして、例のマラソンセッションの後に「MILES AHEAD」、「MILESTONES」を挟んで今日のアルバム、そして「KIND OF BLUE」を挟んで「SKETCHES OF SPAIN」と、まさに私的には最も輝いたマイルスが「レギュラー・バンドの面々があまりに気を遣いすぎるもんで、逆に疲れちゃうんだぁ」ってギルにただ癒しを求めて行っただけみたいに思えて、
それとも「BIRTH OF COOL」のように「今やっていることは、ちと違うんだよなぁ俺的には・・・・ギルちゃん、ヒントちょうだいよ」てんで行ったというんでしょうか?
いずれにしても、ビッグ・バンドものをあまり得意としない私はビッグ・バンドとの共演はどうも苦手なんです。(笑)
しかも「PORGY AND BESS」といいながら、ガーシュインの原曲からはそうとう離れている感がありますよねぇ「SUMMERTIME」なんて、オリジナルメロは最初だけじゃありませんか。

さぁ、文句はボロボロ出てきます・・・・・とは言っても、これは高校生の頃のお話。
こんなんでよくO君というマイルス信者と論争しながら一晩飲み明かしたのですよ。(高校生がやっちゃいけません。)
いわゆる「かぶれの始まり」みたいな時期にはこんな事良くありませんでした?

最近は「MILES AHEAD」も「SKETCHES OF SPAIN」も今日のアルバムも、けっこう聴いたりしています。少なくとも電化マイルスの30倍は聴いてますね。(笑)
ロバータ・フラックはこのアルバムを聴いて「マイルスはまさに言葉を演奏している」と称したそうですが、私にも少しだけそれが分かってきたということなのでしょうかねぇ?

PORGY AND BESS / MILES DAVIS
1958年7月22,29日, 8月4,18日録音
MILES DAVIS(tp,flh) GIL EVANS(arr,cond) and Orchestra

1.THE BUZZARD SONG
2.BESS, YOU IS MY WOMAN NOW
3.GONE
4.GONE, GONE, GONE
5.SUMMERTIME
6.BESS, OH WHERE'S MY BESS
7.PRAYER
8.FISHERMEN, STRAWBERRY AND DEVIL CRAB
9.MY MAN'S GONE NOW
10.IT AIN'T NECESSARILY SO
11.HERE COME DE HONEY MAN
12.I LOVE YOU, PORGY
13.THERE'S A BOAT THAT'S LEAVING SOON FOR NEW YORK


羨ましいぞ「アヒルラジオ」

2009年03月10日 | j-l

朝方まで降っていた雨も上がり、綺麗な青空が拡がりました。が、花粉もバンバン飛んでいるようで、昔よりかなり症状が軽くなった私でもティッシュペーパーは手放せません。

晴れやかな天気につきまとう花粉よりさらに気分が悪いのは、最近の新聞・ニュースの話題ですねぇ、呆れて鼻水すら出てきません。
かたや党首の秘書逮捕に揺れる民主党、かたや敵失への便乗かなわぬ与党、ま、酔っぱらい大臣や健忘症の官房副長官までいらっしゃる(いらした)政府与党が、敵失からの支持アップを期待する方が間違っていますがね。
ともかく、「下心有りの裏献金なんて誰でももらってんだろ」くらいにしか思わない私には、今、そんなことをゴチャゴチャやってる暇は無いと思えるわけで、早く景気対策を進めて欲しいと願っております。
「景気対策に重要なのはスピード」とおっしゃっていたあのお言葉も、おそらくは「記憶に無い」のでありましょう。
さらには、昨晩の「侍ジャパンの惜敗」益々新聞を読みたくなくなってしまいました。(笑)

それでも不思議なもんですねぇ、日本が負けたと知りつつも、昨晩12時過ぎに帰宅した私は、何処かでスポーツニュースをやっていないかとテレビを見てしまったんです。
すると、かの『篤姫』が出演されている某保険会社のCM「アヒルラジオ」ってヤツを始めて見ることに(最近、テレビはほとんど見ないし、見てもCMは避けるようにしていますから)
 ♪ ここはとあるアヒル町 若い二人おりました
   古い家の古い部屋 古い庭にザクロの木
   好きなものはクロワッサン 嫌いなのは北京ダック
   二人いつか憧れの パリに行くのを夢見てる
   クェクェクェ クワァクワァクワァ アヒルのワルツ ♪
あのBGMは使われてないんですねぇ・・・って、そうじゃなくて、

途中画面に出てきたオルトフォンのカートリッジ、あれですあれ、あれがどうにも懐かしくて懐かしくて。
というのも、私が高校時代にアルバイトをしていたジャズ喫茶のカートリッジがオルトフォンだったのであります。いわゆるMC型というヤツで、たしかSPU-GTだったと思います。

CMに登場しているのがSPU-GTなのかどうかは、オーディオマニアでもない私には定かではありませんが、形状はまさにあの形。
黒くてごついくせになんとも言えない柔らかな曲線を持つ魅力的なボディ、それにピッタリのこれまた優雅な曲線をおびだ持ち手(あの指をかけるところを何というか知らないんです。笑)、私はあれに何百回、いや何千回?何万回?(まさか)この太くて短い指を添えたことか・・・・
私にとってはある種憧れの勇姿なのであります。

「音を拾うところはオルトフォン、最後に音が出てくるところはJBL」
もちろん間がどうでもいいということではありませんが、私がいだいたかなわぬ夢のまさにその最初に位置するカートリッジなのでありますよ。

今の我がオーディオにオルトフォンのSPU-GTを取り付けたところで、まったくしょうもないわけですけど、何気に「いくらぐらいするのかなぁ」なんてネットで調べたら、5万~10万くらい?Yhooオークションですら3万7千円・・・・・・たしかMC型ゆえの定めですが、針の交換だって一回ウン万という金額がかかったような?????
まっ、しょせん私ごときに手を出せる代物ではありませんし、もっと勉強してオーディオマニアなんかになっちまった日にゃ(失礼、オーディオマニアの方を否定しているわけではありませんよ。)家すら失いかねないですからね。(笑)

それでもやっぱり「羨ましいぞ『アヒルラジオ』」

さて、今日の一枚は、北欧の歌姫、カーリン・クローグです。
とはいうものの、私がこの盤を持っている最大の理由は、デクスター・ゴードン、ケニー・ドリュー、ニールス・ペデルセンというこの三者にあるわけですけど(笑)

それはさておき、何処かネチョっていう粘りのあるカーリンのボーカルは独特ですねぇ、「BLUE MONK」なんか糸引くように「ミャア、ミャア」言ってます。
これってどうなんでしょう?ボーカルに疎い私はよく分かりませんが「この歌い方にはかなり好き嫌いがあるんじゃないか」なんて思うんですけど?

え、私はどうかって?
私は嫌いじゃありませんよ。なんていうかなぁ「場末のバーのカウンターでいい感じに酔っぱらったいい女」みたいな感じ
ちょっと見はSっぽい女性なんだけど、本当は無茶苦茶な甘えん坊で
「あんた一杯おごりなさいよぉ」
って、ちょっと良いじゃありませんか。(なんじゃそりゃ)

それと、ペデルセンのベース、釈に障りますが良いですねぇ、もちろんドリュー、ゴードンとっさぁん二人もしかりです。

BLUES AND BALLADS / KARIN KROG
1970年5月10日
KARIN KROG(vo) DEXTER GORDON(ts) KENNY DREW(p) NIELS-HENNING φRSTED PEDERSEN(b) ESPEN RUD(ds)

1.SOME OTHER SPRING
2.BLUE MONK
3.HOW INSENSITIVE
4.BLUES EYES
5.JELLY JELLY
6.TRIBUTE TO JIMMY SCOTT
7.SHINY STOCKINGS