願榮寺 福峯だより ブログ版

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11月の御文

2021年10月29日 | お寺のこと

11月の月忌参りの際に拝読させていただく御文は次のとおりです。

 意味をある程度思い浮かべながらお聴きいただくと、趣きもより深く味わえると思います。

 

  11月 拝読  「聖人一流」の御文 (第五帖 第十通)

 【原 文】

  聖人一流の御勧化(ごかんけ)のおもむきは、信心をもって本(ほん)とせられ候(そうろう)。そのゆえは、もろもろの雑行(ぞうぎょう)をなげすてて、一心に弥陀に帰命(きみょう)すれば、不可思議の願力として、仏(ぶつ)のかたより往生は治定(じじょう)せしめたまう。そのくらいを「一念発起(いちねんほっき) 入正定之聚(にゅうしょうじょうしじゅ)」とも釈(しゃく)し、そのうえの称名念仏(しょうみょうねんぶつ)は、如来わが往生をさだめたまいし、御恩報尽(ごおんほうじん)の念仏と、こころうべきなり。あなかしこ、あなかしこ。

 

 【現代語訳】

  聖人一流の御勧化(ごかんけ)の趣意は、信心を根本とされております。そのわけは、様々な雑行(ぞうぎょう)を投げ捨てて、一心に阿弥陀如来に帰命(きみょう)すれば、不可思議の願力のおはたらきによって、仏の方より衆生の往生を定めてくださるからです。その位(くらい)を「一念発起(いちねんほっき) 入正定之聚(にゅうしょうじょうしじゅ)」(『浄土論註』意)とも釈します。そのうえの称名念仏は、如来が我が身の往生を定めてくださった御恩に報ずるための念仏であると心得るべきでありましょう。あなかしこ、あなかしこ(= 敬って申し上げます)。