goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

涼やかなり

2009年07月29日 | 09 花たち


出会いのときの予感通り、ここに来てセイヨウニンジンボクを庭先に植えているお宅が増えているのを実感するようになりました。
花の少ない時期ですので、紫の花色は清涼感を運んでくれます。
中休みしながらですが、花期も長いですしね、ありがたい花です。

それに比べると、セイヨウのつかないニンジンボクには、なかなかお目にかかれません。

goro’s 花 Diaryでは、ニンジンボクは同じ固体のものを過去に2度紹介しています。
ただ、2回とも花時期を逸してまして、あまりいい状態のものではありませんでした。

3年前に、「ニンジンボク」とのプレートをぶら下げたこちらの木と出会っていました。

提げられたプレートを見て、頭をひねるような思いもありましたし、何より花時期のタイミングがずれたこともあり、紹介出来ないままになっていました。

今年は開花の時期を見ることが出来ましたので、お披露目いたします。


【ニンジンボク・人参木】クマツヅラ科ハマゴウ属

なんとも涼やかな風情です。
花と葉のバランスが、いいですね。

中国原産の落葉低木(1~3m)で、日本には薬用植物として享保年間(1716~35年)に渡来しました。

果実(牡荊子:ボケイシ)や根の汁液を薬として用い、感冒や去痰に用いたとされた記載がある。
根を切って火にあぶったときに出てくる汁を集めて去痰に用いられていた。


耐寒性もあり乾燥にも強く、痩せ地でも生育可能と言われています。

10~30cmほどの円錐形の花序に、1㎝ほどの紫の小さな花をつけます。
5枚の花びらに見えますが、元では繋がっているひとつの花冠です。
3裂している下唇の中片は幅広で長く、よく見ると紫と白とのツートンカラーです。

セイヨウニンジンボクを見ていただきましょうかね。


【セイヨウニンジンボク・西洋人参木】

花序の花付きはこちらのほうが圧倒的に密です。
花冠の形も違いますし、大きくて、花色も濃い紫一色です。


この葉っぱが曲者なんですけどね。

今回紹介しているニンジンボクの葉っぱです。
プレートを見て頭をひねったのは、こちらの葉っぱです。

何故頭をひねったのか、過去記事でニンジンボクの葉っぱだと紹介しているものを再掲いたします。

全然違うでしょう?切れ込みが深いですよね。
おじさんは特徴的なこの葉っぱこそが、ニンジンボクだと認識していたんですよ。

このふたつが、同じニンジンボクとは思えないような違いです。
違い過ぎますよ。

ニンジンボクと紹介されているを検索画像で見ると、この形の葉っぱのものが多いんだけど、そうでもないものもあるんだよな。

そもそも「ニンジンボク・人参木」の名称は、葉が朝鮮人参の葉っぱに似ていることに由来します。
チョウセンニンジンの葉と言われてもピンときません。
こちらでご覧になってください。
リンク画像を見る限りでは、チョウセンニンジンの葉は、こんなに深く裂けていません。
どちらかと言うと、今回出会った葉のほうが似ています。

「ニンジンボクは鋸歯有り」と書かれているサイトがほとんどですが、今回出会ったものには鋸歯がみられません。
「粗い鋸歯があるがまれに目立たない」とか、「葉には変化が多い」との記述もみられます。

【鋸歯】
植物の葉や花弁の縁にある鋸(ノコギリ)の歯のようなぎざぎざの切り込み(goo辞書より)

こちらはセイヨウニンジンボクの葉っぱですが、スマートだし鋸歯も見られないし、明らかに上のふたつとの違いが判りますよね。
ただセイヨウニンジンボクの葉っぱも、変化が多いんだそうです。
この画像のような形が、必ずしもスタンダードということでもなさそうです。

こんな事情がありまして、情報が錯綜しています。
調べれば調べるほど、ニンジンボクとは何者なんだと、ドツボに嵌ってしまいます。

今回紹介しているのはセイヨウニンジンボクでは無いことは判りますが、ならばニンジンボクでいいのかというと、それもまた判りません。

インドから中国の南部に分布する「タイワンニンジンボク・台湾人参木」なるものが存在します。
こちらは5~8mになる落葉小高木、ニンジンボクやセイヨウニンジンボクより大きくなります。
「葉の縁は全縁またはわずかに鋸歯がある」とのことなんですけどね。

今回出会った「ニンジンボク」は5mほどありましたのでね、ひょっとしたら「タイワンニンジンボク」かもしれません。

さあ、どうする?

くだくだと重箱の隅をつつくようなことを記してまいりましたが、結論はいつもながらの方式でいきましょうかね。

ニンジンボクニンジンボク~~

それ以下でも、それ以上でもない!

蒸し蒸しとしたこの時期に、涼やかな風を届けてくれるニンジンボク~~♪

これで決まりだ。


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ロッキーママ)
2009-07-29 08:21:45
わぁ~、涼しげな花ですね!
まだ見た事は無いと思います。
そんなに複雑な花なんですか。
本で調べたら、枝先の小葉に鋸歯を持つと書いてありましたが、考えるだけ判らなくなりますので、ニンジンボクはニンジンボク~で良いですね。

でも花が可愛いです。
セイヨウニンジンボクは華やかですが、ニンジンボクは爽やかですね。
近場を探して見ますね!
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ニンジンボク~ (ポージィ)
2009-07-29 10:06:45
いいですね~ この涼やかさ。
悟郎さんのフィールドではやっぱり増えてきていますか。

うちの近くでは2ヶ所でセイヨウニンジンボクを見ることができますが、
ニンジンボクにはお目にかかったことありません。

セイヨウニンジンボクも花が密な割にこの色のおかげで
爽やかに見えますが、ニンジンボクを見ると、そっちのほうが
さらにさらに爽やかですね。遠目にはセイヨウニンジンボク、
すぐ近くではニンジンボクを見たい、そんな気もしました。

でも… なになに?そんなに複雑なんですか?
区別するのやーめた!ニンジンボクはニンジンボク~ でいきます。
返信する
頭が、 (noodles3)
2009-07-29 15:18:46
ぐるぐるしてきます。。
確かに僕も撮っているお馴染みのセイヨウさんと、今回のゴローさんのニンジンボクでは、花の様子はかなり違いますね。
でも、この葉はまたえらい違いですね。。。
この切れ込みと楕円のスッキリした葉は、同一種とは思えないものがあります。

まあ、僕もあまり深く考えないことにしますか(笑)。。。
返信する
Unknown (smoketree)
2009-07-29 23:16:49
西洋ニンジンボクは、2本植えています。
でも、ニンジンボクは知りませんでした・・・・
ひっそりといい感じですね。
園芸種じゃないのですね(?)
なんだか、よくわかりませんがみなさんのコメント
読んでわかったふりしておきます・・・

私が、この木を植えたのは中之島の中央公会堂の植栽に使われていてローズマリーや斑入りツワブキ、マートルといっしょに植えられているのがすごく素敵だったんですよ!
この木は、白(薄いピンク)のも植えてありました。

前の記事のメハジキ、リンクさせていただきました。
いつも、すみません!
返信する
コメントありがとうございます! (goro’s)
2009-07-30 00:52:03
★ロッキーママさん

清涼感が漂ってきますよね。
セイヨウのほうは増えているのを実感していますが、ニンジンボクはあまり見かけません。
葉っぱの変化が大きくて、固体によって形が違うようです。
まあ、セイヨウも含めて、ニンジンボクでいいんじゃありませんかね。

遠目だと地味に見えるかもしれませんが、よく見ると可愛い花です。
セイヨウの華やかさも素敵ですが、ニンジンボクの爽やかさは、この時期にぴったりです。
探してみてください~~

★ポージィさん

いいでしょう、この涼やかな雰囲気~~♪
セイヨウは、ここにきて明らかに増えています。
個人宅で見かけることが多くなっていますね。
花時期、花色、樹形などが、評価されているんでしょうか。
ニンジンボクは、あまり見かけませんね。
販売はされているようですけどね。

好みはそれぞれでしょうが、このニンジンボクを見たせいで、セイヨウのほうを暑苦しく思ってしまいます(笑)。
こちらは5mと大きかったので、遠目からでも爽やかでしたよ。
セイヨウは、ここまで大きくはならないんでしょうね。
私が見ているのは、ほとん1,5~2mくらいの大きさです。

そうなんです、セイヨウが付こうが付くまいが、どちらも葉っぱの変化が大きいんだそうです。
そうですよね、ニンジンボクはニンジンボク~ 小さい声でセイヨウさんって言ってれば、いいですよね(笑)。

★noodlesさん

明らかに、セイヨウとは花の大きさも形も花色も違います。
これははっきりしています。
ただ葉っぱとなると、もうグルグルです(笑)。
ねぇ、まったく違う植物のようでしょう?
同一種でここまで変化があると、もう判りません(笑)。

ニンジンボクで一括り~~
それでいいんじゃありませんかね。

★smoketreeさん

セイヨウニンジンボクを植えていらっしゃるんですね。
5年前に初めてみたとき、この花の少ない時期に、こんなに爽やかな花を咲かせるんだからもっと増えるだろうって予感していたんですが、ここにきて明らかに見かける機会が多くなってきました。
花の様子は、ニンジンボクとセイヨウさんとでは違いますよね。
爽やかさは、ニンジンボクのほうに軍配があがります。
中国原産だそうですから、園芸種では無いでしょう。セイヨウさんより早くにやってきていますので。
葉っぱの変化云々は、忘れていいでしょう(笑)。

セイヨウニンジンボクをうまく配置している庭って、素敵でしょうね。
花が咲いていないときでも、この葉っぱには魅力がありますよね。
白花があるのは情報としては知っていますが、見たことはありません。
憧れの花リストに記載します~~(笑)。

メハジキへのリンク、ありがとうございます。
こちらこそ、よろしくです(笑)。
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