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早とちり

例えばこんな問題があったとしましょうか。


次の説明に合う建物の名前を答えなさい。


河口部のデルタ地帯に建造された城でしたが、1945年8月6日にアメリカ軍によって落とされた一発の爆弾で壊されてしまいました。現在は、戦後になってから復元された天守閣の姿をみることができます。


この問題、多くの子が「原爆ドーム」と答えるのです。

え、そうじゃないの?

いえ、いえ、良く読んでみてください。城です。最後には天守閣と書いてある。したがって広島城が正解なんです。

これは実はある入試問題の一部で、13問ぐらい並んでいる中の一問ですから、さらに間違える子が増えるのです。

急ぎの虫とはこういうことです。

ここまで受験勉強が進んでいる子は、ぱっと読める。何が目に入っているか? 「1945年8月6日」、「アメリカ軍」です。原爆だ、原爆ドームだ。もういったん答えが出てしまっている。後ろは読まずともわかる。

で答えを書く。

そして、見事に間違える。

出題した先生の笑みが目に浮かぶようです。

多くの読み飛ばし、というのは、実ははかられている部分がある。

「こう書けば、きっと読み飛ばすに違いない。そして間違えるだろうなあ。」

親切な気持ちで問題を作ることはあり得ません。だって、差をつけるのが入試なんだから。差がつかない入試問題を作ったら、きっと入試担当の教頭先生に皮肉を言われるに決まっている。

「それじゃあ、だれができるかわからんでしょ!?」って。

だから、今頃、先生たちは考えているでしょう。どうやって差をつけるか。

これからはこういうミスをどう減らしているか、という練習をしなければなりません。

子どもたちは疑い深くはない。

「なんだ、簡単じゃん。」

で、進んでしまう。そんな簡単な問題がでるはずがない、とは疑わない。

模擬試験で、ぜひ痛い目に会ってください。

それでいいのです。多少なりとも「やられた!」と思う経験は大事なのです。

それでも、やはり急ぎの虫は出てくる。

「ちょっと、待て。これは早とちりか?」

と自分を疑えるようになると、「できる子」になっていくのです。


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