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自分から勉強しない子


この期に及んで、まだ「勉強しなさい!」と言わないと勉強しない子、少なくないでしょう。

なぜ自分から勉強しないのか?ということになれば、いくつか理由は思い浮かびます。

1 おもしろくない

例えば、ゲームや漫画、テレビを見る、などといったことに比べて子どもたちは勉強がおもしろくない、と思っているでしょう。

では勉強は本当におもしろくないのか? おもしろさはあるはずです。特に難しい問題が解けたとか、以前、できなかった問題ができるようになったとか、そういう場合はまず満足感は得られているでしょう。

しかしながら、それが多くはない。むしろ、その逆で「できない」「わからない」ということが多くなると、当然勉強はおもしろくなくなる。

なので、ここをまず解決していかないといけない。

できるようになっている、わかるようになっている、ということを体感しないといけないわけです。そのためには、やはり褒められる経験が必要になる。例えば100点満点の試験で50点だった。当然、あまりほめられないかもしれない。しかし、例えば先生が「この前はこの問題ができなかった。でもできるようになったじゃないか。すごいなあ。」と言ってくれれば、その50点も「わかるようになっている」と体感できるものになりうるわけです。

普通は50点ではほめられないだろうが、もっと細かく見て褒めてあげる人がいれば、子どもたちが「わからない」に挑戦する姿勢は変わる可能性が高くなります。


2 すぐ「勉強しろ」と言われるから

これも、子どもたちが良く口にする理由です。勉強しないから、勉強しろと言われる、とは思わない。単に「うるさいなあ」と感じられるから、かえって反抗心が湧く。ではどうして反抗心が出てくるのか。そこは自分で決められないからでしょう。

当然、やるべき優先順位があるはずなのだが、子どもの「やりたい優先順位」は違います。だから、その優先順位を決める自由を奪われた気になってしまう。ではどうすれば、いいか。一番はお父さん、お母さんがいっしょに勉強するのがいいと思うのです。

別に教える必要はないが、いっしょに机について、そして横でやることを見ている。そのときにほめる、を実行することです。とくにとっかかりが一番、難しい。最初の問題でうまくいかないと、なかなか乗らない。だから少しやさしい問題から始めたり、できることを確認することからスタートする。そして褒める。褒められて、気分を害す子はいません。そして少しずつ、やり始めていけば、だんだん調子が乗ってくる。わかれば、うれしい。解ければ、褒めてもらえるから、もっとうれしい。

そういう時間をどのくらい持てるか、にかかっています。


実は、自分で勉強することは、かなり難しいことだと思います。例えば自分で朝起きる、自分の洗濯物を自分で片づける、等、本来そろそろ自立のスタートとして自分のことは自分でやる、ということができて、はじめて「自分で勉強する」ということが可能になるものなのです。

しかし、今の子どもたちは、いろいろなことをお父さん、お母さんにしてもらっている。だから自分でするという経験も少ないし、達成感もない。ただ勉強は自分でしないと、できるようにならないから、お父さん、お母さんは「勉強しろ」と言います。しかし、むしろ他のもっとできそうなことこそ、自分でやらせて、勉強はいっしょに手伝ってあげるべきなのです。

そうすることで、だんだんコツがわかってくれば、自分でできる環境は整います。ただ、ここで安心してはいけない。つまり、それを継続する動機が必要になるのです。

私が早く第一志望を決めた方が良いとお話をしているのは、このためです。そうやって自分で勉強するコツがわかり始めたら、今の勉強はこの学校に入るためにやるんだ、ということを明確に示してあげる必要があります。例えば塾のクラス分けテストで~クラスに入るため、というのは実は子どもたちにはあまり大きな動機にはならない。

だって、そうでなくでも別に大きな問題ではないからです。しかし、学校に入る、ということはそこでの生活がもし子どもたちにとって楽しいものである、と思えるのであれば、「これはぜひそうなりたい」と思うから、コツさえつかんでいれば、自分から勉強をするようになるのです。

ステップとしては

1 親がいっしょに勉強して勉強する習慣をつける

2 いっしょに勉強する間は、とにかく褒めることを多くする。もちろん注意してもいいが、その割合は決してほめることを超えてはいけません。

3 ある程度、習慣ができてきたら、次に志望校を決める。

4 志望校に入ると、こんないいことがある、こんな楽しいことがある、というのを説明してあげてください。それが子どもたちにとって実現したいことになることが大事です。

5 志望校への合格が本人にとってもぜひ達成したい、ということにれば、あとは具体的に何をして合格までいくか、道筋を決めていく。これだけやれば、合格できるぞ、と導くのです。

本人がその気になれば、あとはがんばってくれるでしょう。

こんなに手間暇がかかるのこと? その通り。だから小学生の受験は大変なのです。中学生や高校生であれば、多くのことを自分でできるようになっているので、そこまで手間暇はかかりません。が、逆に自分で決めることが多いから、本人が本気になるまで時間はかかるでしょう。

しかし、中学受験はお父さん、お母さんがかかわっていきやすいので、以上のようなステップを踏んでみられると、多少なりとも変化が生まれてくるのではないかと思います。

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