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本当に効率が良いのだろうか。

中学受験のやり方もこの数十年、ずいぶん変わってきました。

最初はテキストとか、問題集もそう多くはなかった。多くの子どもたちが塾に行くこともなく、テスト会に参加したり、家庭教師を頼んだりして受験対策をしていたものが、やがてテスト会にもテキストができ、そのテキストを教えるための塾ができ、と進んできました。今はテスト会よりも塾内でのテストの方が中心になったので、以前よりも全体の集団の中での位置をつかむのが難しくなりました。

さらに個別指導ができ、学校別の指導が細分化されてきたわけですが、例えばテスト会のころに比べて本当に効率化されたのだろうか、と思うことがあります。

この間に塾間の囲い込みの競争が続き、塾のシラバスは確かに高度化したものの、あれも、これもと詰め込みすぎるようになった。また公平性を保ちたいがために、すべての子どもたちに同じ教材を配るようになって、逆に「やらなければいけない」問題は増えていきました。

そして組み分けテスト。

今は席順までテストで決めます。その分、教室は大きくできない。あまり大きくすると、後ろの子は何もできなくなってしまう。でも、その分先生の数はたくさんいるようになった。

しかし、その先生もカリキュラムを統一し、授業進行を同じにすれば研修は比較的容易になったから、昔ほどたくさんのプロを必要としなくなった面はあるでしょう。

そうなると動画でもいいか、という議論はあるわけですが、いずれにしてもこれまでの過程は「塾の経営が効率化」されていることに重きが置かれていて、子どもたちの勉強の効率化が本当にはかられているかといえば、そうではないのです。

むしろテスト会のときの方が、子どもたちには自由があったし、それ相応に対策を立て、また結果も明確にわかったところがある。しかし、テスト会は週1回のために大量の会場を用意しなければならないわけで、実は塾側にとって不合理だったのです。

子どもたちの利便性が塾の利便性に置き換わってしまった部分が否定できない以上、家庭が中心となって子どもを非効率な勉強から守らないといけなくなっているのではないだろうかと思います。


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