「耐震診断」は信頼できるのか?-補足・・・・今井町・高木家の地震履歴

2007-10-17 18:40:28 | 地震への対し方:対震
 今井町・高木家が遭ったと思われる大きな地震を、その建った頃から最近まで、「理科年表(2006年版)」(丸善刊)で調べてみた。

 高木家は、天保年間(1830~1843年)に醸造業を営む本家から分家しているので、その頃に建物が建てられたと推定されている。そして、嘉永7年=安政元年(1854年)に醤油屋を開業しているから、どんなに遅くとも、その時には既に建っていた。

以下、発生年月日、被災地、マグニチュード、被災状況の順で記載。
・・・・
〇1854年 7月 9日(安政 1年) 伊賀・伊勢・大和一帯
               M7.2 奈良で潰家700戸 
〇1854年12月23日(安政 1年) 東海・東山・南海諸道
               M8.4:安政東海地震
〇1854年12月24日(安政 1年) 畿内・東海・東山・北陸・南海・山陽
               M8.4:安政南海地震(前記東海地震の32時間後)

  註 上記安政期の三つの大地震に遭ったかどうかは建設時期によるが、
    おそらく遭ったと考えてよいだろう。

〇1891年10月28日(明治24年) 岐阜県西部 仙台以南で有感
               M8.0:濃尾地震
               内陸地震で最大、全壊14万余 
〇1899年 3月 7日(明治32年) 三重県南部
               M7.0 大阪・奈良で煉瓦煙突被害多数
〇1936年 2月21日(昭和11年) 奈良県北部
               M6.4:河内大和地震
〇1944年12月 7日(昭和19年) 紀伊半島南東沖
               M7.9:東南海地震 
               静岡、愛知、三重などで全壊17599戸など
〇1945年 1月13日(昭和20年) 三河湾
               M6.8:三河地震
〇1946年12月21日(昭和21年) 紀伊半島南方沖
               M8.0:南海地震 
               中部以西各地で全壊11591戸
〇1948年 6月15日(昭和23年) 紀伊水道南部
               M6.7
〇1952年 7月18日(昭和27年) 奈良県北部
               M6.7:吉野地震
〇1995年 1月17日(平成 7年) 兵庫県南部
               M7.3:平成7年兵庫県南部地震
               通称:阪神・淡路大震災 

 高木家は、建設後、このように何回も大きな地震に見舞われていることが分る。
 当然、この地域の人たちは、昔から何度も大きな地震を経験しており、建物の「対地震策」についても十分検討がなされていた、と考えてよい。

 何度も触れてきたが、日本では、世のなかに「近代的学者」が誕生する以前から、地震は頻繁に起きていたのであり、人びとが「対震」について(「近代的学者」よりも)優れた知見を有していたことは、あらためて言うまでもあるまい。

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