風景・環境との対し方-3 の補足・・・・「大内宿」

2007-06-22 16:52:17 | 居住環境
 
 『図集 日本都市史』(東京大学出版会 1993年)に大内宿の配置図と建物の一例が載っていたので、転載。
 あわせて大内の位置図を「日本地図帳」(平凡社 1985年)から転載。

  註 参考出版物
    「大内宿 福島県文化財調査報告書28」(福島県教育委員会 1971年)
    「大内の町並 伝建群保存基本計画書」(下郷町教育委員会 1981年)

 宿場全体は17世紀半ばの整備。
 旧来の道およそ170間を直線状に改め、両側にそれぞれ20余の間口約7間半の短冊様の屋敷地を区画し、宿所・住居を構えさせた。
 道には両側に用水が通っているが、当初は、街道の中央に一本だけだった、という説もある(昨日の右側の写真が用水堀の様子)。

 建物は宿所と住居を兼ね、短手が梁行。
 現在建っている建物は、おおむね18世紀中頃の建設で、梁行4~4.5間、桁行11間の例もある。

 上の図面の建物は、街道の東側(配置図では下の並び)の例。
 左手の縁が街道に面し、ウワザシキ、シタザシキが宿所用。ウワユルエ(カッテ)、ヘヤ、ニワが居住用、ナカノマは宿所と住居部分とのつなぎ。二階は、宿所にあてられたか?

 各建物は、いずれも、妻側(短手)を壁面線をそろえて街道側に寄せ、建物の北側:背面にあたる:を敷地の境界に沿わせる。
 その結果、建物は長手が南に面することになり縁がまわる。
 その南側の隣地との間が建物へのアプローチとなる。
 敷地奥には、蔵や物置、菜園などが並ぶ。
 この配置は、他の町家でもほとんど同じである。

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