もう大分前の初版だが、「草思社」から「日本人はどのように建造物をつくってきたか」というシリーズが刊行されている。
その第一巻が『法隆寺:世界最古の木造建築』である(1980年10月初版)。
著者は、西岡常一、宮上茂隆、挿図は穂積和夫。
西岡氏は奈良・法隆寺大工棟梁、宮上氏は建築史家(故人)。穂積氏は松田平田設計事務所を経たフリーのイラストレーター。
敷地の選定、材料の収集、施工法、道具、寸法・・・など、建物をつくることにかかわるおよそすべてについて、分かりやすく、解説している。しかも間違いのない内容。読者想定は、小学校6年以上対象、とのこと。
「建築史」は、とかく《向う側の話》《もう済んだ話》・・にされているのが現状だが、この書を読むと、「設計とは何か、何を考えることか・・」などと反省を迫られるのではないかと思う。なぜなら、今、「設計」は「見てくれ」だけに陥っているように見えるからだ。
上掲の図は、その中から、昨日紹介の部位の説明の部分。