近江八幡・・・・その町並と旧・西川家-3

2007-07-02 17:18:42 | 建物づくり一般

 梁行・桁行の断面図を転載。キープランとして、初回掲載の平面図を再掲。

 図は「西川家修理工事報告書」より転載、室名を加筆、寸法を読みやすいように大きくした。

 「日本の建築技術」でも見てきたように、この町場の建物も、下階と上階の柱通り(間仕切通り)は極力一致させ、通し柱を多用し、柱相互を梁・桁など横架材と、貫、差物で極力何段にも縫うことに努めている(最近の軸組工法の木造建物とは、大違いである)。なお、「差鴨居」と現行の「胴差」様の差物の扱いが、任意に用いられているのが分る。

 解体修理に行われた調査によると、西川家の架構には、18世紀初頭の建設にもかかわらず、架構上の致命的な問題は、何ら生じてはいない。
 つまり、この架構方式=近世までに体系化していた日本の建築技術は、十分に機能していた、と考えてよい。

 なぜ、このような技術体系が、建築基準法制定に際して無視されたのか、これは日本の近代技術史の問題として、とり上げてしかるべき問題なのではなかろうか。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 近江八幡・・・・その町並と... | トップ | 近江八幡・・・・その町並と... »
最新の画像もっと見る

建物づくり一般」カテゴリの最新記事