設計図で何を示すか・補足

2008-02-23 22:28:14 | 設計法

先回、「建地割図」では、半分を断面、半分を立面とする図があることを紹介した。その一例として、「善光寺如来堂」:長野市の善光寺の本堂:の建地割図と指図を、「古図にみる日本の建築」から転載させていただいた。

善光寺は、たびたび火災に遭っていて、この図は宝永4年(1707年)の再建時のもの。設計は幕府の作事方の甲良宗賀。図にはその署名が見える。

この図で分ることは、「立面」が、構造的な裏付けの下にできている、更に言えば、建物の形体、空間の形状は、構造・架構と切っても切れない関係にある、ということ。
構造的に意味があり、なおかつ結果が、つまりできあがったときの見栄えもよいこと、そうなるために工人は苦労を重ねる。
おそらくこれが「設計」という作業・営為の本来の姿なのではないだろうか。

前掲書には、どのようにつくるか考え抜いた「建物をつくる上で役に立つ図面」が、この他にも多数集められている。


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