私は63歳の開業医だが15年前までやっていた勤務医は確かに激務である。私の若かった頃も容体の悪い患者さんがいるときは遅くまで病院にいなければならなかったし(重症の急性膵炎で1週間病院に寝泊まりしたこともあった)、患者さんはいつ何時容体が変わるかわからず、夜間、休日の呼び出しは普通だったし、休日も容体の悪い患者さんの血液検査をして診なければいけなかった。また当直明けの日も通常通りの仕事をするのがあたりまえであった。だがその頃は、医師は仕事の性質上、9時-5時で終わる仕事でなく、上記のような時間外労働分を含めて給料が高いという認識であったので、時間外手当を要求するということは全く考えなかったし、そもそも時間外手当というものもなかった。おそらく当時は時間外手当を支給する病院はほとんどなかったと思う。それが近年、勤務医の労働環境の改善がいわれるようになってきて、他の業種と同様に時間外労働時間の制限や、当直明けは休日とするようになってきたのだ。
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