教育の広場、第99号、学校選択制の大メリット
朝日新聞の連載記事「転機の教育」は(2002年)10月14日は「学
校選択制」と題されていました。東京の品川区でこれが取り入れら
れていることはテレビでも放映され、かなり知られていると思いま
す。
その記事によりますと、今年、品川区の或る中学校では学区内の
該当者が50人いたのに実際の新入生は9人だったそうです。昨年の
秋、進学先を選ぶ頃、「あの学校は荒れている」という噂が飛び交
ったためだと書かれています。
教育長は「『荒れ』は校長に指導力がなかったことの表れ」とし
て、今春、実績のある校長に替えたそうです。その結果、来春は対
象者50人の内、48人がこの学校を希望しているそうです。
つまりここでは事実上、校長に対する評価が行われているのです
。これが当然だと思います。「学校教育は個々の教師が行うもので
はなくて、校長を中心とする教師集団の行うものである」という定
式化まではなされていませんが、事実上実行されているのです。
大阪府で教員の評価をすることにしたということに関して朝日新
聞の声欄でも議論がありました。会社員の「当然」だという意見に
対して、教員からの反論がありました。その反論は、例によって、
2点になります。教員の仕事は評価になじまないということと、
「私はこのようにしている」ということです。
世の中では「なじまない」事でも評価せざるをえないし実際に評
価が行われていることに関する無知。生徒に成績をつけるという
「なじまない」ことをしているのに、教師の評価だけは「なじまな
い」といって否定する自己矛盾。採用時には評価を受け入れたのに
勤務実績については評価は嫌だというデタラメさ。教員全体の勤務
態度等が問題になっている時に「私は~」といって反論するおめで
たさ。もう繰り返すことはしません。
他方、その会社員は教員評価を肯定しつつも、「判断すべき立場
の校長がそのように位置づけられてはいないことにも笑った」と書
いていますが、品川区では校長も評価されているのです。
学校選択制がこのような結果を生むとしたらそれは高く評価して
いいと思います。しかし、学校選択制にすればどこでもそうなるか
というと、まだ分からないと思います。
私の住む町の隣のH市でもこれが取り入れられるそうですが、ど
うなるか見守りたいと思います。公立高校の選択制も広がっている
ようですが、校長の評価につながるか見守りたいと思います。
多分、品川区の場合は教育長の指導力が大きいのだと思います。
そうだとすると、今度は教育長を評価するシステムが必要になりま
す。すると、更に、教育長を選ぶトップ(県知事、市長、区長など
)も問題になります。住民は選挙の時にこういう問題意識も持って
いなければならないということになると思います。
とにかく、教員評価ではまず校長(学長)の評価が一番大切だと
思います。
(2002年10月20日発行)
朝日新聞の連載記事「転機の教育」は(2002年)10月14日は「学
校選択制」と題されていました。東京の品川区でこれが取り入れら
れていることはテレビでも放映され、かなり知られていると思いま
す。
その記事によりますと、今年、品川区の或る中学校では学区内の
該当者が50人いたのに実際の新入生は9人だったそうです。昨年の
秋、進学先を選ぶ頃、「あの学校は荒れている」という噂が飛び交
ったためだと書かれています。
教育長は「『荒れ』は校長に指導力がなかったことの表れ」とし
て、今春、実績のある校長に替えたそうです。その結果、来春は対
象者50人の内、48人がこの学校を希望しているそうです。
つまりここでは事実上、校長に対する評価が行われているのです
。これが当然だと思います。「学校教育は個々の教師が行うもので
はなくて、校長を中心とする教師集団の行うものである」という定
式化まではなされていませんが、事実上実行されているのです。
大阪府で教員の評価をすることにしたということに関して朝日新
聞の声欄でも議論がありました。会社員の「当然」だという意見に
対して、教員からの反論がありました。その反論は、例によって、
2点になります。教員の仕事は評価になじまないということと、
「私はこのようにしている」ということです。
世の中では「なじまない」事でも評価せざるをえないし実際に評
価が行われていることに関する無知。生徒に成績をつけるという
「なじまない」ことをしているのに、教師の評価だけは「なじまな
い」といって否定する自己矛盾。採用時には評価を受け入れたのに
勤務実績については評価は嫌だというデタラメさ。教員全体の勤務
態度等が問題になっている時に「私は~」といって反論するおめで
たさ。もう繰り返すことはしません。
他方、その会社員は教員評価を肯定しつつも、「判断すべき立場
の校長がそのように位置づけられてはいないことにも笑った」と書
いていますが、品川区では校長も評価されているのです。
学校選択制がこのような結果を生むとしたらそれは高く評価して
いいと思います。しかし、学校選択制にすればどこでもそうなるか
というと、まだ分からないと思います。
私の住む町の隣のH市でもこれが取り入れられるそうですが、ど
うなるか見守りたいと思います。公立高校の選択制も広がっている
ようですが、校長の評価につながるか見守りたいと思います。
多分、品川区の場合は教育長の指導力が大きいのだと思います。
そうだとすると、今度は教育長を評価するシステムが必要になりま
す。すると、更に、教育長を選ぶトップ(県知事、市長、区長など
)も問題になります。住民は選挙の時にこういう問題意識も持って
いなければならないということになると思います。
とにかく、教員評価ではまず校長(学長)の評価が一番大切だと
思います。
(2002年10月20日発行)