ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

教育の広場、第 308号、議員の通信簿

2008年02月09日 | ア行
 地方議会を市民が傍聴して議員の仕事ぶりをチェックする動きが全国に広がっているそうです。2008年01月11日の朝日新聞が小さな特集記事を載せました。

 そこに載っていた一覧表には、仙台市、多摩市、小平市、国立市、東大和市、相模原市、藤沢市、蓑面市、尼崎市のそれぞれのグループのほかに、数市にまたがった連絡会議というのもありました。

 こういう市民の動きの先駆けは、今年で10年目を迎える「相模原市議会をよくする会」だそうです。この会については昨夏、その一員の方が朝日新聞の声欄に投稿していました。

 今回の報道によりますと、その会では、本会議だけでなく、5つの常任委員会も手分けして漏らさず傍聴し、結果は年4回発行する会報に載せるそうです。そのほか、市議選直前には「議員通信簿」としてまとめて、4000部配付するそうです。

 この会は1999年06月、3人の主婦の呼びかけで集まった23人で発足したそうです。

 まず、直面したのは議会の閉鎖性で、審議資料は傍聴者には配付されず、やりとりを聞いても意味が分からない。議会運営委員会も非公開だったそうです。

 資料は3年がかりの交渉で傍聴者にも配付されるようになったそうです。議運も公開されるようになりました。そして、2003年に初めて通信簿を発表した時の議員からの反発は予想以上だったそうです。

 8年あまりの活動で、ヤジや居眠りはめっきり減ったそうです。行政を厳しくチェックする議員も増えたそうです。

 さて、こういう動きを知っての感想をまとめます。

 1、これは立派な活動だと思います。と言うより、当然の活動だと思います。「当然の」と言うのは「当然あっていい」という意味です。

 一般的に言うならば、裁判員制度も始まるという時代です。市民が公人の活動を監視し評価するという活動一般として考えるならば、なくてはならない事であり、これ位の事をする人が出ない方がおかしいと思います。

 それなのに、こういう団体がたった10個くらいしかないのです。あまりにも少なすぎると思います。

 2、行政の不適切な支出を監視するオンブズパーソンといった活動が大きく報道されたのはいつの頃でしたでしょうか。多分、十数年前の事だったと思います。裏金や預け金が暴露され、世間に衝撃を与えました。それはその後も続いており、かなりの成果を挙げたと思います。

 しかし、その活動はどれほど大きくなっているでしょうか。私も一部かかわってきましたが、必要性に比して十分に大きくなっているとは言えないと思います。

 3、ここ十数年の間の大きな変化はインターネットの普及です。そして、ここ数年のブログの普及です。これは何を意味するかと言いますと、我々市民に無限に近い発言の手段を与えてくれたということです。

 ホームページでもそうでしたが、ブログは一層簡便な手段を与えてくれました。しかも、ブログは目次か索引を付けてリンクを張れば辞書にすることも出来るのです。これはものすごくありがたいことです。

 しかし、市民はこの手段を十分に使っているでしょうか。残念ながら、否です。

 ホームページとブログによって、市民は役所や学校など公的な機関のカウンター・ホームページを自由に作れるようになったのです。しかし、そういうものはほとんど作られていないと思います。

 個々の不正などを暴露することはありますし、意見の表明もあります。しかし、公的機関の本当の姿は個々の事実の暴露では分かりません。全体像を明らかにしければならないのです。ですから、そのためにはカウンター・ホームページが必要なのです。しかし、それを作ろうという人が出てこないのです。どうしてなのでしょうか。理解できません。

 たしかに本格的なカウンター・ホームページを作るのはものすごく大変だと言う反論はあるでしょう。しかし、例えば公的機関の「ホームページの批評」だけでもいいと思うのです。公的機関はどこも「全体的真実を隠すために個々の事実を発表する」ホームページを作っています。それを批評するのです。そして、欠けている点は相手にメールで質問して補い、本当の姿を明らかにしてゆくのです。

 これなら議会の傍聴に行くより簡単です。居ながらにして出来るからです。1人でやってもいいと思います。そういう人たちがネット上で連携するという手もあると思います。

 もちろん始めから仲間でやる手もあります。その場合は、仲間とのメールでの連絡のほかに時には会合も必要でしょう。しかし、いずれにせよ、大した問題ではありません。

 こういうカウンター・ホームページに多くの人が係わるようになったら、行政に影響力を与えることができると思います。いわゆる行政だけでなく、腐敗しきった学校や大学にも影響を与えることが出来ると思います。

 しかし、現実にはそこまで行っていません。あるのはおかしな「裏サイト」だけのようです。あまりにも情けない現実だと思います。