日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

『門』・もんもん

2007年02月27日 | 五行歌な日々
旅のお供に持っていった文庫本は、
夏目漱石の『三四郎』だった。

前に読んでいた、司馬遼太郎の本で、
何度か夏目漱石のことに触れられていて、
興味をそそったから。

っていうか、軽く勘違いをしてて、
夏目漱石の『三四郎』って、
柔道の『姿三四郎』のお話だと思っていたから、
ちと、恥ずかしくなって(笑)

このお供、実にいいお供だった。

なぜなら、
過去、2回のAQへの旅路は、
テンションがなかなか落ちなくて、
ホテルでもあまり寝付けないし、
新幹線でも、うとうとしなかったのが、
『三四郎』を読むと、
しばらくすると、こっくりこっくり……だったから(笑)

神経を鎮めてくれてありがとう、ってなもんで。

眠りにつきたいときの、『三四郎』効果は、
絶大なものだった(笑)

いや、話も、まぁ、面白かったですよ。ええ(笑)

     ★

コーヒーショップを出たとき、
私は、『三四郎』を読了していた。

厳密に言えば、
夏目漱石についての説明書きや、
解説はまだ読めていなかったけど、
物語としては、読了した。

『三四郎』って、のちに三部作になるんですってね。

ってことで、
帰りの新幹線用の睡眠効果本……じゃない、
続編を読もうと思って、
すぐ近くの本屋さんへ入る。

――『三四郎』の次って、確か『門』だよな。

あっさり、『門』は見つかって。即購入。

キャリーバックの内側の外ポケットに入れて、
ゴロゴロガラガラと、
新横浜行きのバス停へ向かう。

     ★

13:40頃には、新横浜駅に着いた。
矢印に従って、新幹線のホームへ向かう。

来年は、もう中央出口は、工事を終えていて欲しいものだ。
(ま、終わっているでしょうけどね)

『東京ばな奈』(好きですねん)をはじめとする、
家のおみやげや、来週の東大阪歌会へのおみやげを買って、
待合室に入る。

思ったより、早く座れて、
キャリーバックの中を整理して、
お菓子のおみやげを詰め込んで、
『三四郎』の最後の付録みたいなところを、
読み始めた。

……げっ!!

     ★

『三四郎』が、三部作のひとつめ、
というのは、記憶どおりだったけれど、
その次は、『門』ではなかった。

次は、『それから』だった。……げっ!!

どうやら勘違いは、
『姿三四郎』だけじゃなかったようで。……げっ!!

あっちゃーと思ったところで仕方がない。

どうせ、新幹線で、
寝るための睡眠効果本でもあるんだ。
話の内容をちょっとワープして、
『門』の冒頭を少し読んだら、私はきっと寝てしまう。
ジタバタしたって、キオスクに、
『それから』なんて、売ってなんかいやしないんだから。
『門』でいいや、『門』でいいや。
……と、開き直った。

が、開き直れたのも、ここまで。

『三四郎』を閉じて、
キャリーバックの内側の外ポケットに入れておいた、
『門』を取り出そうとした。

が、ない。『門』がない!!

お分かりだろうか。最初の写真の黄色い丸のところ。
……どうやら、ポケットではないんですね。
底が抜けているんですね。

……どうやら、落としたようなんですね。……げっ!!

そりゃね、そりゃね。
『三四郎』の次の話じゃなかったですよ、『門』は。
でもね、でもね。
何も、なくなることはないじゃないですか。

無性に悔しく、腹立たしく、……情けなく(トホホホ……)。

これってば、あきらめて、
『それから』を買って、順序よく読みなさいと、
神さまがいっているのかも。

あぁそうだとしてもそうだとしても。

さっきも思ったように、
キオスクに売っている筈はなく。

なのに、一応、
往生際も悪く、
探しに行き始めたりもして。

しかし、思ったとおり、
やっぱりあるのは、
「西村京太郎」とか、そういう推理ものばかり。

と、いうわけで、
疲れているにも関わらず、寝付けず、
うつろーに新幹線の窓の外を見ながら、帰阪した。

あれから、3日(今日は28日の水曜日なのさ)。

近くの本屋へ行ってみたけど、
『それから』と『門』を探してみたけれど、
『三四郎』はあっても、肝心な二作は置かれていなかった。

「どうしても続きが読みたい!!」と、
身悶えるほどではなかったのに、
なんだか妙に、一刻も早く手に入れたいテンションになってきている。

「睡眠効果本などとは、けしからん!!」という、
これこそ、神さまの思惑通りなのかもしれない。

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