23rd Psalm
終戦記念日も、とっくに終わっているのですが、
毎日、畑で収穫作業をしていると、風の音、鳥の声、虫の声に交って、聞こえてくるのが、
あの讃美歌です。
「戦場のメリークリスマス」
セリアズが処刑で生き埋めにされて、仲間の俘虜たちが、セリアズに向かって
励ましを込めて、歌う讃美歌。
セリアズは、歌の上手な弟から歌うことを奪った罪悪感に苛まれて、罪の意識を背負って生きてきたのですが、
最後の瞬間は、歌に見送られていく・・・
美しい容姿に恵まれ、成績優秀、スポーツ万能であったセリアズは、
歌だけは得意ではなかった。
ヨノイ大尉が俘虜全員を広場に集め、そのただならぬ不穏な空気を察知したセリアズは
思わず、「ああ、歌が歌えたらなあ・・」
と、つぶやく。
歌が歌えたら、この空気を変えられるのに、歌は世界を変えることだってできる。
ロックスターのデヴィッド・ボウイが、大島監督から脚本を渡され、それを目にした彼が
即、セリアズ役の出演をOKしたということですが、
ほかのことは万能でも、歌うことが上手でないセリアズが歌で傷つき、
人生最後は歌で見送られていく。
歌はどんな世界も平和にする。
そんなことを作品で伝えられる、そんな映画だから出演したのかな
と、ふと思いました。
この映画の音楽担当は、いうまでもなく、坂本龍一さんです。