●「噴煙突破せよ」昭和41年12月4日放映 毒ガス怪獣ケムラー登場
制作第21話 放映第21話 脚本:海堂太郎 監督:樋口祐三
脚本の「海堂太郎」とは、樋口監督のペンネームです。プロデューサー的視点により、怪獣の恐怖とウルトラマンの活躍を正面から描いたストーリーは、王道的ヒーローものとなって結実されています。
曰くつきの、迷い無く退治されるのがはばかれるような怪獣ではなく、「ケムラー」はその出自も不明な、真に「悪役」として大暴れする怪獣です。甲虫とは逆向きに開く背中の甲羅、先が2つに分かれていて光線を発射する尻尾、嫌悪感を催すカエルのような鳴き声、そして化学変化が行われているかのような口中のスパークのあとにもの凄い勢いで吐き出される毒ガス! その魅力がシンプルなストーリーを支え、またケムラーの魅力を描くために用意されたストーリーであるように感じられます(^o^)/
死火山である大武山の噴火口を見ようと、ハイキングにやって来た女性たち。ここで火口にリンゴを落としますが、ロケとミニチュアセットのつながりが素晴らしい! リンゴの落ちるスピード、光の加減が違和感無くつながります。そして、火口の水溜りに浮いてくるあぶく。怪しさにワクワクします。怪獣の出現はこうでなくっちゃ!(^o^)
大武山のロケは、先の第20話「恐怖のルート87」の大室山と同じだそうです。別の山に見立てるために、第20話ではロープウェイをふんだんに見せ、こちらの第21話では手付かずの自然の山という雰囲気が強調されています。
大武山のレストハウスの支配人として、大塚周夫さんが出演されています。え?「大塚周夫」をご存知ない? 「ブラック魔王」や「ねずみ男」でお馴染みの声優・俳優さんです。
また、山中紘さんが地震研究所の技師役で出演されています。第5話「ミロガンダの秘密」以来です。他には『ウルトラセブン』第7話「宇宙囚人303」や『怪奇大作戦』第7話「青い血の女」にもご出演され、初期円谷作品ではお馴染みの俳優さんです。
ケムラーが登場すると、なぜか『ウルトラQ』のテーマ曲が流れます。
アキコ隊員とホシノ隊員(笑)が毒ガスに襲われて気絶しますが、先に意識を取り戻したホシノ隊員。ケムラーが迫り来る中で、無線によるキャップからの指示でホシノ隊員が小型ビートルを発進させるプロセスが一つのヤマ場です。このサスペンスに手に汗を握り、ドキドキします。子どもがビートルを操縦できるのが羨ましい! でも、キャップはなぜアキコ隊員が意識を失ったままなのを知っているのでしょう? 尺の都合で会話がカットされたのでしょうか。
ケムラー攻略のため、毒ガスを中和する研究を始めたイデ。白衣とメガネが科学者らしさを醸しています。そこに現れたホシノくんによって、ケムラー攻撃のヒントが与えられます。今回は「ホシノくん大活躍の巻」ですネ。
一瞬ですが、防衛隊員の実写映像と、ミニチュアの戦車隊の合成映像が素晴らしいです。それにしても、今回はガソリンスタンドや送電線の鉄塔、大武市街など、ミニチュアセットが凝っています。四足歩行のケムラーの顔が低い位置にあるためにミニチュアセットの映り込みも多く、完成度の高さが味わえます。そして、市街を蹂躙するケムラーが大写しの大迫力で迫って来る!
ケムラーとウルトラマンの戦闘シーンでは、登場早々スペシウム光線を放つウルトラマン。しかし、こういう場合は大抵効かないんですよネ。逆に毒ガスに苦しむウルトラマンは、毒ガスを吐けないようにケムラーの口を閉じさせるのに終始します。強いぞ、ケムラー!
イデの開発したマッド・バズーカで倒されるケムラー。弱った声で火口を目指し、吸い込まれるように落ちて行って大爆発‥‥。脅威の怪獣でしたが、哀愁漂う最期です。まぶたのギミックも効果的です。
アキコ隊員の見舞いのシーンでは、久々に青いブレザーの制服が登場します。ホシノ隊員の分もあるんですネ(^o^)
●ケムラー
特殊能力としては、口から吐く毒ガスと、尻尾の先から発射される光線があります。毒ガスを吐く前には口中でスパークが起こり、何らかの化学変化が行われているようです。
スペシウム光線が通じない、なかなかの強豪怪獣です。
作品中では、なぜ現れたのかが一切語られません。これまでの怪獣の中では特異な存在でしょう。
制作第21話 放映第21話 脚本:海堂太郎 監督:樋口祐三
脚本の「海堂太郎」とは、樋口監督のペンネームです。プロデューサー的視点により、怪獣の恐怖とウルトラマンの活躍を正面から描いたストーリーは、王道的ヒーローものとなって結実されています。
曰くつきの、迷い無く退治されるのがはばかれるような怪獣ではなく、「ケムラー」はその出自も不明な、真に「悪役」として大暴れする怪獣です。甲虫とは逆向きに開く背中の甲羅、先が2つに分かれていて光線を発射する尻尾、嫌悪感を催すカエルのような鳴き声、そして化学変化が行われているかのような口中のスパークのあとにもの凄い勢いで吐き出される毒ガス! その魅力がシンプルなストーリーを支え、またケムラーの魅力を描くために用意されたストーリーであるように感じられます(^o^)/
死火山である大武山の噴火口を見ようと、ハイキングにやって来た女性たち。ここで火口にリンゴを落としますが、ロケとミニチュアセットのつながりが素晴らしい! リンゴの落ちるスピード、光の加減が違和感無くつながります。そして、火口の水溜りに浮いてくるあぶく。怪しさにワクワクします。怪獣の出現はこうでなくっちゃ!(^o^)
大武山のロケは、先の第20話「恐怖のルート87」の大室山と同じだそうです。別の山に見立てるために、第20話ではロープウェイをふんだんに見せ、こちらの第21話では手付かずの自然の山という雰囲気が強調されています。
大武山のレストハウスの支配人として、大塚周夫さんが出演されています。え?「大塚周夫」をご存知ない? 「ブラック魔王」や「ねずみ男」でお馴染みの声優・俳優さんです。
また、山中紘さんが地震研究所の技師役で出演されています。第5話「ミロガンダの秘密」以来です。他には『ウルトラセブン』第7話「宇宙囚人303」や『怪奇大作戦』第7話「青い血の女」にもご出演され、初期円谷作品ではお馴染みの俳優さんです。
ケムラーが登場すると、なぜか『ウルトラQ』のテーマ曲が流れます。
アキコ隊員とホシノ隊員(笑)が毒ガスに襲われて気絶しますが、先に意識を取り戻したホシノ隊員。ケムラーが迫り来る中で、無線によるキャップからの指示でホシノ隊員が小型ビートルを発進させるプロセスが一つのヤマ場です。このサスペンスに手に汗を握り、ドキドキします。子どもがビートルを操縦できるのが羨ましい! でも、キャップはなぜアキコ隊員が意識を失ったままなのを知っているのでしょう? 尺の都合で会話がカットされたのでしょうか。
ケムラー攻略のため、毒ガスを中和する研究を始めたイデ。白衣とメガネが科学者らしさを醸しています。そこに現れたホシノくんによって、ケムラー攻撃のヒントが与えられます。今回は「ホシノくん大活躍の巻」ですネ。
一瞬ですが、防衛隊員の実写映像と、ミニチュアの戦車隊の合成映像が素晴らしいです。それにしても、今回はガソリンスタンドや送電線の鉄塔、大武市街など、ミニチュアセットが凝っています。四足歩行のケムラーの顔が低い位置にあるためにミニチュアセットの映り込みも多く、完成度の高さが味わえます。そして、市街を蹂躙するケムラーが大写しの大迫力で迫って来る!
ケムラーとウルトラマンの戦闘シーンでは、登場早々スペシウム光線を放つウルトラマン。しかし、こういう場合は大抵効かないんですよネ。逆に毒ガスに苦しむウルトラマンは、毒ガスを吐けないようにケムラーの口を閉じさせるのに終始します。強いぞ、ケムラー!
イデの開発したマッド・バズーカで倒されるケムラー。弱った声で火口を目指し、吸い込まれるように落ちて行って大爆発‥‥。脅威の怪獣でしたが、哀愁漂う最期です。まぶたのギミックも効果的です。
アキコ隊員の見舞いのシーンでは、久々に青いブレザーの制服が登場します。ホシノ隊員の分もあるんですネ(^o^)
●ケムラー
特殊能力としては、口から吐く毒ガスと、尻尾の先から発射される光線があります。毒ガスを吐く前には口中でスパークが起こり、何らかの化学変化が行われているようです。
スペシウム光線が通じない、なかなかの強豪怪獣です。
作品中では、なぜ現れたのかが一切語られません。これまでの怪獣の中では特異な存在でしょう。
一方、迫り来る怪獣の恐怖を描くなら、顔の位置が低い四足歩行怪獣の方が適しているでしょう。そして、ミニチュアと顔を同時に映し込むことができるので、都市破壊を迫力たっぷりに描くのにも四足歩行怪獣は適していますよネ!
今話はカメラの位置が低く据えられているので、ケムラーの市街地破壊の迫力が堪能できます。
ホシノ少年が気絶したフジ隊員に代わって
間一髪小型ビートルを発進させますが、発進方法をキャップが詳しく説明するシーンが印象に残ってます。
ケムラーはアントラーに続いてスペシウム光線が効かない怪獣ですよね。
マットバズーカで倒しますが、この武器はこのEP限定なのが惜しまれます。
ヒドラ偏に続いてBGMにウルトラQのBGMが印象深いのですが、樋口監督はウルトラQのBGMが好きなのでしょうね。
直接のトドメじゃないっすけどね