またまたいきなりの第5話ですが、制作順では第2話です。
●「ミロガンダの秘密」昭和41年8月14日放映 怪奇植物グリーンモンス登場
制作第2話 放映第5話 脚本:藤川桂介 監督:飯島敏宏
全体を包むミステリー調の雰囲気は、前番組の『ウルトラQ』によく似ています。
冒頭、クルマで事故を起こした新聞記者(山中紘さん)が、緑色の化け物に襲われます。シルエットで表現するなど工夫を凝らしていますが、あまりウマくいっているとはいえません。
上から垂れてくる「緑色の液体」による場面転換はなかなか凝っています。ミステリアスで不気味な雰囲気が漂ってきます。
山中紘さんは、『ウルトラセブン』第7話「宇宙囚人303」に、宇宙ステーションV3のミズノ隊員としてゲスト出演されています。
次に襲われるのは白衣を着た地質学者(奥野匡さん)。ドアの下の隙間から入り込んでくる造形物と、グリーンモンスの着ぐるみの切り替えがカットの編集で上手くいっていると思います。低音のフルートによる劇伴が不気味さを増しています。
二度目の場面転換の「緑色の液体」は、ちょっと汚らしくて上手くいっていませんが、リアルさは感じられます。
これら2つの事件の調査に、ハヤタをはじめ、科特隊が出動します。
「科特隊」は「科学特捜隊」の略だと思われていますが、実はさらに「科学特別捜査隊」という正式名称があります。怪奇事件を科学的に捜査する組織ですから、こういった事件に介入するのですネ。
このエピソードでは、イデの演技がオーバーアクションです^^; この後、エピソードの雰囲気によってシリアスさとコミカルさを演じ分けられるようになりますが、まだ作品の世界観に馴染まれていなかったのでしょう。なにしろ前例の無い作品を創造しようとしていて、しかもまだクランクインしたばかりなのですから‥‥。
あ、制作第1話「侵略者を撃て」と異なり、隊員たちは本部内でもオレンジ色のユニフォームを着ています。まだ設定が固まっていなかったのでしょう。
ジェットビートルの初登場! 発進プロセスがきちんと描かれ、科特隊本部の全景が確認できます。しかしこの本部のミニチュア・セットは、いくつかのバンク・フィルムが撮影された後に解体されたそうです。
ハヤタが「乗用車はあそこでスリップしたのですが、小林記者はあそこで襲われたものと思われます。」と言いますが、スリップしたのはあなたの足元のネバネバのところですヨ! 冒頭のスリップ事故の描写の割りに、距離が短い‥‥^^;
イデとアラシが向かった研究所として、伊豆シャボテン公園の地球儀大温室が登場しますが、これは今はもう無いそうです‥‥。一度行ってみたかったのに‥‥。
岩本博士初登場! 今回は植物や動物のことを解説しています。いったい、何が専門の博士なのか‥‥。「ムチンは動物だし、クロロフィルは植物だし」と言っていますが、オクラなどのネバネバした成分も「ムチン」なのだそうで‥‥^^;
3回目の場面転換の「緑色の液体」は、さらに汚らしいです。飯島監督はいくつかの方法を試してみたのでしょうネ。
女性カメラマン浜口節子(若林映子さん)の、オイリス島調査団の回想シーンへの場面転換の「緑色の液体」は上手くいっています。
オイリス島の描写はモノクロ画像でコントラストがきつく、回想であることと熱帯の島であることがよく伝わってきます。コンガを主体とした劇伴によって、未開の島である雰囲気がよく表現されています。
そして、調査団が遭遇した「ミロガンダの花」! モノクロの世界の中に、花だけが極彩色に彩られた映像は非常に衝撃的です。実はこのモノクロ映像は、「ミロガンダの花」の衝撃的な鮮やかさを強調するためにも役立っていたのですネ。スクリーン・プロセスを上手く使った合成です。‥‥しかし、カラーTVがまだそれほど普及していなかった当時では、この効果は薄かったのでしょうが‥‥^^;
若林映子さんは、『ゴジラ』シリーズのヒロインを多く演じられていますが、イギリス映画『007は二度死ぬ』にも出演されています。
「スーパーガンを撃つ時には、強い光線の光から目を守るためにバイザーを下ろす」という設定があったそうで、それが忠実に守られています。
そして、スーパーガンの光線の光跡が直線! まだフォーマットが決まっていなかったので、いろいろと試行錯誤されています。結局、直線の光跡だと銃口に合わせて作画合成するのが難しいということで、この手法は今回限りのものになりました。
科特隊本部の電話のベルも、普通のベルです。あの特徴的なベルはまだ登場していません。
深夜の丸の内で、静寂の中で時を告げる時計塔を挟んで対峙するウルトラマンとグリーンモンス。動きのバリエーションの少ない植物怪獣を、いかにして印象深く見せるかに工夫されたシーンです。しかし、やはり戦闘シーンは薄味なものとなってしまいました。‥‥というより、この話でウルトラマンが登場しなくても、このまま『ウルトラQ』のエピソードにもなりそう‥‥^^;
「侵略者を撃て」ではカラータイマーは点滅しませんでしたが、今回はグリーンモンスの出した「緑の霧」に苦しみ、カラータイマーが点滅! 石坂浩二氏の
「ウルトラマンを支える太陽エネルギーは、地球上では急激に消耗する。太陽エネルギーが残り少なくなると、カラータイマーが点滅を始める。そして、もしカラータイマーが消えてしまったら、ウルトラマンは二度と再び立ち上がる力を失ってしまうのである。」
というナレーションが初お目見えです。しかし、「3分間」などとは一言も触れられていません。
エピローグでは、飛び去るウルトラマンを見送りながら、ハヤタがいないことにイデが気付きます。初期の頃はイデが「ハヤタとウルトラマンの関係」を疑う描写が盛り込まれていましたが、いつの間にか無くなってしまいました。
徐々にフォーマットが固まっていく過渡期であり、いろいろと試行錯誤されていることがわかります。制作第2話でやっと「ジェットビートル」と「カラータイマー」が登場しました。そして「スーパーガンを撃つ時はバイザーを下ろす」という、消えていった設定もありました。
●グリーンモンス
植物、特にシダ類の前葉体をモチーフにしたと思われるデザイン。
『ウルトラマン』では初の新規造型怪獣です。
「グリーンモンス」とは「グリーンのモンスター」という由来で、以後、怪獣名に「~ラ(ー)」「~ゴン」「~ドン」「~モン」に加えて「~モンス」というバリエーションが生まれました。(「~モン」も「モンスター」の省略形)
●「ミロガンダの秘密」昭和41年8月14日放映 怪奇植物グリーンモンス登場
制作第2話 放映第5話 脚本:藤川桂介 監督:飯島敏宏
全体を包むミステリー調の雰囲気は、前番組の『ウルトラQ』によく似ています。
冒頭、クルマで事故を起こした新聞記者(山中紘さん)が、緑色の化け物に襲われます。シルエットで表現するなど工夫を凝らしていますが、あまりウマくいっているとはいえません。
上から垂れてくる「緑色の液体」による場面転換はなかなか凝っています。ミステリアスで不気味な雰囲気が漂ってきます。
山中紘さんは、『ウルトラセブン』第7話「宇宙囚人303」に、宇宙ステーションV3のミズノ隊員としてゲスト出演されています。
次に襲われるのは白衣を着た地質学者(奥野匡さん)。ドアの下の隙間から入り込んでくる造形物と、グリーンモンスの着ぐるみの切り替えがカットの編集で上手くいっていると思います。低音のフルートによる劇伴が不気味さを増しています。
二度目の場面転換の「緑色の液体」は、ちょっと汚らしくて上手くいっていませんが、リアルさは感じられます。
これら2つの事件の調査に、ハヤタをはじめ、科特隊が出動します。
「科特隊」は「科学特捜隊」の略だと思われていますが、実はさらに「科学特別捜査隊」という正式名称があります。怪奇事件を科学的に捜査する組織ですから、こういった事件に介入するのですネ。
このエピソードでは、イデの演技がオーバーアクションです^^; この後、エピソードの雰囲気によってシリアスさとコミカルさを演じ分けられるようになりますが、まだ作品の世界観に馴染まれていなかったのでしょう。なにしろ前例の無い作品を創造しようとしていて、しかもまだクランクインしたばかりなのですから‥‥。
あ、制作第1話「侵略者を撃て」と異なり、隊員たちは本部内でもオレンジ色のユニフォームを着ています。まだ設定が固まっていなかったのでしょう。
ジェットビートルの初登場! 発進プロセスがきちんと描かれ、科特隊本部の全景が確認できます。しかしこの本部のミニチュア・セットは、いくつかのバンク・フィルムが撮影された後に解体されたそうです。
ハヤタが「乗用車はあそこでスリップしたのですが、小林記者はあそこで襲われたものと思われます。」と言いますが、スリップしたのはあなたの足元のネバネバのところですヨ! 冒頭のスリップ事故の描写の割りに、距離が短い‥‥^^;
イデとアラシが向かった研究所として、伊豆シャボテン公園の地球儀大温室が登場しますが、これは今はもう無いそうです‥‥。一度行ってみたかったのに‥‥。
岩本博士初登場! 今回は植物や動物のことを解説しています。いったい、何が専門の博士なのか‥‥。「ムチンは動物だし、クロロフィルは植物だし」と言っていますが、オクラなどのネバネバした成分も「ムチン」なのだそうで‥‥^^;
3回目の場面転換の「緑色の液体」は、さらに汚らしいです。飯島監督はいくつかの方法を試してみたのでしょうネ。
女性カメラマン浜口節子(若林映子さん)の、オイリス島調査団の回想シーンへの場面転換の「緑色の液体」は上手くいっています。
オイリス島の描写はモノクロ画像でコントラストがきつく、回想であることと熱帯の島であることがよく伝わってきます。コンガを主体とした劇伴によって、未開の島である雰囲気がよく表現されています。
そして、調査団が遭遇した「ミロガンダの花」! モノクロの世界の中に、花だけが極彩色に彩られた映像は非常に衝撃的です。実はこのモノクロ映像は、「ミロガンダの花」の衝撃的な鮮やかさを強調するためにも役立っていたのですネ。スクリーン・プロセスを上手く使った合成です。‥‥しかし、カラーTVがまだそれほど普及していなかった当時では、この効果は薄かったのでしょうが‥‥^^;
若林映子さんは、『ゴジラ』シリーズのヒロインを多く演じられていますが、イギリス映画『007は二度死ぬ』にも出演されています。
「スーパーガンを撃つ時には、強い光線の光から目を守るためにバイザーを下ろす」という設定があったそうで、それが忠実に守られています。
そして、スーパーガンの光線の光跡が直線! まだフォーマットが決まっていなかったので、いろいろと試行錯誤されています。結局、直線の光跡だと銃口に合わせて作画合成するのが難しいということで、この手法は今回限りのものになりました。
科特隊本部の電話のベルも、普通のベルです。あの特徴的なベルはまだ登場していません。
深夜の丸の内で、静寂の中で時を告げる時計塔を挟んで対峙するウルトラマンとグリーンモンス。動きのバリエーションの少ない植物怪獣を、いかにして印象深く見せるかに工夫されたシーンです。しかし、やはり戦闘シーンは薄味なものとなってしまいました。‥‥というより、この話でウルトラマンが登場しなくても、このまま『ウルトラQ』のエピソードにもなりそう‥‥^^;
「侵略者を撃て」ではカラータイマーは点滅しませんでしたが、今回はグリーンモンスの出した「緑の霧」に苦しみ、カラータイマーが点滅! 石坂浩二氏の
「ウルトラマンを支える太陽エネルギーは、地球上では急激に消耗する。太陽エネルギーが残り少なくなると、カラータイマーが点滅を始める。そして、もしカラータイマーが消えてしまったら、ウルトラマンは二度と再び立ち上がる力を失ってしまうのである。」
というナレーションが初お目見えです。しかし、「3分間」などとは一言も触れられていません。
エピローグでは、飛び去るウルトラマンを見送りながら、ハヤタがいないことにイデが気付きます。初期の頃はイデが「ハヤタとウルトラマンの関係」を疑う描写が盛り込まれていましたが、いつの間にか無くなってしまいました。
徐々にフォーマットが固まっていく過渡期であり、いろいろと試行錯誤されていることがわかります。制作第2話でやっと「ジェットビートル」と「カラータイマー」が登場しました。そして「スーパーガンを撃つ時はバイザーを下ろす」という、消えていった設定もありました。
●グリーンモンス
植物、特にシダ類の前葉体をモチーフにしたと思われるデザイン。
『ウルトラマン』では初の新規造型怪獣です。
「グリーンモンス」とは「グリーンのモンスター」という由来で、以後、怪獣名に「~ラ(ー)」「~ゴン」「~ドン」「~モン」に加えて「~モンス」というバリエーションが生まれました。(「~モン」も「モンスター」の省略形)
直線型光線の作画合成は、このエピソードではなかなかウマくいっているのではないかと思いますが、余程大変な作業だったのでしょうネ。役者さんたちも手元が動かないように、緊張して撃っている様子が映像から伝わります。
>でも合成理由に関わらず圧倒的に放電状がいいです。
放電状の光線の方がお馴染みですし、迫力があって私も好きです。
でも、放電状の方が描くのは大変なような気がするのは素人考え?
学術秘書
池田です。
記事の修正をお願いいたします。
“フィッシャーの呪い撲滅キャンペーン”へのご理解、ご協力をお願いいたします。
http://acsec.jp/maffgo.html
※虎の門外の変:
家来たちは、子どもを殺した。
http://toranomon.nokyoko.jp/
では。
この件に関するお問い合わせ先:
みと・あかつかカンファレンス事務局長
ラクトース研究班「いもいち2025」班長代理
有限会社学術秘書
本店営業部
池田剛士
〒311-4141
茨城県水戸市赤塚1-386-1-107
電話:029-254-7189
携帯:090-4134-7927