●「怪獣殿下(前篇)」昭和42年1月8日放映 古代怪獣ゴモラ登場
制作第26話 放映第26話 脚本:金城哲夫・若槻文三 監督:円谷一
大阪ABC朝日放送の要請を受けて大阪ロケが実現した、『ウルトラマン』初の前後編の前編です。娯楽巨編に徹していて、怪獣が登場するのが特徴の『ウルトラマン』の劇中で、「怪獣なんかいるもんか!」というセリフが飛び出すメタフィクショナルなストーリーとなっています。(科特隊は存在している世界ですが‥‥^^;)
また、現実に昭和45年に大阪万博が開催される前の昭和41年の制作で、ゴモラが万博に展示されることがストーリーの基軸となっています。近未来を描いてきた『ウルトラマン』に、極めて現実的なモチーフが持ち込まれているのも珍しいエピソードとなっています。
「怪獣殿下」ことオサムくん役は稲吉千春さん。映画にTVに大活躍の子役で、円谷作品では『ウルトラセブン』第14話「闇に光る目」のヒロシ役としても出演されています。
オサムの両親役は宮田羊容(みやたようよう)さんと布地由起江(ふじゆきえ)さんという漫才コンビ(!)。あのお母さん役が漫才師とは! 昭和40年代のお母さんらしく、前掛け(エプロンに非ず)を着けて「オバサンぽい」出で立ちですが、なかなかの美人なんですよネ。美人女優としても活躍していたようで、当時34歳でした。
開巻直後、友だちにバカにされているオサム。バカにしている子役は川田勝明さんです。『ウルトラマン』では第15話「恐怖の宇宙線」のムシバや第33話「禁じられた言葉」のサトル役として二度もゲスト主役を勤めました。オサムのあだ名を言おうとする子は白木みのるさんではありません(^^ゞ
オサムは画用紙で手作りのギャンゴのお面を着けていますが、渋いチョイスです。さすが怪獣殿下!
怪獣の絵で5重丸をもらったとお母さんに報告しますが、その絵はもしやゴモラ? そういえば、ここまでだれも関西弁を喋りませんネ。
ジョンスン島の調査団に同行しているアラシ隊員。図鑑らしきもののゴモラザウルスの絵を見ていますが、それはオサムくんの5重丸の絵?
ジョンスン島は「武蔵村山音頭」でも有名な「多摩湖」でのロケだそうです。このロケが行われたのは、そろそろ寒くなり始めた頃でしょう。木々も緑の葉をほとんど付けていないのに、南の島の設定なんです‥‥。花や葉を付けた植物は、カメラ前を飾るための美術でしょう。阪神大学・中谷教授役の富田浩太郎さんは、半袖・半ズボン! 役者さんって大変な仕事です。ここにもスフラン(今回は赤い斑点がある別種?)が登場し、アラシがスパイダーで焼き切っています。
ゴモラが出現し、攻撃しようとするアラシ。しかし中谷教授に生け捕りにするように言われ、「そんな無茶な!」と言いますが、その後にも何か言おうとするところで編集。何を言おうとしていたのでしょう。
オサムの家は団地の一室ですが、内部もロケセットでしょうか。狭いながらも団欒が感じられる家です。何人か団地に住んでいる友だちが私にもいましたが、懐かしい感じがします。
科特隊本部では、ゴモラ空輸作戦が話し合われています。今回の本部内のSEは何だか騒々しいです。
3機編隊のジェットビートルがカッコいい! 私は同機体の編隊飛行になぜかシビれてしまいます(^o^)
空輸の途中でUNG麻酔が切れ、六甲山中に落とされて暴れるゴモラ。ゴモラを見物しに、人目を盗んで山中に入っていたオサムとケンちゃん。こういう子どもの登場って、子どもの頃から苦手‥‥。それにしても、アキコ隊員やらハヤタ隊員やら、よく科特隊員の顔と名前を知っているなぁ。
朝日放送の招聘なので、今は無き大阪タワーが「ゴモラ対策本部」としてロケに使われています。
オサムが怪獣ごっこをしていると、地中から姿を現すゴモラ。棒を空に掲げてウルトラマンを呼ぶオサム。すると願いが通じたのか、ウルトラマンが飛んで来た!(^o^) 今回はジョンスン島、六甲山中、そしてオサムの団地の近くと、ゴモラが登場する特撮セットが3つもあります。後篇では大阪市街も登場します。前後編ということで気合が入っていますネ。
ウルトラマンのゴモラとの激しい戦闘の最中に、オサムの目の前にベータカプセルが落ちてきます。これに私は子どもの頃から違和感を覚えます。変身したあとのハヤタの服やヘルメットはどうなってるの? ベータカプセルはどこに収納されていたの? と、いろいろと疑問が湧いてきてしまうのです‥‥。このシーンが無ければ、そんなことを考えずに済んでいたのに‥‥。
ゴモラは再び地中に逃げてしまい、次週へつづく‥‥。
●ゴモラ
名前は聖書に登場する「ソドムとゴモラ」から。鳴き声は「ガイラ」の素材です。(ちなみに、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の第4章も「ソドムとゴモラ」というタイトルです。)
学名を「ゴモラザウルス」という恐竜。発見されたジョンスン島には「ゴモラ砦」という地名があって伝説もあるようで、絶滅した恐竜ではない可能性はありました。
生命力が強く、空輸の途中で2千mの高空から落下されても死にませんでした。体表は科特隊員に「鋼鉄のようだ」と言わしめるほど強固です。
尻尾が強力で、これに打たれたウルトラマンがなかなか立ち上がることができませんでした。
大きな手で地中を掘り進むことが可能です。
制作第26話 放映第26話 脚本:金城哲夫・若槻文三 監督:円谷一
大阪ABC朝日放送の要請を受けて大阪ロケが実現した、『ウルトラマン』初の前後編の前編です。娯楽巨編に徹していて、怪獣が登場するのが特徴の『ウルトラマン』の劇中で、「怪獣なんかいるもんか!」というセリフが飛び出すメタフィクショナルなストーリーとなっています。(科特隊は存在している世界ですが‥‥^^;)
また、現実に昭和45年に大阪万博が開催される前の昭和41年の制作で、ゴモラが万博に展示されることがストーリーの基軸となっています。近未来を描いてきた『ウルトラマン』に、極めて現実的なモチーフが持ち込まれているのも珍しいエピソードとなっています。
「怪獣殿下」ことオサムくん役は稲吉千春さん。映画にTVに大活躍の子役で、円谷作品では『ウルトラセブン』第14話「闇に光る目」のヒロシ役としても出演されています。
オサムの両親役は宮田羊容(みやたようよう)さんと布地由起江(ふじゆきえ)さんという漫才コンビ(!)。あのお母さん役が漫才師とは! 昭和40年代のお母さんらしく、前掛け(エプロンに非ず)を着けて「オバサンぽい」出で立ちですが、なかなかの美人なんですよネ。美人女優としても活躍していたようで、当時34歳でした。
開巻直後、友だちにバカにされているオサム。バカにしている子役は川田勝明さんです。『ウルトラマン』では第15話「恐怖の宇宙線」のムシバや第33話「禁じられた言葉」のサトル役として二度もゲスト主役を勤めました。オサムのあだ名を言おうとする子は白木みのるさんではありません(^^ゞ
オサムは画用紙で手作りのギャンゴのお面を着けていますが、渋いチョイスです。さすが怪獣殿下!
怪獣の絵で5重丸をもらったとお母さんに報告しますが、その絵はもしやゴモラ? そういえば、ここまでだれも関西弁を喋りませんネ。
ジョンスン島の調査団に同行しているアラシ隊員。図鑑らしきもののゴモラザウルスの絵を見ていますが、それはオサムくんの5重丸の絵?
ジョンスン島は「武蔵村山音頭」でも有名な「多摩湖」でのロケだそうです。このロケが行われたのは、そろそろ寒くなり始めた頃でしょう。木々も緑の葉をほとんど付けていないのに、南の島の設定なんです‥‥。花や葉を付けた植物は、カメラ前を飾るための美術でしょう。阪神大学・中谷教授役の富田浩太郎さんは、半袖・半ズボン! 役者さんって大変な仕事です。ここにもスフラン(今回は赤い斑点がある別種?)が登場し、アラシがスパイダーで焼き切っています。
ゴモラが出現し、攻撃しようとするアラシ。しかし中谷教授に生け捕りにするように言われ、「そんな無茶な!」と言いますが、その後にも何か言おうとするところで編集。何を言おうとしていたのでしょう。
オサムの家は団地の一室ですが、内部もロケセットでしょうか。狭いながらも団欒が感じられる家です。何人か団地に住んでいる友だちが私にもいましたが、懐かしい感じがします。
科特隊本部では、ゴモラ空輸作戦が話し合われています。今回の本部内のSEは何だか騒々しいです。
3機編隊のジェットビートルがカッコいい! 私は同機体の編隊飛行になぜかシビれてしまいます(^o^)
空輸の途中でUNG麻酔が切れ、六甲山中に落とされて暴れるゴモラ。ゴモラを見物しに、人目を盗んで山中に入っていたオサムとケンちゃん。こういう子どもの登場って、子どもの頃から苦手‥‥。それにしても、アキコ隊員やらハヤタ隊員やら、よく科特隊員の顔と名前を知っているなぁ。
朝日放送の招聘なので、今は無き大阪タワーが「ゴモラ対策本部」としてロケに使われています。
オサムが怪獣ごっこをしていると、地中から姿を現すゴモラ。棒を空に掲げてウルトラマンを呼ぶオサム。すると願いが通じたのか、ウルトラマンが飛んで来た!(^o^) 今回はジョンスン島、六甲山中、そしてオサムの団地の近くと、ゴモラが登場する特撮セットが3つもあります。後篇では大阪市街も登場します。前後編ということで気合が入っていますネ。
ウルトラマンのゴモラとの激しい戦闘の最中に、オサムの目の前にベータカプセルが落ちてきます。これに私は子どもの頃から違和感を覚えます。変身したあとのハヤタの服やヘルメットはどうなってるの? ベータカプセルはどこに収納されていたの? と、いろいろと疑問が湧いてきてしまうのです‥‥。このシーンが無ければ、そんなことを考えずに済んでいたのに‥‥。
ゴモラは再び地中に逃げてしまい、次週へつづく‥‥。
●ゴモラ
名前は聖書に登場する「ソドムとゴモラ」から。鳴き声は「ガイラ」の素材です。(ちなみに、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の第4章も「ソドムとゴモラ」というタイトルです。)
学名を「ゴモラザウルス」という恐竜。発見されたジョンスン島には「ゴモラ砦」という地名があって伝説もあるようで、絶滅した恐竜ではない可能性はありました。
生命力が強く、空輸の途中で2千mの高空から落下されても死にませんでした。体表は科特隊員に「鋼鉄のようだ」と言わしめるほど強固です。
尻尾が強力で、これに打たれたウルトラマンがなかなか立ち上がることができませんでした。
大きな手で地中を掘り進むことが可能です。
子供ン時 ロケ見に行ったらしいです・・・
Qでのガラモンやペギラも二回でますが前後編というより、姉妹編という感じでしたから。
ウルトラシリーズ初の前編・後編という名作。
劇場公開したのも分かる名特撮 ・大阪城破壊シーン
スクリーンで見た当時の子供さんが羨ましいっす。
PS
甥っ子にこれのツノが 黒田長政の兜 つまり
三日月であると説明したら 尊敬されました。
拓馬、元気か?
京本さんがロケを見に行ったというのはさすがですネ。再放送世代としては、その年代の方々が羨ましいです。
バンダイのガシャポンでは、なかなか決定版がリリースされません。人気怪獣であるだけに、こだわれの造型・塗装のフィギュアが欲しいところです。
劇中に登場するウルトラマンのお面は市販のものだったので自分も持っているのと同じものだったのが不思議ながらも嬉しかったそうです。
あのお面、私も持っていましたヨ。緑の目に違和感がありましたが、唯一の製品化でしたから。
>マサ札幌さん
東京だと、東京タワーがしょっちゅう壊されていたんですが、いつでも凛とそこに立っています。私はTVの中の出来事だと割り切って見ていた、イヤなガキでした(苦笑)。
管理人さんの返しが粋ですネ。子どもの夢を壊さないステキな方です。ステキなエピソードを教えていただきありがとうございます。
昏倒し取り逃がして次回へ続くとは思いませんでした。
やはり格闘の最中にベーターカプセルを落とした影響でしょうか?
このEPだけハヤタの変身シーンがないし唐突に飛んでくるので驚いたのを覚えてますよ。
ゴモラを運ぶのは万博のためという理由ですけど、それぐらい当時の日本は万博に対する思い入れがあったというのが分かります。
後篇は下手な怪獣映画よりも凄かったですね。
というか、『ウルトラマン』に登場する怪獣は、そのほとんどが特殊能力を持ったただの巨大な生物で、ただ食物を求めて現れただけだったり、彼らのテリトリーに人間が入っていった結果のトラブルだったり‥‥。
最初の『大怪獣バトル』のシリーズでは、「超振動波」は接近しないと使えなかったように記憶しています。相手に充分にダメージを与えて、隙を突いて懐に飛び込んでの超振動波は、ただの飛び道具ではなかったのが興味深いです。
しかし、尻尾の威力は忘れられてしまっていますネ‥‥。初代で尻尾を攻撃に使ったゴモラとエレキングを、レイが持っているというのは偶然でしょうか!?