モケーレムベンベ井澤聖一の「浮世の散歩」

モケーレムベンベのボーカル、井澤聖一のブログ

コスモ感じとん? みんな、コスモ感じとん?

2019-01-22 22:52:03 | Weblog
思春期を過ぎた男子たるもの興味を持つのはごく自然なことであり、むしろ健康な証拠と言っても良いであろう。
拙者、近頃すごい勢いでカレー作りにハマっている。

しかしなぜ成人男性はある日突然、カレー作りに目覚めるのか。

ポイントは「カスタマイズできる」ことだと前回語ったが、もうひとつ外せないのは、

「なんだかすごそう」

という点である。


男性は皆、幼少の頃から、実は伝説の勇者だったり、実は王家の血を引く最後の一人だったりして、
選ばれし者しか抜くことができない伝説の剣などを手に戦いながら育つ。

むろんゲームやマンガの話だが、その主人公たちは、少年たちにとってまさに自分の分身。

彼らは神秘の秘境などをズンズン進み、
命がけの必殺技などもガンガン放ち、
禁断の秘薬などもバカバカ飲む。

それは一体なぜか。魔王を倒すため?
故郷の王国を救うため?

否、それらが「なんだかすごそう」だからである。


『わたしの戦闘力は530000です。』
ば、ばかな……!

であったり、


『卍解……!』
見開きドーン!!

であったり、


正直なところ「なんだかすごそう」であれば、あとはなんだってよい。
それが「なんだかすごそう」であればあるほど、少年たちの目は果てしなく輝きまくるのである。

そしてこのなんだかすごそう欲、むろん皆大人になっても隠し持っている。



1960年代の○○社製の配線を使用したこだわりのオーディオ機材!! (うおーー!!)


ロゴの書体が微妙に違う、ブランド最初期のビンテージジーンズ!! (うおーー!!)


そして、

ルーを使わず、カレー粉も使わず、
何種類ものスパイスを自ら調合して作り出すオリジナルのカレー!! (うおーー!!)


やむを得まい。世の男性がハマるはずである。




なんであれ、ある程度物事を続けると、すっごい努力と閃きがなければ越えられない壁にぶちあたる。
バンドは今年10周年。
さらに遡ればその数年前からずっと詞を書き、曲を書いてきた。
苦労も楽しめるほど好きでやってはいるが、
どうしても納得いくものができないときなど、
わしゃ才能ゼロ人間なんやないか、みたいな気分になることもある。

そんな時、何か新しいことを始めてみる。
なにしろゼロからのスタート。
面白いようにめきめき上達する。

そして、自分が「なんだかすごそう」なものを作っているという事実。
一枚めくるごとにやってくる、人生の見開きページ。

「いける! こいつはいけるぞ!」

何がかはわからんが、湧き上がる謎のいける感。

そしてそのいける感をたずさえて、またギターを抱え机に向かうのである。


近頃はそういうリズムで生活が進んでいる。
自己肯定感を絶やさないままがんばり続けるってのは、けっこう大事なことなのかもしれない。

問題があるとすれば、部屋が完全に本場の香りになっていることぐらいだろうか。

脳内コスモ稼業なので、走り続けるには1Kに机ひとつあれば十分だけれど、
スパイスの宇宙にまで踏み込むとなれば、ちと換気が心許ないようである。

1 コメント

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Unknown (J)
2019-01-23 15:25:30
きよっさんの説でいくとやはり私は"女子脳"なのかな?って思いました。
男子のように「なんかすごそう」でときめく事なんて子供の頃から無かったように思います。
『自己肯定』が大事なのは凄く納得します。これができなければ辛すぎる;;生きてはいけないでしょうね。

それにしてもこれまできよっさんが作ってこられた曲のバリエーションの豊かさよ!
これまできよっさんソロ及びモケーレムベンベのライブで公開された曲の中でメロディーそのものがちょっと被ってる気がしてるのたった1曲だけですから…笑
そしてバンドアレンジでそれを潰すどころか幅広アレンジでより凄い感じになってますしねぇ…
勿論、それらの1曲1曲が全部丁寧に作られてますね!
「なんかすごそう」じゃなくて、きよっさんは「ちゃんとすごい」ですよぉ。
ただ、音楽の場合は"凄い"とかより"好み"が優先されるのでなんとも残念~笑

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