明日への道標~みんなが幸せになるために

さあ、また書き始めよう。どうしても伝えたいことがあるから。

日興コーディアルのこと

2007-01-31 | 政治
例の120ページの日興の報告書を読んでみた。

このブログでは何度も書いてきたことだけど、
会計ってのは答えは必ずしも一つではない。

特に、ファンドの扱いなど判断の余地のあるものも多い。

今回の日興のケースも、事務的な瑕疵はあるし、
また、相当程度アグレッシブだとは思うけど、
全面的に否定され存亡の危機に追い込まれる程の
酷いものとは思えない。

むしろ、相変わらずの金融庁の唯我独尊ぶりが際立つ。

今回、140億円の利益の架空計上と言われているが、
実際にファンドが持っている株式には同額の含み益が
発生しているのである。

決して、無いものを持って来たわけではない。

確かに通常、投資用の株であれば含み益は
実現利益としては計上出来ない。

しかし、一方でこの株式を保有している
ファンドとのデリバティブ取引の利益を計上すること
自体は一般的に問題はないはずだ。

また、このファンドを連結しなかったことも、
当時の会計原則からして特に問題があるとも思えない。

実質は投資用の株式だから、形式的には利益計上可で
あっても、それを利益計上してはまずいだろうと
言われれば、確かにそれは一つの考え方だ。

ただ、ここは微妙な所で、どちらかが100%正しくて、
どちらが100%間違いとまでは言えないと思う。

また、株価をTOBで不当に吊り上げたような
書かれ方をしているが、実際に株価はそれまでに大きく
上昇していたのであり、TOBによる部分は最後の
ちょっとだけ、しかもその幅もTOBとして常識的な線だ。

確かに、最後に利益を増やしたいという意図が
全く無かった訳では無いかもしれないけど、
極端に無理をした訳ではない。

明らかに問題があるのは、ファンドとの間の
デリバティブ取引が後付になっている所で、
ファンドが損をしてたら、そのまま本体には持って
こないつもりだったんだろうと言われれば、
言い訳できないかもしれない。

ただ、これにしても一定以上損をしたら
減損会計で損が本体に飛んでくるのだから、
粉飾の程度としてもタカが知れている。

全体を見て、決して真っ白とは言わないけれど、
ファンドに関する会計が完全に固まっていなかった中で
苦労しつつも、それなりにまとめてるなあとは思うのだが。

これを100%全否定して会長、社長のクビを飛ばし、
上場廃止にまで追い込むのは明らかに権力の濫用だと思う。

思えば、UFJの不良債権の査定の時も、
金融庁は自分達が全面的に正しいとして押し切ったけど、
結局、ちょっと景気が上向けば大半が正常債権に戻って、
空前の戻し益が計上された訳だ。

いい加減、金融庁も自らの唯我独尊ぶりに
気づかないのだろうか?

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