明日への道標~みんなが幸せになるために

さあ、また書き始めよう。どうしても伝えたいことがあるから。

これは違うだろ

2005-06-29 | 政治
>住宅金融公庫総裁に島田精一氏

>政府は29日、住宅金融公庫の望月薫雄総裁(69、旧建設省元事務次官)の
>退任を認め、後任に三井物産出身で日本ユニシス相談役の島田精一氏(67)を
>起用する方針を固めた。8月上旬に発令する。
http://www.nikkei.co.jp/news/zinzi/20050629AS1F2900829062005.html


小生は郵政民営化に強く賛成しているように
基本的に「官から民へ」という考え方には賛成である。

政治の力学で歪められることの多い「官」に対して
「市場」の方が合理的な解をもたらすケースが多いと
思っているからだ。

だけど、単に「民間出身者」をトップに据えることが
果たして「官から民へ」の改革と言えるのだろうか?

問われるべきは、それが本当に「官」がやるべき仕事か否か
ということであって、トップが官僚出身か民間出身か
などということは、あまり重要なことではないのではないか。

確かに、民間出身者は民間らしいアイディアは
持っているかもしれない

しかし、民間企業で功を遂げた人なら、
今さらケンカして何かを変えるよりも、
自分の出身母体に迷惑が掛からないように、
本当に肝心な所は遠慮してやり過ごしてしまうことになるだろう。

だったら、わざわざ民間から連れてくることに
何の意味があるのか。

さらに言えば、トップを民間人にするだけで、
なぜか「本当に官がやるべき仕事なのか」という一番重要な
命題がカモフラージュされてしまっているようにすら見える。

もしそれが本当に「官」がやるべき仕事なら
餅屋は餅屋で官僚出身者にやらせておけばいいし、
そうでないならば、その仕事自体を民営化するなり
廃止するなりすればいいのだ。

多くは後者だと思うけど...

「裸の王様」

2005-06-25 | 政治
マスコミがやたらと「改革派知事」云々と持ち上げるから、
こんな「裸の王様」が出てくるんだよな。


>宮城県警の捜査用報償費、浅野知事が予算執行停止を通知
http://www.asahi.com/national/update/0624/TKY200506240129.html


治安はタダ、警察は国民の敵、情報公開は「絶対善」、みたいな
マスコミのポピュリズムに忠実に従うと、
まあ、こういう結論になるんだろうなあ...

一方、本部長は、


>「協力者を守ることは捜査活動の核心。そこをとらえて『説明不足だ』と
>言うなら、要求には応じられない」。県警本部で記者会見した東川一本部長は、
>慎重に言葉を選びながらも知事への強い不満をにじませた。
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/miyagi/news/20050625ddlk04010450000c.html


ほんと、その通りだと思うよ。

「情報公開」が流行だからと言って、それが警察の業務を阻害し
治安維持の足かせになるんだったら本末転倒だろう。

ちなみに、県警のトッブの県警本部長ってのは
国家公務員で国家公安委員会が任命権を持ってるらしい。
だから、知事といえども県警本部長のクビは切れない。

歴史的経緯はしらないけど、最近みたいにおかしな知事が
増えてくると、この制度が意味を持ってくるね。

ともあれ、この手の「知事」を持ち上げる風潮を
いい加減やめないか?

新興宗教?

2005-06-21 | 政治
>新たな国立追悼施設建設の検討、武部幹事長が表明
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050619i113.htm


おととい、武部を誉めてしまったばっかりだが。

別に小生は神道でもなんてもないし、
靖国に特別な感情を持ってるわけでもない。

だけど、この「新たな国立追悼施設」ってのは
すごく違和感がある。

だって、一種の「新興宗教」じゃないの?

もともと慰霊とか追悼というのは必然的に宗教色を持つ。
目には見えないものを「信じる」所から始まるのだから。

もし、この新施設が既存の特定の宗教色を持たないということにしたら、
「持たない」ということ自体が一つの宗教であると言える。
少なくとも個別の一神教とは相入れないだろうし。

さらに言えば、この施設はA級戦犯は祀りませんってことにしたら、
この新興宗教の教義の根本は東京裁判ですってことになる。

確かに日本は国家として東京裁判を受け入れたとしても
それは無理に強いられたものであり、
それが宗教の教義になり、さらにその宗教が事実上の
国教になるのは、やっぱり違うだろうと思う。

問題が政治的にこじれてしまった故の迷走だと思うが、
そういう時に無理に答えは出さずに、冷静な議論のできる時期を
待った方がいい。

いずれにしても全ての人の心を満たす慰霊方法などないのだから、
政府からちょっと離れた所に、ある程度コンセンサスの得られる
神道の施設があるというのは悪くない形だとは思うのだが。

それにしても、神社に初詣をして、クリスマスを祝い、
葬式に坊主を呼ぶ人がたくさんいる国で、
誰のせいでここまでこじれてしまったんだろう。

トンネルの出口は近い?

2005-06-17 | 社会
いつも日本の「民度」にケチばかりつけているが、
ちょっと、いい話もあるね。


○?×?…ひどい駆け込み、ケガは自己責任と車掌放送
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050617it05.htm

JR中央線国分寺駅で今月4日、東京行き快速電車の閉まりかけたドアを
こじ開けて乗った男性客に対し、車掌が「駆け込み乗車は危険です。
大けがをすることになります。それで大けがをしても、そちら(乗客)の
責任です」と車内アナウンスした。

これを聞いた別の乗客がJR東日本に抗議、同社は「言葉に配慮がなかった」
と非を認め、車掌を指導した。だが駆け込み乗車は実際に事故につながる
危険な行為。発車が遅れると運転士は、JR福知山線事故でもクローズアップ
された「回復運転」を強いられることにもなる。識者は「利用者の側も、
駆け込み乗車の危険性と、多くの人が迷惑を被ることを認識するべきだ」と
指摘している。


だいたい、マスコミあたりは無責任な人ほど大好きなので、
ちょっと前なら例によってJRを袋叩きにしただろう。
それを予想したからJRも下手に出て謝っちゃったんだろうけど。

でも、ネット上では、そういう雰囲気ではなくなっているし、
上記の読売の記事もいい書き方をするようになっている。

2ちゃんねるなんかを見ても圧倒的にJR擁護派が多い。
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1118987805/

いつも、日本のことを嘆いてばっかりだったけど、
日本も少しずつ変わり始めてるのかなあ。

よく「失われた十何年」って言い方をするけど、
結局、左翼カルト世代あたりの、真面目な人の足を引っ張ることに
生き甲斐を見出しているような人達がぶち壊してきたんだと思う。

だけど、時々、少しずつ世代が変わりつつあるのを
感じることがある。

もしかしたら、日本のトンネルももう少しで終わるんじゃないかと
ちょっと期待してみたりするんだけど...

「絶対正義」

2005-06-12 | 政治
>入試問題で「ひめゆり学徒体験談は退屈」 青学高等部

>青山学院高等部(東京都)の今年2月の一般入試の英語で、
>ひめゆり学徒隊の沖縄戦体験者の証言を聞いた生徒が
>「退屈だった」と感じたという趣旨の長文読解問題が
>出題されていたことが分かった。

>同校は「配慮を欠いた問題だった。深くおわびしたい」としている。
http://www.asahi.com/life/update/0609/007.html


なんか、すごくイヤな感じがする。

もちろん、「体験談」の内容自体は深刻なものなのだろうし、
それを語り継ごうとする人達も真剣にやっているのだろう。

しかし、一方であまりに問答無用の「正義」に鼻白む人も
いるだろうし、人それぞれ感じ方は違うはずだ。

「正義」に疑問を挟む奴は怪しからんとばかりに糾弾して
頭を下げさせるやり方には強い違和感を感じざるを得ない。

今回の問題文は次の通りのものだったという。


>「正直言って、彼女の話は退屈で飽きてしまった。
>聞けば聞くほど防空壕の強烈な印象が薄れていった。
>彼女はその話を何回もしており、非常に話し上手になっていたと思う」


実際の「防空壕」で強烈な印象を受けた後で、
話し慣れた語り手の流暢な「語り」を聞けば、
そのように感じることもあり得ない話ではない。
だからと言って、別に好戦的なことを言っている訳ではない。

そんな文章が、そしてそれが入試問題に使われたことが、
言うほど悪いことだとは思えない。

それでも、学院側は「おわび」を強いられてしまった。

こうやって、どんどんタブーが増えていき、
「正義」はアンタッチャブルなものになっていく。

最近の「ナショナリズム」の先鋭化は、
こういう、「タブー」が肥大化していく中での、
鬱屈したフラストレーションの発露のように思えてならない。

としたら、青山学院を糾弾している人達のやってることは
完全に逆効果だということになると思うのだが。

「ナショナリズム」と「国益」

2005-06-11 | 政治
先日紹介した佐藤優の「国家の罠」にこんな一文がある。


>ナショナリズムが行き過ぎると国益を毀損することになる。
>私には、今の日本が危険なナショナリズムスパイラルに
>入りつつあるように思える。


左翼全盛の時代に育ってきた小生は、日本を弱体化させることしか
考えていないような連中に対して強い反感を持ってきた。

そういう時代の中ではいわゆる「ナショナリズム」と、
実際の「国益」はかなりの部分において一致していたと思う。

しかし、どうも最近この両者がズレ始めているように思うのだ。

小生は「国益」主義者である。

国際社会という一種の無法地帯の中で、日本がいかに有利な立場を
占めていくか、そして、その結果として日本国民がいかに幸福に
なっていけるかどうかに一番興味がある。

そういう意味では、「名」よりも「実」を重視する立場だ。

かつての「左」の人達のように両方とも捨ててしまうのは論外としても、
どうも最近「名」を重視するあまり、「実」を捨てて恥じない
「ナショナリズム」が台頭してきているように思えてならない。

しかし、「国益」を損なって、何の「ナショナリズム」であり
なんの愛国心なのか?

もちろん、名誉を大切にしない国は他国からバカにされるという
面があるのも事実だろう。だが、それは程度の問題だしバランスの問題だ。

前掲の佐藤氏はナショナリズムの第一の特徴として
「より過激な主張が正しい」ということを挙げている。

そんな中でバランスを失いつつあるのが今の日本ではないのか。

「国益」を冷徹に見据えた議論が力を得ていくことを望む。


<バックナンバー>
[読書日記][政治] 国家の罠/佐藤優
http://blog.melma.com/00099352/20050520232025

本丸攻めの緊張感

2005-06-01 | 政治
いよいよ、本丸攻防戦にふさわしい緊張感が漂ってきたな



郵政法案:反対派説得は一進一退 首相の票読みに批判噴出
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20050722k0000m010099000c.html


別に、見通しを述べるくらい普通のことだと思うが、
戦いの天王山に突入し、一発触発となっている今は、
さしさわりがあるのも解らなくはない。

やっと小泉内閣がまともになってきた所で、
なんで、こんな状態になってしまうのかとも思うが、
逆に言えば、まともなことを始めたからこそ
抵抗がもの凄いのだろう。

とはいえ、何で支持率の高かった最初の時点で
これをやらなかったんだろうかという悔いは残るが。

ネット上では、いよいよ郵政工作員と思しき連中が
ゴキブリのようにウヨウヨと現われて、
これでもかと煽りの書き込みを繰り返している。

最後は自民党も大半の議員が良識を発揮して賛成すると
信じているが、かなりの接戦にはなりそうだ。

とにかく、日本の政治、経済のあり方の戦後最大の岐路で
あることは間違いない。

あとは良い結果を祈るしかないのだが。