え ~ が ~ 天 獄

嗚呼、天国か地獄か、それなりに行き詰まりのパラダイス。
映画を中心に、あくまで個人的好き嫌いで感想紹介。

もし高校野球の女子マネージャーが ドラッカーの『マネジメント』を読んだら

2011年06月26日 | 青春
2011年 日本(東宝/TBS) 125分 青春/アイドル
監督/田中誠
出演/前田敦子、瀬戸康史、峯岸みなみ、川口春奈
   西田尚美、青木さやか、石塚英彦、大泉洋
(70点) 前田敦子のアイドル映画かと思いきや・・・

野球部のマネージャーだった病弱な親友の夢をかなえるために前田敦子は弱小野球部のマネージャーになり甲子園を目指すことになるが、参考書として本屋で買った「マネジメント」 は野球部のマネージャーではなく経営学の本だった。でも、これを高校野球に置き換えて野球部の改革に乗り出し、弱小野球部は生まれ変わるが・・・。

経営学とライトノベルの融合でベストセラーとなった話題作をAKB48のトップアイドル前田敦子初主演で映画化。
読書フリークの感想では原作は凡作として語られていたが、映画のレビューでは意外と好評のようなので観たのだが・・・、てっきり前田敦子のアイドル映画かと思いきや、前田敦子以外は魅力的なのに前田敦子だけ活躍せずに画面の真ん中でうなだれて突っ立っている扱いで、弱小野球部を改革する破天荒なヒロインのはずなのに、なんでこんなに暗い子になっちゃているの?
しかし、川口春奈、魅力ありすぎ。病弱の設定の割りに元気オーラ出すぎ、こちらがヒロインの方が良かったのかも。
地味なマネージャー役の峯岸みなみも映画では可愛らしく、苦手な大泉洋や青木さやかまで素晴らしく、男子野球部員もイイ男ぞろいで魅力的なのに、なんでヒロインの前田敦子だけ魅力的でないのか?
今や日本一のアイドルのはずなのに!物語的にも全然活躍が描かれていない。
原作が駄目なのか、演出が悪いのか、本人が初主演でプレッシャーに負けたのか、それなりに面白いのだが、どーもグっとこない。
AKB48によるエンディングソングが映画とまるで関係ないのも嫌だった。強引にAKB映画にしたいのならAKB総出演にしたらいいのに二人しか出ていない。
あんまし、ドラッカーの「マネジメント」もストーリーと絡みきってないし、面白要素はてんこ盛りだけど、この映画のマネジメントが出来てない気がする。
せめて前田敦子が明るく活躍してくれたら楽しく感動できたのに・・・。

(2011年6月ピカデリー 会員レイト1,000円にて鑑賞)
土曜のレイトで220人入る劇場で客4人・・・。

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X-MEN ファースト・ジェネレーション

2011年06月22日 | SF
2011年 アメリカ 131分 SF/アクション
監督/マシュー・ヴォーン
出演/ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ケヴィン・ベーコン
    ローズ・バーン、ジャニュアリー・ジョーンズ、ジェニファー・ローレンス
(75点) X-MENの序章、手堅いがもうひとつ派手さ華がたりないような・・・

プロフェッサーXとマグニートが元は仲間同士だったのに敵対関係になっていくX-MEN誕生を描いた一本。

1960年、米ソの対立は遂に第三次世界大戦へと向かっていた。その影には人類を滅亡させミュータントの世界を築こうと企むケヴィン・ベーコンがいた。その事実を知ったFBIの女性捜査官は突然変異種の専門家にして実はミュータントの金持ちのボンボンに相談。ボンボンはその能力で仲間を集めベーコンに闘いを挑むが、迫害されるミュータント達は人類を味方して良いのか、ミュータント達は葛藤しつつ戦うことに。


「X-MEN」って「G-MEN」の造語だったと初めて知った。そこが一番面白かった。
全体的に手堅くまとめていて評判も良いし、それなりに面白かったのだが、後半一瞬寝ながら観てたこともあり、ちょっとノリ損ねた。
なんか手堅すぎて地味。前3部作にも言えるがX-MENにそもそも思い入れがないからかも知れないが、なんでそいつが主人公?と思ったりする。目立つキャラが地味な扱いで地味なキャラが主演をはっている気がして、どーもノレない。
美人もいっぱい出てくるのだが、なんか色気が足りない。わざと色気を抑えている気もする。変身女2種の扱いが低いし赤鬼も活躍して欲しかった。
ケヴィン・ベーコンは悪の色気があったが、割と簡単にやられてしまった気がする。しかも仇(かたき)が仇のくせにその遺志を継いだりして、結末ありきのビギニングなので仕方ないが、なんか感動し損ねた一本。

(2011年109シネマにて「199人戦隊ヒーロー」と同日に有料鑑賞)

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ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199 ヒーロー大決戦

2011年06月19日 | アクション
2011年 日本(東映) 81分 特撮ヒーロー/アクション
監督/竹本昇 脚本/荒川稔久
出演/小澤亮太、山田裕貴、市道真央、清水一希、小池唯
    千葉雄大、さとう里香、浜尾京介、にわみきほ、小野健斗
    大葉健二、和田圭市、菊地美香、坪倉由幸、逢沢りな
(80点) 面白い!テレビシリーズをほとんど観てなくても楽しめる良作。

スーパー戦隊シリーズ35作目を記念して、現在放映中の「海賊戦隊ゴーカイジャー」と前作「天装戦隊ゴセイジャー」を中心にヒーロー199人が大集結!

過去のスーパー戦隊の力を手に出来る宇宙最大のお宝レンジャー鍵を求めて地球にやって来た海賊戦隊ゴーカイジャーの前にかつて戦隊ヒーローだったゴセイジャーの戦士が鍵を返せと現れる。地球最大の敵ザンギャックを倒すために必要だったが、海賊たちは鍵を渡さない。力ずくで鍵を奪い取るためにヒーロー同士で闘い始めるが、巨大な敵の前にヒーロー同士の絆が生まれる。
敵はレンジャー鍵を使って過去のヒーローを悪の手先として復活させる。
先輩ヒーローを悪に利用する行為にゴセイジャーとゴーカイジャーはタッグを組み地球の存亡をかけた死闘の幕が切って落とされた。


一ヶ月前に観た仮面ライダー大集合映画よりも思い入れの少ない戦隊ヒーロー大集合映画だったが、あまり元ネタを知らなくてもかなり楽しめる出来になっていて驚いた。
10割近くが戦闘シーンという無茶な映画なのだが構成に工夫を凝らしていて上手い!
ダブルピンク対桃色軍団など、同色同士のヒーロー対戦は面白かった。
なんとなく戦隊ヒーローものを知っている、多少は興味ある程度の知識で十分楽しめる特撮ヒーローお祭り映画の良作だった。
ただ、なんの繋がりで出ているのか知らないがお笑いトリオ「我が家」が悪目立ちしているのがちょっと嫌。
過去のヒーロー役者に混じって特別出演していたゴオイエローの逢沢りながムチャクチャ美人だった。もっと観たかったがちょっとしか出てなくて、それは残念。目が色っぽかった♪

(2011年6月18日(土)109シネマにて1300円にて鑑賞)


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パーフェクトブルー

2011年06月12日 | アニメ
1998年 日本 81分 サイコサスペンス
監督/今敏
声の出演/岩男潤子、松本梨香、辻親八、大倉正章、秋元洋介
(85点) アニメ初の本格的サイコホラー、ブラックスワンの元ネタとか

B級アイドルグループを脱退し女優への道を歩き始めた未麻にストーカーの影が近づく。アイドルグループはブレイクしていくが自分はパッとせず露出度の高い仕事をさせられる日々。アイドル時代のミマの幻影が現れ現実と幻想の区別がつかなくなっていく未麻。そして未麻の関係者が次々と殺されていき、未麻の部屋に血だらけの服が出てくる。犯人は自意識の崩壊した未麻なのか?
もう自分自身がわからない・・・。


アニメとして初の本格的サイコサスペンスとして製作された意欲作。江口寿史、大友克洋も企画に参加したことだけで話題になっていたがヒットはしなかったみたい。
最近のレビューを調べると今観ると題材がやや古く感じられるらしい。リアルタイムで観たら、なかなか新鮮で面白かったのだが。またこのアニメ、「ブラックスワン」の元ネタだとか。「ブラックスワン」の感想書いていてこの映画を思い出したが、まさか元ネタに使われていたとは!

(1998年頃今池国際シネマにて有料鑑賞)

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ピアニスト

2011年06月12日 | ドラマ
2001年 フランス・オーストリア 132分 カンヌグランプリ作/変態/愛憎劇
監督・脚本/ミヒャエル・ハネケ 原作/エルフリーデ・イェリネク『ピアニスト』
出演/イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル、アニー・ジラルド
(90点) 愛の名作!的な宣伝をしていたが、なかなかの変態映画だった・・・。

ピアニストとして英才教育を受けていたが、結局スターにはなれずウィーンの音楽院でピアノ教師をしているオールドミスがいた。生真面目で厳しい女教師の彼女だったが夜な夜な個室ビデオで先客の残した使用済みティッシュの匂いを嗅いでオナニーするという性癖があった。そんな彼女に何故か盲目的に愛を告げる若い色男が現れる。男性経験の無い彼女は拒むがやがてその男を奴隷のように扱い始める。そして加速度的に精神崩壊が進み女教師はアッチの世界へ突き進む・・・。

チラシや予告編で、愛の名作のような煽りで宣伝していたが本編を観るとまるで毛色の違う内容で度肝を抜かされた。
ガイキチの道へと突き進む変態オバチャンの話で、芸術映画の最高峰と言われるカンヌグランプリ作がこれか!とそちらにも衝撃を覚えた。
こんな嫌なオバチャンに何故あんな色男がメロメロなのか理解できないのが難点だが、主演女優賞を総なめにしたイザベル・ユペールの演技には鬼気迫るものがあった。
以来、このての精神崩壊して行く物語を観るたびに思い出してしまう基本の一本に。

(2002年 ゴールド/シルバー劇場にて有料鑑賞)

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ブラック・スワン

2011年06月11日 | ドラマ
2010年 アメリカ 108分 バレエ/心理サスペンス/美女
監督/ダーレン・アロノフスキー
出演/ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダー
(65点) 初主演のプレッシャーに精神が病んでいくバレリーナ

繊細で優等生タイプのバレリーナ、ナタリーポートマン。
やっと認められ「白鳥の湖」の主演に選ばれるが、聖女と悪女の二面性を求められる難役と初主演のプレッシャーに精神が病んでいく。
最愛のお母ちゃんとケンカしたり、ライバルとレズったり、演出家に翻弄されたり、結局、役を掴みきれないまま初日を迎えたが、現実と幻想の狭間で白鳥は黒鳥として羽ばたく。


ナタリー・ポートマンがアカデミー主演女優賞を受賞して話題の一作だったが、この手の現実と幻想が交差する心理サスペンスとしてはありきたりの展開で新味が感じられなかった。ヒロインの悩みが伝わってこなくて感情移入出来ない。ヒロインとライバルが美人で、ずっと美人ばかり観ていられるので退屈はしないが面白くはなかった。
カンヌグランプリの「ピアニスト」とか城定秀夫の「懺悔」とか今敏の「パーフェクトブルー」などを観てなかったら衝撃的だったのだろうか?

(2011年5月センチュリーシネマにて会員無料権で鑑賞)

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