奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2102)

2022-05-26 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「冥途・内田百閒集成3(内田百閒著・2002刊)」を読んだ。内田百閒(うちだひゃっけん1889~1971)は、東大(独文科)在学中に、夏目漱石門下となる。陸軍士官学校/海軍機関学校/法政大学にてドイツ語を教えた。小説家/随筆家、酒/琴/汽車/猫を愛した。本名/内田栄造、別号/百鬼園。---------

この本「冥途」の掲載小説のタイトルは次の通り。“冥途/山東京伝/花火/件/道連/豹/尽頭子/流木/柳藻/白子/短夜/蜥蜴(T10)”、“梟林記(T12)”、“大宴会(T13)”、“波頭/残照/旅順入城式(T14)”、“大尉殺し/遣唐使/鯉(S2)”、“流禍(S3)”、“水鳥/山高帽子/遊就館(S4)”、“昇天/蘭陵王入陣曲(S8)”、“夕立鰻(S9)”、“鶴(S10)”、“笑顔(S11)”、“北瞑/虎/棘の木/青炎抄”-------

この本「冥途」の裏表紙の抜き刷り文は次の通り。高い/大きな/暗い土手が、何処から何処へ行くのか解らない/静かに/冷たく/夜の中を走っている。意識と無意識のあわいに立ち上る奇妙な風景。無気味なようで/可笑しいようで/心許無いようで/曖昧な夢の世界を精緻な言葉で描く。表題作を始め/旅順入城式など特異な百閒の小説33篇。--------

この本「冥途」は内田百閒の小説家になりたての若かりし頃(30歳代)の作品が多く収められており、60歳代作品の枯淡(こたん)の境地とは、大きく異なるが、それでも漱石門下の小説家として世に出た意味合いと云うか、その優れた資質に驚嘆せざるを得ない。小説だから創作であるのだろうが、結構モデルとなった人物が実際に居たようなとてもリアルな書きっぷりでもあり面白い。

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