奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2107)

2022-05-31 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「人生にはやらなくていいことがある(柳美里著・ベスト新書2016刊)」を読んだ。柳美里(ゆうみり1968生れ)女史は、高校中退後、ミュージカル劇団“東京キッドブラザーズ”入団、女優/演出助手を経て、劇作家/小説家。1993“魚の祭”で岸田國士戯曲賞受賞/1997“家族シネマ”で芥川賞受賞。2015福島県南相馬市に転居。-------

この本「人生にはやらなくていいことがある」の目次は次の通り。“後悔とは何か”、“お金”、“家族”、“死”--------

この本「人生にはやらなくていいことがある」の内容紹介文は次の通り。家庭の不和/いじめ/出版差し止め裁判/壮絶な半生が教えてくれる、人生において/必要の無いこととは。作家生活30周年/芥川賞受賞20周年/南相馬在住作家/柳美里が48年間の“後悔”を語る/初の人生論。勿論私にも後悔はあります/私の場合は人間関係において後悔の念を抱くことが多い。だからと云って、その後悔によって、私の過去が否定されるものではありません。“後悔先に立たず”とは、事が終わった後で悔やんでも仕方ないということです。でも敢えて/後悔を忘れることのないよう目の前に掲げれば/それは足元を照らす灯火になり得るのではないか、と思うのです。---------

劇作家からスタートして、数々の文学賞を総なめにしてきた柳美里女史である。大学進学などはしておらず、地頭(じあたま)の良さと向上心/独学心の強さで、世に出て来られた幸運児でもある。その柳美里女史が、東日本大震災/福島原発事故の衝撃を我が物とするかのように南相馬市に転居しておられる。小説家はセンシティブ/繊細で常人/一般人の数十倍のショックを受けられたことは確かだろう。この本「人生にはやらなくていいことがある」には、未だに癒えない心模様を書き付けているのだ。柳美里女史のファンなら読んで激励してあげて欲しいと思った。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2106)

2022-05-30 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「知的文章術入門(黒木登志夫著・岩波新書2021刊)」を読んだ。黒木登志夫(くろきとしお1936生れ)氏は、東北大学(医学部)卒、東北大学(加齢医学研究所)/東大(医科学研究所)/ウィスコンシン大学/WHO(国際がん研究機関)/昭和大学にて“がん”の基礎研究を行う。現在は東大名誉教授/岐阜大名誉教授である。専門はがん細胞/発がんのメカニズム。-------

この本「知的文章術入門」の目次は次の通り。“日本語を大切に(日本語教育/知的文章を書く時の日本語の問題)”、“分かり易い文章を書こう(書くと云うこと/知的三原則/簡潔/明解/論理的/パラグラフが決める論理の流れ/分かり難い文章/文書)”、“さあ書き始めよう(何故書くのか/何を書くのか/一貫した筋書きで書く/論文の構造と注意点/コピペ/盗用をしない/仕上げは念入りに/学術論文を書く)”、“情報を探す/賢く使う(図書館に行く/書籍の購入/データベース/行政が発信するデータ/ウィキペディアを賢く使う/並列読みのすすめ/スマホ脳にならない/フェイクニュースに引っ掛からない/数字で考える)”、“パワポでプレゼン/オンラインで授業(パワーポイントでスライドを作る/プレゼンテーションする/オンライン授業/オンライン会議)”、“英語を学ぶ(英語ネイティブへの恨み/辛み/英語は易しくて難しい)”、“英語を読み聞き話し書く(英語を読む/進歩する自動翻訳/耳が良いとは/文章単位で話す/書く英語には正確さが必要)”、“英語でメールを書こう(役に立つ書き出しの文例/一般的文例/結びの文例)”-------

この本「知的文章術入門」の扉の抜き刷り文は次の通り。50年に亘り論文執筆の指導/審査に当たってきた著者は、3カ国でがんの基礎研究に携わって40年、英語論文執筆数は300を超える。大学での講義を元に、論文/報告書/レポートなど、事実と考えを正確に伝える文章術/プレゼン術を指南。-------

黒木登志夫氏は、医学と云う理系の学問分野から文系学者の領域である“文章術”を書いておられる。理系の読者ならきっとこの本「知的文章術入門」を読みこなせると思うが、文系の読者には少し不満足に感じるかもしれないと思った。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2105)

2022-05-29 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「民主主義を問いなおす~内山節と語る未来社会のデザイン(内山節著・農文協2021刊)」を読んだ。内山節(うちやまたかし1950生れ)氏は、都立新宿高校卒、2004~2009立教大学教員/東大(人文社会系研究所)講師/立教大学(21世紀社会デザイン研究科)教授。東京と群馬県/上野村を往復しながら暮らしている。近著に、“日本人は何故狐に騙されなくなったのか”、“命の場所”、“修験道と云う生き方”、“内山節と読む世界と日本の古典50冊”など。-------

この本「民主主義を問いなおす」の目次は次の通り。“流動化する世界と私たちの課題”、“国家が意味を失う時代に”、“未来への構想力と伝統回帰”、“関係的世界への回帰”、“何処に根を張るか”--------

この本「民主主義を問いなおす」の内容紹介文は次の通り。デマゴーグ政治の跋扈(ばっこ)や国家独立問題/そしてコロナ禍と/世界は分解と混乱を極めている。それは近代国家やその元での“民主主義/自由/平等”の持つ欺瞞(ぎまん)が限界を露呈したからではないのか。行き詰まる近代的世界を超えて/どのような未来社会を構想するのか。その答えを/伝統社会/そして農山村で活発化する伝統回帰の動きの中に見出す。自然と人間の関係/労働や共同体を巡る独自の思想を構築してきた在野の哲学者が語った政治/社会論。--------

内山節氏は、大学には行かず独学で哲学研究を進め、農山漁村文化協会との関わりの中で、恐らく寄稿文が誰かの目にとまり言論界に引っ張り出されたもののようだ。内山節氏はそのチャンス/機会を逸することなく、世に出られた人であり、運を併せ持った稀有な人なのだろう。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2104)

2022-05-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「経理から見た日本陸軍(本間正人著・文春新書2021刊)」を読んだ。本間正人(ほんままさと1969生れ)氏は、福島大学卒、1997防衛庁入庁、防衛装備庁に15年在籍。埼玉大学大学院(経済科学研究科)博士後期課程にて博士(経済学)取得。2021.4秀明大学(総合経営学部)准教授。軍事史学会/日本会計研究学会/日本原価計算研究学会に所属。--------

この本「経理から見た日本陸軍」の目次は次の通り。“軍隊も予算が無いと動けなかった”、“経理から見た軍隊生活”、“補給品を確保せよ”、“軍需品の価格はどう決まっていたのか”、“陸軍経理部の歴史”、“陸軍にもあった経理上の不正”--------

この本「経理から見た日本陸軍」の内容紹介文は次の通り。予算決定や兵器の調達/兵士たちの食生活/唯一の憩いであった酒への並々ならぬ執念/お財布事情など知られざるエピソードを紹介。軍隊の中で物と金を握っていたのが経理局だ。本書は陸軍と云う大組織を裏方として支えた陸軍経理部将校たちの活躍に焦点を当てたものである。予算や兵器の通達/衣食住/給与事情など、様々な側面から兵士たちの生活を紹介する。-------

本間正人氏は、戦後の防衛庁/自衛隊の経理について、平時のその実際を担い/司(つかさど)って来られており、実務家ではある。しかし戦時の様相の真実を御存じではない。従って、帝国陸軍や帝国海軍が作戦/戦時の兵站(へいたん)の補給/輜重(しちょう)に失敗していても負けを認めなかった愚かさを、避けて論じて居られるように思った。戦時の経理が機能しなければ意味がないけれど、取敢えず、平時はどうなっているのかについてはこの本「経理から見た日本陸軍」を読めば分かると云うことだろう。日本では秀吉の朝鮮出兵時の石田三成の輜重の失敗/無理筋が有名だ。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2103)

2022-05-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「ほんとのことは親にはいえない~子どもの言葉を生み出す対話(木村泰子著・家の光協会2021刊)」を読んだ。木村泰子(きむらやすこ)女史は、武庫川学院女子短期大学(保健体育学科)卒、大阪市立大空小学校/初代校長として、“全ての子どもの学習権を保障する学校を創る”ことに情熱を注ぐ。2015に45年の教職歴を持って退職。-------

この本「ほんとのことは親にはいえない」の目次は次の通り。“子どもが親に忖度する時(子どもは親には自分を見せない/学校に行けない子/暴力を揮う子/虐めに遭っている子/子どもの心を知る/自分は一人ぼっちだと思ってしまった時/子どもは死んでしまう)”、“それ上から目線です(親が上から目線で子どもに言うことを聞かせようとしている姿/子どもを支配しようとしている姿/対話になっていない会話/親が自分の姿に気付く/貴方のためにが子どもを追い詰める)”、“周りを気にして/このままで居ますか(大人の役割/同調圧力に飲まれずに/風評を流さない大人に/考えない/見ようとしない/知らんぷりで良いのか/子育てとは自分が変わること/多数決が普通の子を作ってきた)”-------

この本「ほんとのことは親にはいえない」の内容紹介文は次の通り。“褒める叱るを問い掛けに変える”/みんなの学校/初代校長による親と子のコミュニケーション論/何時も怒ってしまう/反抗的な子の態度にどう接すれば良いか分からない/子どもとの関係に悩む大人に読んで欲しい。対話とは“自分と意見の違う相手の考えを受け取って/自分のものでも/相手のものでもない/新しい考えを作っていくこと”と先生は言う。--------

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