奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その407)

2017-10-05 08:15:00 | 奈良・不比等
国文祭・障文祭なら2017
歴史ファンタジー小説・北円堂の秘密

今年の「奈良博」の「第69回・正倉院展(平成29年10月28日~11月13日)」のポスターを見ると少し地味目かなと思う。反対に「京博」の「国宝展(平成29年10月3日~11月26日)」が形振(なりふ)り構わずにポスターに伝頼朝像や風神雷神図を配して集客の先手を打ってきたかのようである。まるで高視聴率番組の裏番組が勝負に出ている感さえある。正倉院展は大丈夫でしょうか。修学旅行生も外国人観光客も正倉院展には興味が無いので、頼りは国内観光客だけだが、全国から来るリピーターのセレブ客は元々少ない。例年正倉院展に詰め掛けて来ていた客の実体は、正倉院展を後援している読売新聞がばら撒いた無料招待券を貰った客なのであり、それも近年読売新聞が枚数を減らしていて、土日でも30分待ちが最高であり、正倉院展の人気の陰(かげ)りが感じられる。読売新聞に宣伝して貰っても無料券を大量に配られて実際の収入が伸びないのでは奈良博としては独立行政法人として遣って行けないだろう。-----
古都奈良だけでなく奈良県各地の世界遺産にリストアップされていない寺社も正倉院展に合わせて特別開扉などで稼いでいるが今年の見入りは如何だろうか。------
東大寺大仏(毘盧遮那仏)に次ぐ集客力のある興福寺の阿修羅像は、耐震強化工事で今年休館の国宝館から移設した仮講堂にて乾漆群像展(平成29年9月15日~11月19日)として観ることは出来るが、興福寺・北円堂は東博に諸像を貸し出していて秋の特別開扉が無い。------
開催期間の3分の1を過ぎた「国文祭・障文祭なら2017」の賑わいが古都奈良の秋に良好な人出を伴って呉れれば良いが集客力のある催しは殆ど無い。全体的に国内観光客は古都奈良に限っては東北大震災以降目立って少なくなっているようであり未(いま)だに回復の兆(きざ)しはない。この間、外国人観光客の増加が幸いしてきたが、この処、中国などは外貨の流出を恐れて渡航制限を掛けているようであり、恩恵を受けて来た古都奈良は困った事になって仕舞う。----
奈良県は海が無いし、高い山は県南部に偏(かたよ)っているので、レジャースポーツの要素を盛り込めない欠点をカバーするためにウォーキングやマラソンやサイクリングの客を増やそうとしているけれど体育会系の人を増やしても世界遺産そのものを観に来る人にとっては鬱陶(うっとう)しくて邪魔になるだけだから痛し痒(かゆ)しである。
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