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財務省利権への切り込みが脱官僚政策の原点

2009-11-15 06:21:46 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

財務省利権への切り込みが脱官僚政策の原点
2010年度予算編成に向けて鳩山政権の事業仕分け作業が進展している。政府支出の無駄を排除するため、公開の場を用いて内実を明らかにしようとする試みは高く評価できる。独立行政法人、公益法人、天下りが絡み合い、貴重な国費が膨大に注ぎこまれている実態の一部を国民が知ることになった意義は大きい。


しかし、個々の支出の是非を検討する場の設定としてはいささか乱暴であるとのそしりを免れない。予算編成とその執行は国権の行使そのものである。予算に政策は体現化される。その予算編成作業を単なる見せものにするのは、権力の横暴でもある。


協議の場を動画で国民に晒し、悪者を仕立て上げる手法は、郵政民営化選挙の際に小泉政権が用いた「劇場型政治」の手法である。


予算費目の厳密な吟味について、地に足をつけた堅実な手法を模索する必要があると考えられる。


鳩山政権が発足してまもなく2ヵ月の時間が経過するが、内閣支持率が緩やかに低下している点に十分な警戒が必要である。沖縄普天間飛行場の移設問題は、これまでの自民党政権の負の遺産が大きく、対応が極めて難しい問題で、この問題について、一朝一夕に回答を示せぬことが批判を浴びた。鳩山政権は国民の意向を十分に斟酌して、したたかに外交を展開する必要があるだろう。


内閣支持率が低下した最大の要因は、鳩山政権の「脱官僚」方針に対する疑念が生じたことにあると考えられる。


今回の事業仕分けについても、WGグループの人選を見ると、財務省の強い影響力を認めない訳にはいかない。また、小泉竹中政治の御用言論人がメンバーに含まれていることも、大いなる不信感を生む。


また、明らかに財務省御用の人物が多数、WGのメンバーに起用されている。これでは、事業仕分けが財務省主計局の予算査定を代行しているだけにすぎないとの批判が生まれてもやむを得ない。


財務省は財政再建原理主義のターゲットに、①社会保障、②公共事業、③地方交付税交付金、を御三家として定めてきた。今回の事業仕分けにも地方交付税が取り上げられたが、これも事業仕分けが財務省主導で進められていることを示す証拠である。


地方主権を掲げるなら、国から地方への財源移譲が重要テーマになる。地方交付税減額は中央の論理の優越を示すべきで、財務省の利害に沿うものである。


また、財務省所管の各機関の予算切り込みがまったくなされていない。財務省利権を切り込むことこそ、霞が関改革の1丁目1番地であることを忘れてはならない。


鳩山政権が「脱官僚」を掲げるなら、財務省への切り込みが不可欠なのである。日本郵政人事についても、副社長に起用された財務官僚OBの人事には疑問を差しはさまざるを得ない。


政権交代を歴史的偉業に育てるためには、「脱官僚」路線の完遂が不可欠だ。鳩山政権はもう一度原点に戻って「脱官僚」の基本方針を見つめ直す必要がある。



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