今回はちょっと僕に似つかわない、少し毛色の変わった異色作品をご紹介しましょう(笑)。
今年70歳(!)になるスーパー・テノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティが満を持して発表した新録音ニューアルバム 『ティ・アドーロ』 がコレで、評論家筋からは「すでに全盛期の面影はなく、聴くに忍びない」と酷評を受けつつも、今なお現役バリバリで本作でも素晴らしい歌声を披露しております。キング・オブ・ハイCと呼ばれていた全盛時の彼の凄さを知っている方には、たしかに聴くに耐えないといいますか、高音域ではかなり苦しそうな印象を抱いてしまったとしても、それは否定できません。最後の曲では、まるでスティングのような甲高い声で唄っておりますし、まさに怪作と呼ぶに相応しいアルバムだと思います(笑)。2003年10月の発売で、国内盤CD税込価格2548円でした。
一声で彼だとわかる輝かしい歌声は、ギターでいえば一音弾いただけで誰の演奏だかわかってしまうエリック・クラプトンのような存在だと僕は勝手に解釈しておりますが、ちょっと違うかな(笑)。
で、今回のポイントですが、偶然にも隣のスタジオでレコーディングをしていた、なんとあのジェフ・ベック(!)が急遽、ギターでの共演を申し出て、パヴァロッティの十八番「カルーソー」に参加したことが、たぶん僕が本作を購入するきっかけになった最大の要因だと思います(笑)。パヴァロッティの名声は知っておりましたし、過去にクラプトンともチャリティーライヴにおいて競演しているので、その時のCDやビデオは持っておりましたが、まさかパヴァロッティ名義のソロ・アルバムを買うことになるとは、僕自身考えたこともありませんでした。また、何を隠そう本作を購入するのに、今回初めてHMV銀座のクラシックコーナーへ足を踏み入れたこともついでにカミングアウトしておきます(笑)。
とにかく「カルーソー」で演奏するジェフ・ベックのギター・ソロは想定外(笑)の素晴らしい出来栄えで必聴に値する名演だと思います。未聴の方は是非一度聴いてみて下さい。オススメです!!
◎LUCIANO PAVAROTTI 『Ti adoro』 (DECCA)
01. Il canto
02. Neapolis
03. Starai con me
04. Ti adoro
05. Notte
06. Come aquile
07. Domani verra
08. Buongiorno a te
09. Ai giochi addio
10. Stella
11. Tu e il tuo mare
12. Il gladiatore
13. Caruso (with guitar solo by JEFF BECK)
突然のブログ閉鎖で少々驚いておりますが、
公私ともにいろいろと忙しい時期であると察しておりますので、
仲間が減ってしまうことは寂しい限りですが、しょうがないですよね。
また、時間が出来た時にでもフラリと遊びに来ていただければ幸いです。
いつもブログで楽しいお話を聞かせていただき、ありがとうございました!!
さて、表題のルチアーノ・パヴァロッティ氏でありますが、
仰るとおり三大テノールの中でも一番芸の幅が広くかつ交遊範囲が広いのも
パヴァロッティ氏だと僕も思います。いわゆる懐が広いといえばいいのでしょうか、
声楽だけにとどまらず、あらゆるジャンルの歌手たちと対等に渡り合えるのも
やはり実力のなせる技であるわけで、衰えたとはいえ、
まだまだ彼の実力は捨てたもんじゃないと僕は思っております。
僕は過去に一度、仕事上の役得でパヴァロッティ氏ご本人とお会いしたことがありますが、
あの恰幅の良さというのは、やはり現物を目の当たりにすると
オーラを放っておりましたね。本物はスゴイです。