廃盤日記(増補改訂版)

めざせ!日本全国の中古盤店制覇!(by じみへん)

★映画 「未来世紀ブラジル」 (テリー・ギリアム監督)

2007年01月18日 | MOVIE
 
1985年に公開された近未来SFの傑作映画といわれる『未来世紀ブラジル』のDVDをようやく購入しました。以前から観よう観ようと思っていたものの、なぜか今までなかなか店頭では手が出なかった作品である。なぜ急に思い立って観ようと思ったのか?は、自分でもよく判らないのでありますが、なにか深層心理の部分で静かに変わったことがあったんでしょう、きっと(苦笑)。

さて、この圧倒的なイマジネーションで近未来の悪夢を描いた奇才テリー・ギリアム監督(=モンティー・パイソン)の最高傑作と名高い本作でありますが、僕にはどうにも解せない点、それは映画タイトルにもある「ブラジル」というキーワードでありました。なぜ「ブラジル」なのか、映画鑑賞後も近未来の無国籍社会を舞台にした映画のどこが「ブラジル」だったのか、最後の最後まで理解できなかったのでありますが、解決の糸口はなんとも簡単なところにありました(笑)。映画全編を通して流れる本作のテーマ曲のタイトルが、実は「Aquarela do Brasil」という曲名なのでありました。ここから「ブラジル」というキーワードが付けられたんですね。だから映画の内容自体とこのタイトルはほとんど無関係だった訳なんです。これで納得しました、ああスッキリした(苦笑)。

僕の大好きな映画『ブレードランナー』と双璧を成す近未来SFのカルト映画であると評価を受けている作品ではありますが、たしかに映像描写は目を見張るべきものがあり、何度も繰り返して見なければ理解できない点も多いと思いましたが、明らかに『ブレードランナー』とは異質なまったく別物の近未来SFだという印象も受けました。どちらかというと『ブレードランナー』というよりも、むしろ故スタンリー・キューブリック監督のこれまた名作『時計じかけのオレンジ』の方に近いのではないかと思えました(え?これって常識?笑)。

とにかくこの伝説のカルト映画は長い間DVD化もされずに、これまで簡単には観ることができなかった悲劇の作品でもあります。一般の方にはなかなか理解されにくいタイプの映画であるかもしれませんが、とりあえず廃盤になる前に購入しておいて、一度は観ておく価値はある作品だと思います。一回観ただけでは理解できなくても、この近未来を描写した映像美は一見の価値ありです!!繰り返し観ることで、新たに発見できる箇所が次から次へと見つかるのではないかと僕も楽しみにしております。また映画の随所に過去の名作映画へのオマージュとも受け取れる場面がいくつも登場してきますので、それらを探し出すのも一興かと思います。とにかく一筋縄ではいかない複雑怪奇な面白い映画でした(苦笑)。

尚、廉価版DVDで税込価格2500円で現在は購入可能です。是非一度ご賞味あれ。オススメです!!