廃盤日記(増補改訂版)

めざせ!日本全国の中古盤店制覇!(by じみへん)

★布谷文夫 「悲しき夏バテ・布谷文夫 I 」

2007年01月17日 | J ROCK MASTERPIECE
 
1989年に“日本ROCKの逆襲”シリーズの一枚として初CD化された布谷文夫ソロ名義のファースト・アルバムです。CDの整理をしていて埋もれた山の中から発掘されましたので、久し振りに聴いてみました(笑)。

布谷さんというと「ナイアガラ音頭」が一番有名(?)なのかもしれませんが、この『悲しき夏バテ』は「怪人・布谷文夫」の本領を最大限に発揮できた稀有な日本ロック界の名盤だと改めて思いました。後にも先にもこんな内容のアルバムは見たことも聴いたこともありませんからね。何を唄っているのかよく判らない(聞き取れない)ヴォーカルの元祖だといってもいいかもしれませんね(苦笑)。一見するとテキトーに唄っているかのように誤解を招きやすいシンガーであるかもしれませんが、それも布谷さんの天性によるものだと僕は思います。

実際に布谷さんご本人と話してみますとよく判りますが、たいへん親しみやすい朴訥とした雰囲気の方で、初対面にも関わらず丁寧に会話を交わしてくれるなど、人柄の良い性格が会話の端々ににじみ出ていましたね。外見からするととても芸能人には見えないのでありますが(布谷さんゴメンナサイっ!苦笑)、とにかく人懐っこい性格であることは間違いないと思います(笑)。

現在でも地道に活動を続けていると聞く布谷さんですが、またいつの日か彼の「唯一無二」な絶唱ヴォーカルを聴きに、小さなライブハウスへ足を運びたいものです。そーいえば、一番最初に布谷さんのライブを観に行った時はお客さんの数がヒト桁で、バンドメンバーの人数とお店のスタッフの人数を合わせると関係者の数の方が多かった記憶がありますね(苦笑)。そんな観客数だったにも関わらず、布谷さんは一切手抜きなしで全曲シャウトしまくってくれましたし、あの時はまるで「プライヴェートな貸切ライブ」のようで、なんとも贅沢な時間を過ごさせていただきました。懐かしい思い出のひとコマです(笑)。


◎布谷文夫 『悲しき夏バテ・布谷文夫 I 』 (POLYDOR, H25P-20306)

01. 五番街
02. 冷たい女
03. 深南部牛追唄
04. 夏バテ
05. 台風13号
06. ニューオリンズの町へ
07. ホーボー・ブルース
08. 街のブルース
09. 朝めがさめて
10. 水たまり