25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

英語のヒアリング力のつけ方

2018年02月02日 | 社会・経済・政治
 昨日、岡田さんと居酒屋でちょっと英語の話になったので、久しぶりに英語のことを書いて見る。

これは小学生や中学生の子供を持つ親や学校、塾の日本人教師、それに補助をする英語圏人に読んでいただきたい内容である。小学校に英語授業が導入され、中学受験でも今年は英語も受験科目としているところが増えた。大学受験においてもトッフルや英検が採用されるようである。

 英語のヒアリングを不得意とする人は多い。言語を喋るということは乳幼時期に母が語り、両親が話す、外から聞こえてくる音をしっかり聴いて、いわばコップにヒアリングの水が溜まり、やがてコップから発する言葉となって現れる現象である。

 ヒアリング力を能率的、合理的に身につける方法がある。英語圏人の先生がやるのはもちろん望ましい。しかし、英語圏人だからと言って、英語指導法のプロかと言えば、もちろんプロではなく素人である。英語圏人を雇用する側は、彼らをうまく使えているとは思えない。逆を考えればわかる。われわれ日本人が能率的に誰もが教えられるかと問えばすぐにわかることだ。英語圏人は教授法を知っているのではない。ネイティブスピーカーだから教えるのは上手とは言えないのである。

 またヒアリング力を身につける手っ取り早い方法は「身体を通す」ことである。Stand up.と意味を教えず、なんども言い、立つように促す手振りでもしてあげれば、生徒は Stand up.は「立て」ということなのかと思う。立ってみると先生は Good boy. とか言って褒めてくれる。次に Look to the side. と先生が呼び掛けても子供はチンプンカンプンであるが、何度もやり、先生が模範を示すと、生徒はようやくわかりそれがわかる。

 身体を通してヒアリング力をつけていくのには、二つの大きな意味がある。それは直接的な動機である。教科書に書かれたものは他人事である。ところが Stand up. と言われ、Look to the side. と言われるのは直接的である。自分事なのである。初めの頃の言語は直接的から始めないとならない。これがぼくの意見であり、かねてからの主張であった。

 英語圏人を雇い始めたとき、彼らをどう使うかと考えた時に、ぼくにはこのメソッドをマニュアル化し、系統立てて、英語圏人が教える必須のこととした。外国人導入時に日本人が反乱を起こしたが、この方法が名古屋圏にも広がっていった。もう25年程前の話だ。Total Phisical Response (TPR)というメソッドであり、現在の小学校で僕が作ったものと同じものでなくても導入された方がよいと思う。

 もうひとつ根本的な初期英語指導法がある。それはフォニックスである。Aa を「ェア」と音素で読ませる方法である。Aa と「エイ」と読ませてしまったら子供はわけのわからない穴に落ちてしまう。
 日本語のひらがなやカタカナは 音素が文字になっているから、Aaを「エイ」と習ってしまえば。
Apple はなぜ 「エイ・ピー・ピー・エル・イー」と読まないのか、という不思議さの中に入ってしまう。ここのところで、その疑問を言葉にできない子供は「わかりにくさ」を覚え、英語はとりあえず、なんでもかんでも読み方、スペル、意味、アクセントまで丸暗記するものだ、と理解してしまう。アルファベットをまず音素で覚えてもらう。それを組み合わせると3文字の単語が読めるようになる。それからアルファベットのAa の音は「ェア」であり、その名前は「エイ」であると教える。そして単語の中には名前読みするものもあることを教えるのである。エイと読む印は最後にe がついているときだ、と教える。map - make tap- tape となるわけだ。すると make lake take などが読める。このアルファベットの法則も小学生の時に教えられるべきである。アメリカではとうの昔から行われていたが、日本はこの頃になって広まってきた。まだ「A」を見て「エイ」と言ってるようではそれは古い教え方をされていると言っていいだろう。

最後に、日本語と英語の違いをわかりやすく意識させることだ。
 This is Taro's shirt.
これは太郎君のシャツです。

 ここからどれだけ日本語と英語の違いを見出し得るか。この腕は教師にかかっている。教師は「単語」という言葉を平気で使うが、「単語」という言葉は英語をなら初めて体験する言葉である。

興味ある方は小学生や中学生をもつお母さん方や、学校や塾の先生にこんなのあるよ、と伝えていただければ嬉しい。英語教育界の古い体質ではだめなのだから。

*TPRの台本が部屋の奥から出てきたので、中身を点検してみた。今でも上等に使える。No.1 と No.2 があり、No.1 は文法的には中学内容、No.2 は文法的には高校内容である。いつでも欲しい方にはコピー代さえいただければ差し上げる。
*フォニックスについては「こども英語 ナルニア」の中の「ペンギン先生の英語がよくわかる話」に寄稿高している。日本語と英語の違いも、長い文を作っていく方法も書いてある。こちら。