25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

キャロル・キング

2016年09月20日 | 音楽

 僕がキャロル・キングを知ったのは1971年だった。1969年に自身による「タペストリー」がでるまでは、アメリカンポップスの作曲家で次々と歌手に楽曲を提供してはヒット曲を連発していた。15歳の頃から作曲していたのだから、宇多田ヒカルのようなものだったのだろう。

僕は You've got a friend.やWill you love me tomorrow? など彼女のLP盤を擦りきれるほどなんども聴いた。先日 ドキュメンタリーで、キャロル・キング出てきてインタビューにも応え、彼女のガーシュイン賞受賞に至るまでの人生を紹介していた。コンサートをほとんどしないシンガーソングライターだったから、僕はこの歳になってはじめて彼女の歌う映像を見た。

 トラウマや貧困などとは無縁な教師の家庭で両親に十分に愛されて育った。母親にピアノを教えてもらった。曲が湧き出てきたらしい。彼女が音楽界にデビューした頃は僕は寺町の路地で、まだテレビもなく、遊んでいた。

 これは想像だが、竹内まりやや山下達郎などは相当影響を受けたのではないか。

 僕はLPを買い続け、ロンドンでも聴き続けた。LPの時代が終わるとCD盤を買い集めた。彼女の歌はシンプルであるが心を歌う深みのようなものがあり、これからも人々よって歌い継がれていくことだろうと思う。ビートルズが真っ先に彼女の歌をカバーした。

 人生に影響を与えてくれた人は何人もいる。歌の世界ではこの人だ。僕は You've got a friend. を耳にすると、元住吉四畳半アパートで、自分の感情を言葉にできないもどかしさや、世界を把握する方法がわからず、悶えていたころを思い出す。

 インタビューキャロルは少女のように見えたのは不思議だった。